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【センサ/電子機器 】

異物混入を検出する方法【金属検出機とX線とカメラの特徴】

2020年1月30日

 

今回は「異物混入を検出する方法」についての記事です。

最近異物混入について考えさせられる事や検査機メーカーさんとお話しする機会がありましたので、今回は異物混入を機械で検査する方法についてまとめておこうと思います。

 

異物混入を検出する方法

異物混入とは

異物混入とは本来混ざってはいけないモノが混ざる、異なるモノが混ざる事です。

 

コーヒー豆

 

検査方法

異物混入の検査は特に食品関係などの人の口に入るモノに対して厳しく行われています。

 

異物検査

 

検査にはどのような方法があるのでしょうか?

 

検査方法

  • 画像処理(カメラ)
  • 磁石
  • 金属検出器
  • X線

 

このような方法があります。

 

検査方法の特徴

画像処理(カメラ)

見た目で判断する方法としては、目視か画像処理がありますが人の目では限界があり効率も悪いので画像処理は広く普及しています。

「カメラと画像処理で検出する」・・・例えばキーエンス製品で構築できます。

 

引用抜粋:キーエンス 外観検査

異物・傷・欠陥を画像から検出する、外観検査の基本原理

画像処理導入のメリット
異物や汚れ、傷や欠けなどを発見し、不良品の流出を防ぐ外観検査ですが、目視による検査には限界があります。全数検査となれば手間とコストがかかりますし、個人差による精度のばらつきやヒューマンエラーの原因にもなります。
また、微細な傷や汚れなどは発見が困難なので、品質を維持するためには顕微鏡などで拡大して検査する必要もあります。数点であればオフラインでの顕微鏡検査も可能ですが、数千や数万という単位になれば膨大な労力が必要になり、生産効率の大幅ダウンを招く要因になります。そのような品質と生産効率の両立を実現するうえで欠かせない技術が画像処理というわけです。

微細な異物・傷・欠陥を判別可能
これまでは人間の目に頼らざるを得なかった外観検査ですが、画像センサおよび画像処理技術の進歩によって微細な異物・傷・欠陥の検出も可能になりました。キーエンスでは標準的な31万画素の画像センサから2100万画素という高解像度の画像センサまでラインアップ。お客様のニーズにあわせて、費用対効果の高い画像処理システムをご提案可能です。

 

画像処理で異物検出するにはいくつか問題があります。

  • カメラの性能で検出に差が出る
  • 見えない部分の検出が出来ない(異物が埋もれていたり隠れていると見えない)
  • カメラの写り方は周囲の環境に左右されるので画像検出が不安定になるかもしれない

 

磁石

磁石の導入は難易度が低く単純です。

 

磁石の難点は以下の通りです。

  • 磁石に引っ付かない(非磁性体)異物は除去できない
  • 製品(ワーク)に磁石を直接触れないと異物を取り除けない
  • 金属(磁性体)の大きさや引っ付きにくい異物(埋もれている金属)は除去できないかもしれない

 

金属検出機

金属検出機は金属が磁界を通過した時に変化する磁界で異物を検出します。

 

引用抜粋:株式会社システムスクエア 異物検査機とは

金属検出機とは

対象物に混入した金属異物を検出する方法として最も広く利用されている検査装置です。鉄やステンレスなど様々な種類の金属が検出できます。X線検査機が苦手とする、薄い箔状の金属や、サビなどの粉状の金属、金属成分を含む印刷インクなどにも高感度で反応します。
金属が通ると磁界(磁力線)が変化することを利用して異物を見つける装置です。
磁力線というと難しそうですが、理科の教科書で磁石から出ている線の絵を見たことがあると思います。
対象物に金属が混入していると装置が発生する磁界が影響を受けて変化し、その変化を検出することによって金属の混入を見つけます。

 

金属検出機の難点は以下の通りです。

  • 異物が非磁性体(電気が流れにく、磁石に引っ付かない)の場合検出感度が悪く検出できない可能性がある

 

X線

X線を照射してモノの透過量や画像で判断します。金属検査機で発見困難であった異物を検出できます。

 

引用抜粋:株式会社システムスクエア

X線検査機とは

X線検査機は、レントゲン撮影と基本的に同じ原理で物を透かして中の様子を見ることができます。
X線を細いビーム状にして被検査品に照射し、半導体型ラインセンサで透過量を計測し画像として撮影します。撮影されたモノクロのX線透過画像を解析し、異物とそれ以外のものを自動判別します。金属以外にも、石、ガラス、骨、硬質ゴムなどの異物を検出することができます。

 

X線の難点は以下の通りです。

  • 安全性が必要
  • 非常に高額

 

異物検出の方法のまとめ

それでは、異物検出の方法についてまとめておきます。

 

金属の検出 非金属の検出 備考
カメラ/画像処理 カメラに映らない物は検出できない
磁石 磁性体のみ × 非磁性体を取り除けない
金属検出器 〇(磁石より高度) × 非磁性体が検出できない
X線 安全性/高額

 

豆知識 金検対応製品

異物を検出するラインには搬送が必要不可欠です。この搬送には搬送ベルト方式のコンベアを使用する事が多いと思います。

ここで問題となるのが、「もし搬送ベルトが損傷して混入したら?」です。この問題の対策として「金属検出機で検出する搬送ベルト」と言うものがあります。

一般的に搬送ベルトの材質と言えばウレタン/合成ゴム/PVC/シリコンなどの非磁性体ですが、金属(磁性体)を配合した搬送ベルトを使用する事で混入しても金属検出機で検出する事が可能です。

このような金属検出器で検出可能な製品は「金属検出機対応製品(金検対応製品)」と言います。

 

 

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今回は以上です。

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