軸受

無給油ブッシュの圧入と抜き取り/ドライブッシュやオイレスブッシュ

無給油ブッシュとは

無給油ブッシュとは潤滑油やグリスを必要としない軸受です。

呼び名はメーカーなどによっても違い「無給油ブッシュ」「ドライブッシュ」「オイレスブッシュ」などと呼ばれます。

 

この無給油ブッシュには様々な種類があり、大きく分類すると下記の2種になります。

  • 樹脂系軸受・・・自己潤滑性のある樹脂材料でできたタイプ
  • 複層系軸受・・・軸の摩擦面に樹脂コーティングされているタイプ
  • 金属系軸受・・・軸の摩擦面に個体の潤滑剤を埋め込んだり、混ぜてあったりするタイプ

このように摩擦部分に違いがありますが、どちらも潤滑油やグリスが不要な代わりに軸やシャフトがスムーズに可動できるような仕組みになっています。

 

複層系軸受

 

圧入方法

この無給油ブッシュは通常、部品に「圧入」又は「嵌め込んで固定」する事で部品を軸受とし使用する方法が一般的です。

この中でも、今回は「圧入」について解説しようと思います。

 

無給油ブッシュを圧入

 

圧入には通常プレスを使用して挿入します。プレスと言っても「油圧プレス」と「ハンドプレス」がありますが、挿入に大きな力が必要な場合は「油圧プレス」で小さな力で挿入出来る場合には「ハンドプレス」と言うように使い分けます。

ハンドプレスは段取りや作業性が油圧プレスより良いので、出来ればハンドプレスで手際よく作業をおこないたいものです。

 

ハンドプレスと油圧プレス

 

プレスで圧入

プレスで圧入する場合のイメージ図をご覧ください。

 

無給油ブッシュを圧入

 

私がプレスで圧入する時には、挿入面に潤滑油を塗布(ブッシュの外径部分と部品の穴側)をしておこないます。

ポイントは当てブロックを使用している事で、下記2点の目的があります。

  • 部品側と無給油ブッシュ側に適切な圧力が伝達するように接触面を安定させる
  • ブッシュが斜めに傾いて挿入してしまう事があるので接触面を安定させる

このような目的があります。そもそも圧入は失敗できない一発勝負の作業であると思っているので、慎重な作業が必要です。

 

*補足  私の場合は平面度の良い当てブロックを使用していますが、大同メタル工業からは専用の圧入治具が販売されています。専用治具ですとより安定した圧入が出来そうです。

 

プレス以外の圧入方法

プレスが使用できなかったり、プレスが無い場合はどのようにして無給油ブッシュを圧入したら良いでしょうか?

 

例えばハンマーで打ち込むのはどうでしょうか?

ハンマーで打ち込む方法は、真っすぐ打ち込む事が非常に難しくハンマーの打撃で無給油ブッシュが変形する可能性があります。これはピンを打ち込む作業でも同じ事が言えます。

つまりハンマーなどの打撃系で圧入する事は避けた方がよいと思われます。

 

では打撃系以外で圧入する方法を考えてみましょう。

  • バイスで部品と無給油ブッシュを挟み、バイスを締め付けて圧入する
  • シャコ万力で部品と無給油ブッシュを挟み、シャコ万力を締付けて圧入する
  • ボルトナットで部品と無給油ブッシュを挟み、ねじの締付で圧入する

このような方法が思いつきました。

 

この中で今回の目的に最適な方法はどれでしょうか?

私の経験で言えば、ボルトナットで圧入する方法がこの中でも安定性があり少ない力で圧入できる方法です。

 

ボルトナット

それではボルトナットで圧入する方法を解説します。

 

無給油ブッシュを圧入

無給油ブッシュをボルトナットにセットすると、このようなイメージになります。

 

圧入のポイントは下記の4点です。

  • 挿入面に潤滑油を塗布して挿入時のカジリを防止
  • ボルトは可能ならば細目を使用します。
  • ボルトにグリスを塗布し、高負荷でかじらないようにする
  • ブッシュに接触するワッシャーは安定した接地面としたいので、金属ワッシャーなどの面が広くブッシュに斜め当たりしないようなワッシャーとする
  • ボルトナットの回転させる側は、無給油ブッシュに接触していない側とする。無給油ブッシュと接触している側を回転させると、ワッシャーも連動して回転してしまい、無給油ブッシュと擦れ合ってしまいます。

このポイントを守ればすんなりと圧入ができると思います。

 

それでは作業イメージをご覧ください。

無給油ブッシュを圧入

部品に無給油ブッシュとボルトナットをセットする。ブッシュの傾きには注意

反無給油ブッシュ側を回転させて圧入する

圧入完了

 

補足 無給油ブッシュの外し方

無給油ブッシュの圧入は簡単にできますが、ではもし「圧入が失敗して引き抜きたい」「消耗したのでブッシュを交換したい」となった時に、どのようにしてブッシュを引き抜けば良いでしょうか?

例えばブッシュの外径より若干マイナスしている円筒形の治具をプレスで押し込んでブッシュを部品から押し出すやり方があります。

 

または、大同メタル工業の専用のSSTを使用して引き抜く方法もありますね。下記の動画をご覧ください。

私は持っていませんが、あればいざという時に役立ちそうです。

 

まとめ

今回は無給油ブッシュの圧入をメインに解説しました。圧入は一発勝負なので確実に圧入できるように、「安定」と「傾き」には細心の注意を払って作業をしましょう。

 

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以上です。

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