今回は「モーターとギヤヘッドの取付け注意点【オリエンタルモータ】」についての記事です。
モーターを取り扱うときによくある作業にモーターとギアヘッドを取り付ける作業があります。この作業は一見簡単そうな作業なのですが、注意して作業を行わないとモーターとギアヘッドが破損してしまったり、グリスが漏れてきたりとトラブルが起きることがあります。
今回の記事では、オリエンタルモーターを例として組付けの注意点をまとめておこうと思います。
記事の目次
モーターとギヤヘッド(減速機)
モーターは機械や装置には欠かせない駆動機構(動力)で使用頻度は非常に高いですね。
このモーターを使用する場合には下記の2つのパターンがあります。
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ギヤードモーターを使用する・・・モーターに減速機が組み込まれている一体モノ
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モーターにギヤヘッド(減速機)を別手配(選定)して組み付けて使用する
このようなパターンがあるのですが、組立作業で注意したい点は「モーターにギヤヘッド(減速機)を組付ける」作業です。
モーター
これはモーターと減速機が一体型のギヤードモーターです。
これはモーターと減速機が別タイプです。
補足 減速機の必要性
基本的にモーターは電源の周波数によって回転数が決まっていますが、実際にモーターを使用したい場合の必要な回転数やトルクは機械や装置によって様々です。
つまりモーターをそのままで使用すると限られた選択肢となってしまうので、減速機を使用する事で回転数を変化させ、あらゆる場面で使用できるようにしています。
モーターとギヤヘッド(減速機)の取付け注意点
モーターにギヤヘッド(減速機)を組付ける時の注意点ですが、オリエンタルモーターを例にしますと下記の2点に注意が必要です。
注意点
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ガスケット/Oリングの装着・・・ギヤヘッド型式 「GN/GU/GE」 はガスケット/「BH」はOリング)
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モーターにギヤヘッドを挿入する時のかみ合わせ
それではこの2点について解説します。
モーターとギヤヘッド
左側がギヤヘッド(減速機)/右側がモーター
1.ガスケット/Oリングの装着
モーターに減速機を組み合わせる時には「ガスケット/Oリング」の装着を忘れずに行います。
なぜ「ガスケット/Oリング」が必要なのかと言いますと、、、、
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モーター/ギヤヘッド内部のグリスが外部に漏れることを防ぐ
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外部からの異物混入を防ぐ
この2つの目的があるからです。
ガスケット/Oリングの取付には注意ポイントがあります。
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ガスケット/Oリングのにネジレやクセが無いように装着する
この点に注意しながらインローの部分にガスケットまたはOリングを装着します。
モーターとギヤヘッドにガスケット装着
ガスケット
ガスケット装着イメージ
2.モーターにギヤヘッドを挿入する時のかみ合わせ
モーターにギヤヘッドを挿入する時に注意すべきことは「無理やり挿入しない」ことです。
モーターとギヤヘッドと組合わせる部分の注意点
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モーターとギヤヘッドの合わせ面はインロー(凹凸のはめ合い)なので無理やり組付けない
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挿入時にモーターとギアヘッドのお互いの歯切り軸とギヤを無理に組み合わせない
インローやギアを無理やり組付けると、はめ合い部分の破損やバリが出て密着しなくなったり、ギアが破損してしまうことが起きてしまう可能性があります。
このようなことが起きないためには、モーターとギアヘッドを挿入するときに下記の2点を意識すると良いと思います。
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モーターとギヤボックスを回転させながらインローに挿入する
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挿入後目視でガスケットが均等に接地しているか確認する
これが組付けるときのポイントです。
モーターにギヤヘッドを挿入
目視でガスケットが均等に接地している事が確認できたらモーターとギヤヘッドをボルトを均等に締付けて完成です。
ポイントまとめ
それでは、モーターとギヤヘッド(減速機)の取付けについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- ガスケット/Oリングを忘れずに取り付ける
- インローのはめ合いとギアのかみ合わせに注意する
- 組付けは回転させながらインローに挿入する
以上3つのポイントです。
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以上です