ボルト/ねじ 構造

1本のねじ(ボルト)で複数の部品を固定する/ボルトナット固定の問題点

私の疑問

先日ある部品を取付けようとしたら「えっ、これはだめでしょ」と思う固定方法がありました。この固定方法を皆さんはどう思われますか?

 

疑問な固定方法

 

問題点

私が思うこの方法で起きる問題点

  1. ねじを緩めようとしたときナットを取り外さないとねじを緩めることが出来ない
  2. ナットに気が付かず無理やりねじを回してしまう(ネジ折れやバラシに時間が掛かる)
  3. 部品Bを取付ける時にナットを締めるとねじが緩め方向に回転するのでねじが緩んだ状態でナット固定となる

つまり私の考えとしては「将来誰かが何かをする事を想定(作業し易く)」「ねじの原理に反するのではないか」と言う事になります。

 

この考えの結論として下記の対策(変更)をすべきではないかと思いました。

私の結論

部品Bをベースフレームにタップ追加工で単独取付にする。

 

設計の回答

この疑問や問題点を設計側へ問い合わせてみました。

  1. 飛び出したねじに部品をナットで固定する方法は問題なく設計としてあり得る
  2. 部品Bは追加部品なのでねじが共用できる形状にした
  3. 追加工が面倒だと思った
  4. 組立が取付できない構造なら設計変更する

私の思う問題点にたいして「問題ありません」との回答で、なかな話も噛み合いませんでした。

 

最終結論

今回の問題の最終結論

この方法で起きる問題点

部品Bの取付をベースフレームにタップ追加工で取付変更する

 

私の案が通ったものの設計側の考えが変わったわけでは無く渋々変更となったので、なんだかモヤモヤが拭いきれませんでした。

 

第三者の意見

今回の一連の件について私と設計側のどちらが正しいのか?どちらも間違っているのか?を第三者の意見を聞き判断したいと思いました。

 

 

ツイッターで意見を募ったところ、多数のご意見を頂戴いたしました。

 

第三者の意見を総まとめ

第三者の意見まとめ

1本のねじに複数の役割を持たせるべきではない。どうしても致し方が無い場合にはあり得る(追加工が出来ない状況)

 

このような意見が圧倒的に多く、私の考えは間違ているわけではないと確信しました。

しかし私が感じたことはこれだけではなく、皆さんの仕事に対する信念が物凄いと思いました。

 

フォロワーさんの意見

皆さまから頂いた意見です。こちらを読んでいただければ感じるモノがあるのではないでしょうか?(原文をなるべくそのまま掲載しています)

現場側の意見

現場側の意見

Aさん

私もこの方法はちょっと嫌だなぁ。①装置の重要部品を調整・交換する際にナットで固定された部品も取り外す必要がある。②ナット固定の部品を組み付ける際に手間が掛る。裏側固定だったらより大変。どんな装置なのかは分かりませんが、こんな苦労をする構造で無くっても良いのになとは思います。

 

Bさん

取付けという類いであれば、ありえないというか、なんとも言えない…

Cさん

これ、重要な部品ではないんですが、たまーに見かけます。後から追加で必要になった軽微なものですが。保全はイラっとします。まさか一緒に緩むと思ってないから!って思います。

Dさん

設計さんは10年後もその後も装置が使われることを想定して考えてもらいたいですね

Eさん

両側から引っ張るのでネジ部分の摩擦が相殺気味になりネジ部固定が弱くなる気がします。振動や温度、外乱で緩む可能性が高そうです。そして、〈普通〉の設計では上記のような懸念からやらないため、〈普通〉のユーザーや保全者が当該箇所を触ったときに不具合を起こすと可能性があると思います。

Fさん

保全泣かせな設計ですね。もう少し考えてもらいたいところ。設計以外の人も意見が言えて良いものが作れる環境も大事なのかなーて最近少し思います。

 

設計側の意見

設計側の意見

Aさん

やらないですね現場での応急的、暫定対応という気がします。あまり1本のボルトに複数の役割を持たせるべきではないです。懸念されている通り、1本を緩めると同時に2箇所に影響するようでは作業性的にも精度的にも悪いです。

Bさん

これが複数箇所あるなら、タップを切った部材にスタッドボルトを溶接したようなのを作るとか..

