当ページのリンクには広告が含まれます

【締結要素】

【溝とカム】ノルトロックワッシャーの仕組みと特徴と注意点【物理的に緩まない】

2022年11月13日

この記事はAIで音声配信しています。

 

ねじ・ボルトの緩み対策は、機械装置において非常に重要なテーマですよね。

ただ、緩み止めの方法や製品にはさまざまな種類があり、「これが一番良い」と断定することはできません。

そんな中で今回は、スウェーデンのノルトロック社が製造・販売している「ノルトロックワッシャー」をご紹介しようと思います。

この製品はクサビ効果を利用した物理的な緩み止めワッシャーであり、数ある対策の中の一つの選択肢として参考にしてください。

 

ノルトロックワッシャーの仕組みと特徴と注意点

ノルトロックワッシャーとは?

ノルトロックワッシャーとは、2枚1組で使用するゆるみ止めワッシャーです。

形状の特徴として、片面には「放射状の細かい溝」、もう一方の面には「カム形状の突起」が加工されています。使用する際は、この2枚を「カム形状の突起」同士が向かい合うように組み合わせ、「放射状の細かい溝」はボルト・ナット側と部品側に接するように取り付けます。

 

ノルトロックワッシャー

ノルトロックワッシャー

ボルトのリード角とカム形状の角度

片面:放射状の細かい溝(ボルト・ナット側と部品側に食い込む)

ボルトのリード角とカム形状の角度

片面:カム形状の突起(互いに組み合わせて使用する)

ボルトのリード角とカム形状の角度

2枚1組で使用します。組合せの向きを間違えないように

ボルトのリード角とカム形状の角度

 

なぜ緩まないのか?

  • ノルトロックワッシャーのカムの角度は、ボルトのリード角よりも大きい
  • そのため、ボルトが緩もうとしたときにカム面が滑りあがって「ボルトを持ち上げようとする」
  • それによって、ボルトの座面と部品の接触面にノルトロックワッシャーの細かい溝が食い込む
  • 食い込むと、カム面が滑りあがって「ボルトを持ち上げる」
  • 持ち上がると、ねじ山の摩擦が高くなり(軸力向上)、ボルトが緩みにくい(緩まない)ことになる

 

出典:カタログ ノルトロックワッシャー

カム角度(α)> ねじのリード角度(β) となるように設計されています

ボルトのリード角とカム形状の角度

 

 

上記のイラストをご覧いただくと、緩まない仕組みが想像できると思います。よく考えられていますよね。

 

特徴と注意点

ノルトロックワッシャーの特徴と注意点をまとめておきます。

 

特徴まとめ

  • ねじピッチは並目・細目・極細目の、どれでも使用できる
  • ハイテンボルト(強度区分12.9)のボルト・ナットにも使用可能
  • フランジボルト・フランジナット(セレーションなし)にも使用できる
  • 再使用可能(カム形状が摩耗すると、クサビ効果が減少するので、新品を使用する)
  • 材質は豊富にラインナップ。EN1.7182(SCM440F材相当)、EN1.4547(SUS312L)、EN1.4404(SUSI316L)など

 

注意点のまとめ

  • ノルトロックワッシャーと異種金属の組合せは禁止
  • ボルト・ナットの固定の場合は、ボルト側とナット側の両方に使用する
  • 平座金(平ワッシャー)、ばね座金(スプリングワッシャー)の使用禁止
  • 固定部品の硬度が、ノルトロックワッシャーよりも高い場合はゆるみ止め効果がない
  • ボルトに潤滑剤を塗布して締付けることを推奨(ねじ山の摩擦係数が安定するので適切な軸力が発生)
  • 固定部品の硬度が、ノルトロックワッシャーよりも著しく低い場合(樹脂・複合材)、ゆるみ止め効果がない
  • 軟質材(アルミ・銅)には陥没防止のため、幅広タイプのノルトロックSPワッシャーとフランジボルト(フランジナット)で固定する

 

ノルトロックワッシャーは特殊なワッシャーですから、特徴と注意点は理解しておく必要がありそうです。

特に、注意点を守らないと、ゆるみ止めの効果がないので、周知徹底しましょう。

 

締付けトルク

機械組立をするときに、トルクレンチを使用してボルトを締付ける、、、をおこなっていない場合が多いと思います。

ですが、折角ノルトロックワッシャーを使用するのであれば、推奨されている「ボルトに潤滑剤を塗布してトルクレンチで締め付ける」を実施した方が良いかもしれません。

 

推奨している締付けのポイント

  • トルク管理して締付ける
  • ねじ部の潤滑剤を塗布して締付ける
  • 潤滑油や Cu/C ペーストの「あり・なし」で締付けトルクに違いがある

*Cu/C ペーストは、銅とグラファイト配合の焼付き防止のペーストです。例えば「モリコート1000」など

 

参考

 

下記はノルトロックワッシャーのカタログのトルク一覧です。

出典:カタログ ノルトロックワッシャー

ノルトロック鉄製(鋼製)ワッシャーの締付けトルク一覧

*クリック拡大

締付けトルクの一覧表

締付けトルクの一覧表

ノルトロックステンレスワッシャー(EN 1.4404(AISI 316L))

締付けトルクの一覧表

ノルトロック254 SMO®ワッシャー(EN1.4547(SUS312L))

締付けトルクの一覧表

 

実際に締付けてみた

ということで、実際にノルトロックワッシャーを使用して、ボルトを締付けてみました。

 

実際に締付けてみた

締付けトルクの一覧表

締付けトルクの一覧表 締付けトルクの一覧表 締付けトルクの一覧表

 

実際に締付けて取り外してみたところ、ボルトの座面と部品にはノルトロックワッシャーの細かい溝の痕が付いており、適切に効いている状態でした。

また、ワッシャーの細かい溝とカム形状の部分は「若干摩耗している」ように見受けられましたので、再使用の回数には限度があると言えそうです。

 

参考

 

ポイントまとめ

それでは、ノルトロックワッシャーについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • ノルトロックは2枚1組使用する、ゆるみ止めの特殊ワッシャーです
  • 片面には細かい溝があり、もう片面がカム形状の突起があります
  • 使用するときは、ボルトのねじ山に潤滑剤を塗布して、規定値のトルクで締め付けることが推奨されています

 

以上3つのポイントです。

 

*ノルトロックワッシャーの購入はこちらから

 

関連記事:【締結要素】

以上です。

-【締結要素】
-