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摩耗は機械装置のトラブルの75%以上に関係している」と言われています。
だから、機械装置の可動部に給油することが欠かせないのですが、現場ではその「当たり前」が守られないケースが少なくありません。なぜでしょうか?
記事の目次
集中給油システムの設計ポイント
給油は面倒な作業です
機械装置をエンドユーザーへ納めた後、安定稼働させて正常な状態を維持するためには、可動部への適切な潤滑が欠かせません。
潤滑剤には、液体潤滑剤(オイル)、半固体潤滑剤(グリス)、固体潤滑剤(二硫化モリブデンなど)がありますが、中でもオイルやグリスは周期的・定期的に給油を行う必要があります。
しかし、現場では「給油は面倒な作業」という認識があり、給油が行われないケースが見受けられます。
作業性を理由に給油が行われない事例
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作業性が悪い
機内が狭く、作業者の手や体が入りにくい。給油箇所が高所にあり作業のハードルが高い。
- 視認性が悪い
給油ニップルの位置がカバーの内側や奥まった場所にあり、存在自体が見落とされてしまう。 - グリスガンが給油口(給油ニップル)に入らない
グリスガンのノズルとニップルの相性が悪い。ノズルがニップル周囲の部品に微妙に干渉して、しっかりニップルに入らない。
LMガイド

給油が行わなければ言わずもがなですが、機械装置の可動部には段階的にダメージが発生します。
こんな感じで、、、
自己潤滑性を持たない金属同士が直接接触すると、摩擦によって表面が削られ、材料が失われる「摩耗」が発生します。この摩耗が進行すると、可動部にガタ(隙間)が生じ、装置の精度が低下します。その状態のまま使用を続けると、生産製品の不良率が高くなり、最終的には部品寿命が極端に短くなって破損に至ります。
その結果、生産ラインの長時間停止(いわゆる「ドカ停」)という甚大な損失につながります
このような損失を防ぐためには、やはり周期的な給油が必要ですが、その前提として、給油作業を「やりやすい作業」にする必要があります。
参考
* 摩耗についてはこちらの記事で紹介しています
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摩耗の問題と形態【故障や寿命が短くなる原因】
続きを見る
*グリスニップルについてはこちらの記事で紹介しています
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-
グリースニップルの規格と種類【延長や向きを変える方法】
続きを見る
*潤滑についてはこちらの記事で紹介しています
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-
潤滑剤の効果と種類【潤滑油とグリースの特徴を比べる】
続きを見る
集中給油システム
給油作業の問題点である「作業性が悪い」「視認性が悪い」「グリスガンが給油口(給油ニップル)に入らない」という問題点を解決して、給油作業をやりやすくする方法を紹介します。
給油作業をやりやすくする方法
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集中給油システムにする
給油システムの方法はこちら
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給油口(可動部品)に専用継手を取付ける
- ターミナルブロックに専用継手とグリスニップルを取付けて、機内の給油しやすい場所に取付ける
- ホース・パイプを用いて、給油口からターミナルブロックまで配管する
これにより、給油しやすい場所で、しかも一箇所でまとめて給油することが可能になります。
ターミナルブロック

配管のポイント
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パイプは焼きなましされた「銅管・アルミ管」を使用する
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ホースは耐油性・耐圧性が優れている給油専用ホースを使用する
- 継手は耐油性・耐圧性がすぐれ給油専用を使用する
集中給油システムを施工するうえで、重要なポイントは3つあります。
銅管やアルミ管で配管を行う場合、部品コストと漏れリスクの観点から、中間継手を使わずにベンダーなどによる曲げ加工によって配管するのが一般的です。そのため、管は「焼きなまし」がされているものを使用します。「焼きなまし」がされていない銅管・アルミ管は非常に硬くベンダーであっても曲げることができません。そのため、配管作業には必ず「焼きなまし済み(軟質材)」を購入する必要があります。
次に、給油に使用するホースは、必ず耐油性があるものでなければなりません。耐油性のないホースを使用すると、硬化したり、逆に柔らかくなったりと、早期の破損リスクがあります。また、グリス給油の場合は、オイルに比べて粘度が高く、圧送時に大きな負荷がかかります。そのため、耐圧性がないホースを使用すると給油作業中に破裂します。そのため、給油専用のホース(耐油性と耐圧性があるもの)を使用する必要があります。
