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ねじ・ボルトの緩み対策は、機械装置において非常に重要なテーマですよね。
ただ、緩み止めの方法や製品にはさまざまな種類があり、「これが一番良い」と断定することはできません。
そんな中で今回は、スウェーデンのノルトロック社が製造・販売している「ノルトロックワッシャー」をご紹介しようと思います。
この製品はクサビ効果を利用した物理的な緩み止めワッシャーであり、数ある対策の中の一つの選択肢として参考にしてください。
ノルトロックワッシャーの仕組みと特徴と注意点
ノルトロックワッシャーとは?
ノルトロックワッシャーとは、2枚1組で使用するゆるみ止めワッシャーです。
形状の特徴として、片面には「放射状の細かい溝」、もう一方の面には「カム形状の突起」が加工されています。使用する際は、この2枚を「カム形状の突起」同士が向かい合うように組み合わせ、「放射状の細かい溝」はボルト・ナット側と部品側に接するように取り付けます。
ノルトロックワッシャー
ノルトロックワッシャー

片面:放射状の細かい溝(ボルト・ナット側と部品側に食い込む)

片面:カム形状の突起(互いに組み合わせて使用する)

2枚1組で使用します。組合せの向きを間違えないように

なぜ緩まないのか?
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ノルトロックワッシャーのカムの角度は、ボルトのリード角よりも大きい
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そのため、ボルトが緩もうとしたときにカム面が滑りあがって「ボルトを持ち上げようとする」
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それによって、ボルトの座面と部品の接触面にノルトロックワッシャーの細かい溝が食い込む
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食い込むと、カム面が滑りあがって「ボルトを持ち上げる」
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持ち上がると、ねじ山の摩擦が高くなり(軸力向上)、ボルトが緩みにくい(緩まない)ことになる
出典:カタログ ノルトロックワッシャー
カム角度(α)> ねじのリード角度(β) となるように設計されています
上記のイラストをご覧いただくと、緩まない仕組みが想像できると思います。よく考えられていますよね。
特徴と注意点
ノルトロックワッシャーの特徴と注意点をまとめておきます。
特徴まとめ
- ねじピッチは並目・細目・極細目の、どれでも使用できる
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ハイテンボルト(強度区分12.9)のボルト・ナットにも使用可能
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フランジボルト・フランジナット(セレーションなし)にも使用できる
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再使用可能(カム形状が摩耗すると、クサビ効果が減少するので、新品を使用する)
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材質は豊富にラインナップ。EN1.7182(SCM440F材相当)、EN1.4547(SUS312L)、EN1.4404(SUSI316L)など
注意点のまとめ
- ノルトロックワッシャーと異種金属の組合せは禁止
- ボルト・ナットの固定の場合は、ボルト側とナット側の両方に使用する
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平座金(平ワッシャー)、ばね座金(スプリングワッシャー)の使用禁止
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固定部品の硬度が、ノルトロックワッシャーよりも高い場合はゆるみ止め効果がない
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ボルトに潤滑剤を塗布して締付けることを推奨(ねじ山の摩擦係数が安定するので適切な軸力が発生)
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固定部品の硬度が、ノルトロックワッシャーよりも著しく低い場合(樹脂・複合材)、ゆるみ止め効果がない
- 軟質材(アルミ・銅)には陥没防止のため、幅広タイプのノルトロックSPワッシャーとフランジボルト(フランジナット)で固定する
ノルトロックワッシャーは特殊なワッシャーですから、特徴と注意点は理解しておく必要がありそうです。
特に、注意点を守らないと、ゆるみ止めの効果がないので、周知徹底しましょう。
締付けトルク
機械組立をするときに、トルクレンチを使用してボルトを締付ける、、、をおこなっていない場合が多いと思います。
ですが、折角ノルトロックワッシャーを使用するのであれば、推奨されている「ボルトに潤滑剤を塗布してトルクレンチで締め付ける」を実施した方が良いかもしれません。
推奨している締付けのポイント
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トルク管理して締付ける
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ねじ部の潤滑剤を塗布して締付ける
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潤滑油や Cu/C ペーストの「あり・なし」で締付けトルクに違いがある
*Cu/C ペーストは、銅とグラファイト配合の焼付き防止のペーストです。例えば「モリコート1000」など
参考
*焼き付き防止剤についてはこちらの記事で紹介しています
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焼付き防止剤とは【ねじやガスケットにおすすめ焼き付き防止剤】
続きを見る
下記はノルトロックワッシャーのカタログのトルク一覧です。
出典:カタログ ノルトロックワッシャー
ノルトロック鉄製(鋼製)ワッシャーの締付けトルク一覧
*クリック拡大
ノルトロックステンレスワッシャー(EN 1.4404(AISI 316L))
ノルトロック254 SMO®ワッシャー(EN1.4547(SUS312L))
実際に締付けてみた
ということで、実際にノルトロックワッシャーを使用して、ボルトを締付けてみました。
実際に締付けてみた


実際に締付けて取り外してみたところ、ボルトの座面と部品にはノルトロックワッシャーの細かい溝の痕が付いており、適切に効いている状態でした。
また、ワッシャーの細かい溝とカム形状の部分は「若干摩耗している」ように見受けられましたので、再使用の回数には限度があると言えそうです。
参考
*トルクレンチについてはこちらの記事で紹介しています
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回転角法とトルクこう配法によるねじの締付け【専用トルクレンチ】
続きを見る
ポイントまとめ
それでは、ノルトロックワッシャーについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- ノルトロックは2枚1組使用する、ゆるみ止めの特殊ワッシャーです
- 片面には細かい溝があり、もう片面がカム形状の突起があります
- 使用するときは、ボルトのねじ山に潤滑剤を塗布して、規定値のトルクで締め付けることが推奨されています
以上3つのポイントです。
*ノルトロックワッシャーの購入はこちらから
関連記事:【締結要素】
以上です。




