当ページのリンクには広告が含まれます

【技能士/資格】

2トン車以上の荷台での作業には昇降設備とヘルメットが義務化【労働安全衛生規則の罰則は?】

2023年5月2日

 

令和5年10月1日から2トン車以上の荷台での作業には「昇降設備」と「保護帽(ヘルメット)」が義務化されました。

どのような内容なのか?まとめておきます。

 

2トン車以上の荷台での作業には昇降設備と保護帽が義務化

貨物自動車の荷台での作業に関して規則が変わりました

貨物自動車とは簡単に言えばトラックのことです。

トラックは荷物を運搬する車なので荷台での作業が前提となりますが、荷台からの墜落、転落などの労災事故が多いので労働安全衛生規則で荷台作業において義務化されていることがあります。

 

荷台作業で義務化されていること

  • 保護帽(ヘルメット)の着用
  • 昇降設備(踏み台)を使い荷台の乗り降りをする

 

この2つの義務化は令和5年10月までは最大積載量5トン以上の貨物自動車に限定されていましたが、令和5年10月1日からは規則改正で2トン以上の貨物自動車に義務化されます。つまり、義務化の範囲が拡大されます。

補足しますと、保護帽(ヘルメット)の着用に該当するのは「荷台の側面が構造上開閉できるもの」「昇降設備が備えられている箇所以外の箇所で荷役作業」が行われるおそれがあるも」「テールゲートリフターが設置されているもの(テールゲートリフターを使用するときに限る。)」です。

例えば、宅急便に使われているような荷台の四方が囲まれた箱形のもの等は含まれないので、保護帽の着用義務はありません。だた、ウイング車のような側面が開放できるタイプは着用義務があります。また、テールゲートリフター付きは、テールゲートリフターを使用しない場合、テールゲートリフターを乗り降りのステップとして使用する場合、も保護帽の着用義務はありません。

 

*詳しくは下記の資料をご覧ください。

出典:厚生労働省 労働安全衛生規則の一部を改正する省令案等の概要(陸上貨物運送事業関係)

労働安全衛生規則の改正

 

そしてさらに、令和5年10月1日の規則改正の施行で新たに追加されたことがあります。

  • テールゲートリフターの操作の業務は特別教育が必要

 

この「テールゲートリフターの操作の業務の特別教育」は令和6年2月1日から義務化です。

 

労働安全衛生規則と罰則

そもそも労働安全衛生規則とはなんなのでしょうか?

別に守らなくていいんじゃないのか?

違反したらどうなるのか?

 

労働安全衛生規則とは

  • 労働安全衛生規則とは省令
  • 省令は国の各大臣が発する命令
  • 省令は法律を具体化した法令
  • 法令とは守るべきルール
  • 違反しても法的な罰則がある訳ではない
  • 違反すると労働監督署などの行政から指導、勧告される

 

*下記の厚生労働省の資料に労働安全規則についての位置づけが明記されています。

引用出典:厚生労働省 労働安全衛生法について

労働安全衛生法には、労働災害防止のために守らなければならない事項が規定されています。法律の施行に伴う具体的な事項については、政令や省令、告示等で示されています

労働安全衛生法の体系をしめした表

(中略)

省令: 各省大臣が、主任の行政事務について、法律若しくは政令の特別の委任に基づいて発する法令です。厚生労働大臣が定めるものを厚生労働省令といいます。省令は、主に「○○○規則」という法令名となっています。

 

調べてみますと、労働安全衛生規則は法労働安全衛生法(法律)に基づいていますが、法律ではないので強制力が弱く違反しても法的な罰則がないようです。

ただし、違反すると労働監督署などの行政から指導、勧告され、違反の内容が労働安全衛生法などの法律に違反するようであれば法的な罰則が適用される可能性があります。

例えばヘルメットの未着用や昇降設備を使っていないことに関連して、作業者ではなく責任者や会社の代表者に何かしらの法律違反が適用されることがあるかもしれません。

と言うことで、法律ではないものの法律同様に守るべきルールと言えますね。

 

昇降設備と保護帽が義務化です

話しを戻しまして、、、

2トン以上の貨物自動車の荷台作業は「昇降設備」と「保護帽」が義務化されましたが、、、

このうち、「保護帽」は「ヘルメット」のことですが規格に合ったヘルメットが必要となります。

 

具体的には、、、

  • 労働安全衛生法第42条の規定に基づく「保護帽の規格」に適合したヘルメット

購入するときに注意しましょう。

 

*規格品のヘルメットの購入はこちらから

 

では次に、「昇降設備」についてですが、、、

昇降設備とは?

  • 作業者が荷台に乗り降りするための階段、踏み台、リフターのことです
  • 昇降設備には手すりは無くても良いが、手すり付きが推奨されます

とにかく、地面から直接荷台に乗り降りすることが禁止なので、何かしらのステップが必要になります。

労働安全衛生規則で具体的に指定されている商品はありませんので、上記の条件にあう商品を購入する、製作する、ことで対応しましょう。

 

*昇降設備の購入はこちらから

 

ゲートリフター付きは特別教育が義務化です

令和6年2月1日からテールゲートリフターの操作の業務は特別教育が義務化となります。

 

特別教育のポイント

  • 教育は、事業者が実施するか外部機関に委託して実施する

 

出典:厚生労働省 テールゲートリフターを安全に使用するために

パワーゲートリフターの種類

 

と言うことで、特別教育は外部の講習に参加してもOKですし、勤め先で社員の講師が講習を実施してもOKです。ただし、勤め先で実施する場合は特別教育の実施の記録や証明書の発行などを行い、労働基準監督署に証明できるようにした方が良いです。

また、社員の講師になる方は、講師になるための講習があるのでぜひ参加しましょう。

例えばですが「陸上貨物運送事業労働災害防止協会」では「 テールゲートリフター特別教育のインストラクター養成講習」を行っています。

 

*特別教育の内容をざっくり紹介しておきます

引用:安全衛生情報センター 貨物自動車における荷役作業時の墜落・転落防止対策の充実に係る労働安全衛生規則の一部を改正する省令及び安全衛生特別教育規程の一部を改正する件の施行について

(3) 特別教育(安衛則第36条第5号の2及び規程第7条の4関係)
ア 対象業務
荷を積み卸す作業を伴うテールゲートリフターの操作の業務を特別教育の対象としたものである
こと。

(中略)

イ 教育の内容
(ア) 学科教育は、次に掲げる科目を、それぞれ次に掲げる時間以上行うものとしたこと。
① テールゲートリフターに関する知識 1.5時間
② テールゲートリフターによる作業に関する知識 2時間
③ 関係法令 0.5時間
(イ) 実技教育は、テールゲートリフターの操作の方法について、2時間以上行うものとしたこと。

 

ポイントまとめ

それでは、2トン車以上の荷台での作業について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 労働安全衛生規則の改正で2トン車以上の荷台での作業には安全帽と昇降設備が義務化された
  • ゲートリフターを扱う場合は事前に特別教育を受ける必要がある。
  • 労働安全衛生規則に違反するとと労働監督署などの行政から指導、勧告されます

 

以上3つのポイントです。

 

 

関連記事:【技能士/資格】

以上です。

-【技能士/資格】
-

© 2024 機械組立の部屋