最後に、パイプやホースの接続に使用する継手ですが、特にホースに使用する継手は様々な種類があるので、要注意です。継手には「空圧用」と「給油用」があり、両者では耐圧性に違いがあります。具体的には、一般的な空圧用継手の耐圧は1MPa程度であるのに対し、給油用継手は3~4MPa程度です。特に、グリス給油においては、グリスの粘度が高いため圧送時に配管内が高圧になりやすく、もし耐圧性の低い継手を使用してしまうと、給油中にホースが抜けたり、継手自体が破裂したりする危険性があります。そのため、継手は耐油性と耐圧性がよいものを選定するようにします。
給油に使用できる継手とホース・パイプ
それでは、集中給油システムに使用できる継手とホース・パイプを紹介していきます。
給油に使用できるホース・パイプ
機械装置の集中給油システムに使用するホース・パイプの太さは、一般的には4mmと6mmですが、FA装置のような小型装置の場合は4mmが基本となります。
まずは、ホースから紹介しますが、ホースは耐圧性と耐油性がある製品を選定する必要がありますが、リューベからは給油に使用できる専用のホースがラインナップされています。
リューベのナイロンチューブ
| ホース外径 | 使用圧力(Mpa) | 長さ(m) | リューベの品番 |
| 4 | 2.5 | 100 | NT-4(106801) |
| 20 | NT-4 20M(106845) | ||
| 4.4 | 100 | NT-4H(106806) | |
| 20 | NT-4H 20M(106846) | ||
| 6 | 2.2 | 100 | NT-6(218005) |
| 20 | NT-6 20M(218049) | ||
| 3.7 | 100 | NT-6H(218006) | |
| 20 | NT-6H 20M(218050) | ||
| 8 | 1.5 | 100 | NT-8(218003) |
※使用圧力が高いホースのほうが、固いホースです。固いと屈曲半径が大きくなるので要注意です。
出典:リューベ カタログ
次に、パイプですが、特にこれがおすすめというものはなく、「焼きなまし」がされているものであればOKです。ミスミでもモノタロウでも商社さんでもどこからでも、入手しやすいルートで購入してください。
今回はリューベのパイプを紹介します。
リューベのアルミパイプと銅管
| パイプ外径 | 使用圧力(Mpa) | 長さ(m) | リューベの品番 |
| 4 | 1.3 | 2 | AT-4(106811) |
| 6 | 2 | AT-6(206811) | |
| 4 | 7 | 5 | CT-4(106821) |
| 6 | 8 | CT-6(218015) | |
| 8 | 6 | CT-8(206823) |
出典:リューベ カタログ
ホース配管の継手
ホースによる集中給油に使用できる継手を紹介します。
まずは、ホースを差し込むワンタッチ継手ですが、こちらはリューベさんの商品がおすすめです。
※ストレート形状の継手
| 適合ホース外径 | 取付のねじ込みサイズ | リューベの品番 |
| 4 | R1/8 | KBC4-01-F(209503) |
| R1/4 | KBC4-02-F(209504) | |
| M6×1.0 | KBC4-M6-F(209501) | |
| M6×0.75 | KBC4-M6P0.75-F(209502) | |
| 6 | R1/8 | KBC6-01-F(209513) |
※使用頻度が高いのは、「KBC4-01-F」「KBC4-M6-F」「KBC4-M6P0.75-F」です
※L形形状の継手
| 適合ホース外径 | 取付のねじ込みサイズ | リューベの品番 |
| 4 | R1/8 | KBL4-01-FN(209508) |
| M6×1.0 | KBL4-M6-FN(209506) | |
| 6 | R1/8 | KBL6-01-F(209518) |
※使用頻度が高いのは、「KBL4-01-FN」です
出典:リューベ株式会社 カタログ
次に、ワンタッチ継手と組合せる継手ですが、こちらは THK製の配管継手をおすすめします。
LMガイドのグリスニップルは細目ねじの場合がありますが、THKの継手はそれに対応しています。また、THKはLMガイドメーカーということもあり、高さ方向の寸法が限られるLMブロックにも問題なく取り付け可能です。
| おねじサイズ | めねじサイズ | 品番 |
| M6×0.75 | RC1/8 | LF-A形 |
| M6×0.75 | M8×1 | LF-B形 |
| M6×1 | M6×1 | LF-E形 |
| R1/8 | RC1/8 | LF-C形 |
| R1/8 | M8×1 | LF-D形 |
※使用頻度が高いのは、「LF-A形」「 LF-E形」 「LF-C形」です
出典:THK カタログ 専用配管継手
参考
*グリスニップルについてはこちらの記事で紹介しています
