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光電センサとは
光電センサとは、光の有無で物体を検知するセンサです。
出典:オムロン IO-Link 光電センサ
光を出す投光部と光を受取る受光部があり投光部から出た光を受光部で受け取ります。
ここでは、一般的な透過型の光電センサの説明をします。
光の種類
光には下記のように種類があります。
物体の検出用
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赤色
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赤外光(目に見えない光の波長域)
物体の色の判別用
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緑色
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青色
検出イメージ
検出の仕組み、、、
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受光器の受光部は入光した光を電気信号に変換しています。
*検出物体が無い時は、光が受光器に届いている
検出イメージ
*検出物体がある時には、光が受光器に届かない
検出イメージ
設定
光電センサの設定は下記の2つがあります。
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「ライトオン/ダークオンの切り替え」
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「感度設定」
ライトオン/ダークオンの切り替え
受光側(アンプ内蔵側)には電気信号の出力の切り替えの「D(ダークオン)」と「L(ライトオン)」があります。
この切り替えは、制御方法に関わってきますので、どちらで使用するのか確認しましょう。
ダークオン(D)
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光を遮ったら電気信号を出力
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光が入光したら電気信号OFF
ライトオン(L)
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光を遮ったら電気信号をOFF
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光が入光したら電気信号出力
設定
ライトオンはセーフティの制御で有効です。つまり、光を遮ったら”止まれ”の制御です。センサケーブルが断線した場合も(出力しなくなる)ので”止まれ”となります。
私の環境では通常のセンサはダークオンで、光を遮たらクラッシュする、製品に問題が起きるなどのイレギュラーに対応したいセンサはライトオンで使用しています。
感度設定(検出距離設定)
受光側(アンプ内蔵側)に、光の感度(光の増幅度合い)調整の無段階ボリュームが付いており、感度調整を行うことで、ワークの検出距離の設定ができます。
感度は基本的に「max」で使用すると良いと思います。
私の経験上ボリューム調整が必要なシビアな状況下では、誤作動が起きたりセンサ調整に時間が掛かったり、周囲の環境で感度の具合が変化してしまったりと、良いことはありません。
ですから、シビアな感度調整が必要な場合はアンプ分離型で感度を数値管理できるタイプがおススメです。
感度調整のボリューム
スリット
光電センサのオプションには「スリット」と呼ばれる、投光と入光の光の幅を制限するモノがあります。
スリットを装着するとどうなるのか?
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投光器・・・・幅の狭い光が出る
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受光器・・・・入光する面積が狭くなる
これにより、光を遮る量が少なくても(少し遮っただけでも)センサが検出することが出来ます。
スリットの種類
スリットには、形状の違いによる種類があります。
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縦長タイプ
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丸穴(ピンホール)タイプ
スリットは上記に示す形状以外に、スリットのサイズにも種類がありますので状況によって使い分ける必要があります。
スリット
偏向フィルタ(干渉防止フィルタ)
偏向フィルタとは、光の波長の方向を制限するモノです。相互干渉するような状況で使用します。
どの様な状況で使用するのか?
例えば、光電センサを狭いピッチで横並びで使用する場合に、他の光電センサから出た光が受光器に入ってしまうことがあります。このような状況で、偏光フィルタを使用すると誤作動を回避できます
状況
波長の制限とは
光はあらゆる方向に振動していますので、その振動している向きを制限します。
フィルターは2種類
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縦方向に振動している光を通過させる = 横波長の光は通らない
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横方向に振動している光を通過させる = 縦波長の光は通らない
投光器と受光器の両方に、縦波長か横波長の偏光フィルターを装着します
変更フィルター
基本的には相互干渉が起きないようにしたい
コスト面やフィルタの紛失/管理を考えると、余計なモノは取付けたくありません。
どうすべきか?
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組立時に投光器と受光器を交互に取付ける。投光器に別の光電センサの光が入光してもセンサは反応しないので問題は起きません。
干渉
センサコネクタの緩み
センサのコネクタは通常は手締めで良いと思います。ですが、私の過去の事例では海外へ出荷した装置のセンサケーブルは緩み/脱落が多々発生します。
輸送の振動の影響と思いますが、コネクタの緩みは装置が正常に稼働しない原因になります。
コネクタの締め方
コネクタが緩まないようにするために、私のやり方を紹介します。
やり方
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手締めでコネクタを締め付けてから、ラジオペンチで90度ほど増し締めする。
この作業を行ってからは、緩み/脱落の問題は起きていません。
コネクタ
まとめ
光電センサは安価で取扱いが容易な為、日常的に使用するセンサだと思います。光電センサを上手く使いこなすことが出来れば、レーザセンサなどの高価なセンサを使用する機会が減り、コストダウンとメンテナンス性に貢献する事と思います。
*センサの活用方法はシーケンス制御の基本です。
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以上です