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グリースニップルの規格と種類【延長や向きを変える方法】
続きを見る
パイプ配管の継手
集中給油に使用するパイプ配管の接続は、ホースのようにワンタッチ継手に差込むわけではなく、食い込み管で接続することになります。
まずは下記の資料で、食い込みの仕組みを確認してください。
出典:リューベ カタログ
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※コンプレッションブッシングを締め込むことで、スリープがパイプに食い込み、締結と密閉をする仕組みです。パイプを取り外した場合に、スリーブがパイプに食い込んで外れないことがあるので、そのままの長さで使用することはでできても、ハイプ長さを変更したい場合は、パイプもスリーブも再使用できないことがあるので要注意です。
このような食い込み接続に使用できる継手は複数のメーカーさんから販売されていますが、今回はリューベさんの継手を紹介します。
コンプレッション・ブッシング
| 適合パイプ外径 | 取付のねじ込みサイズ | リューベの品番 |
| 4 | M8×1 | CB-4-8(106253) |
| CB-4-B(166253) | ||
| 6 | M10×1 | CB-6(206252) |
| CB-6-B(166255) | ||
| 8 | M14×1.5 | CB-8(207252) |
※使用頻度が高いのは、「 CB-4-8(106253)」です
コンプレッション・スリーブ
| 適合パイプ外径 | リューベの品番 |
| 4 | CS-4(106254) |
| 6 | CS-6(206254) |
| 8 | CS-8(207254) |
※使用頻度が高いのは、「CS-4(106254)」です
出典:リューベ カタログ
次に、アダプターですが、種類は形状やねじサイズによって多数あるため、ここでは一般的なタイプを紹介します。詳しくはリューベさんのカタログで調べてみてください。
一般継手に接続するためのストレートアダプター
| 適合パイプ外径 | 取付のねじ込みサイズ | リューベの品番 |
| 4 | R1/8 | SA4-16(106001) |
| SA4-20(106002) | ||
| SA4-25(106003) | ||
| SA4-30(106004) | ||
| SA4-35(106005) | ||
| 6 | SA6-20(206001) | |
| 8 | R1/4 | SA8-28(207001) |
※使用頻度が高いのは、「SA4-16(106001)」です
給油したい部品に直接取り付けられるストレートアダプター
| 適合パイプ外径 | 取付のねじ込みサイズ | リューベの品番 |
| 4 | M5×0.8 | SA4-5A(106082) |
| M6×1 | SA4-6A(106084) | |
| M6×0.75 | SA4-6B(106085) | |
| M8×1 | SA4-8A(106088) | |
| M10×1 | SA4-10A(106089) | |
| 6 | M6×1 | SA6-6A(106094) |
| 4 | 1/4-28UNF | SA4-U(106099) |
| 6 | SA6-U(106353) |
※使用頻度が高いのは、「SA4-6A(106084)」「SA4-6B(106085)」です
出典:リューベ カタログ
ポイントまとめ
それでは、集中給油システムの設計ポイントについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 可動部に給油しない最大の原因は「作業性の悪さ」
- 集中給油システムで「1か所・見える・やりやすい」を実現できます
- 配管・ホース・継手は「給油専用」を使うこと
- 配管材は必ず「焼きなまし材」を選定しましょう
以上4つのポイントです。
参考
*グリスニップルについてはこちらの記事で紹介しています
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グリースニップルの規格と種類【延長や向きを変える方法】
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*保全についてはこちらの記事で紹介しています
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TPMと保全の種類【機械装置にMPを反映して改善すれば品質向上】
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*摩耗についてはこちらの記事で紹介しています
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摩耗の問題と形態【故障や寿命が短くなる原因】
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以上です。