Cさん

金型設計もしてましたが、金型の場合はこのような共留めはやりませんでした。キリ穴のパーツが固定出来てるか分からないので危険な為です。
設備設計の時も、私なら大事なパーツ留めるなら別のネジ使います。追加工したくない気持ちも分かりますが…。

Dさん

どちらかの部品を溶接で固定できればいいんですけどね。みなさんが懸念されている通り、一つのボルトに二つの役割を持たせるのはその場しのぎになってしまいそうです。

Eさん

追加工で別固定してほしいです

Fさん

重要な部品をダブルナット(赤枠)で緩まないようにして、そこに付ける部品にナットの逃げを付けるかカラーで逃すとか。あとはカバーに隠れてる重要部をバラす時は図面見る習慣をつけてもらう

Gさん

設計者目線でも横着と感じました。追加工か設計変更ですね。取り付け部品用の加工指示漏れで設計ミスでは…?

Hさん

いずれにせよプロとは言えない

Iさん

手抜き感がすごいですね。久々にこんな設計見ました。考え方はみんさんが仰っている通りで正しいかと。追加工して別々のボルトで締結すべき。どうしてもこういう形にしなければならない理由があれば設計者に聞いてみたい…

Jさん

出来るだけやりたくはないですけど、時と場合よっては仕方なくやってしまう事はあります。まあ、スペースの問題、納入後に現場で追加工できない場合などですが

Kさん

1つのボルトで2ヵ所締結ですか...組立精度要求されるなら調整が大変そうなのでやめておいた方が良さそうですね。あと1つ緩めると重要な部品まで外れてしまうのはなかなか保全や改造が怖いですね

Lさん

どうしてもな事情があればやむを得ないのかなとは思いますが…これによるメンテ上の問題点を理解できない、しないというのは問題かなと思います。この手の話は図面上ではわかりにくいですし、現場の意見の方が信用出来ると私は思ってしまうんですけどね

Mさん

設計です。重要な部品なら締め付けトルクを管理して、ボルトの引張力を調整すると思います。でもこの使い方をすると、反対からも引張力が発生するからボルト破断など問題が起きそうですね。なので私はやらないです。でも試作とか適当に作る時はやるかも

Nさん

他の方も仰られていると思いますが、ネジに緩みが生じた際に上の部品がガタつき、また増し締めも行えないのでダメかと
以前画像と同じ構造で組まれた装置を改造しましたが、緩まなかったので(ナットに触れなかったので)諦めてネジを飛ばしました。。

Oさん

「急遽、この部品をどこかに固定せんとあかん事態になった」みたいなトラブル対応でない限り、普通はしないと思いますね

Pさん

自動車、バイクでは条件が厳しいのでやりませんね。1本のボルトに複数の応力かける、メンテで裏目締結が緩む恐れがある、などの設計は検図レベルでNGになります。

Qさん

苦肉の策としてこの固定方法をとることがあります。有用なボルトが先に緩めることが出来ない時であればいいのではないでしょうか。それか市販のボルトではなく締め付けトルクの弱い径の小さいナットを使うような段付きのボルトを製作し重要な部品への締め付けトルクの影響を与えなければいいのでは?

Rさん

みんさん、そして皆さんの仰る通りです。
1.共締めは振動、衝撃でゆるむ可能性が高い為×(ましてや重要部品箇所…)。ただし、恒久対策までの暫定、ゆるんでも問題ないもしくは共締め部品も一緒にばらさないとならないなら例外的に使用可2.保守時他の部品もゆるむ為、好ましくないという所でしょうか。

Sさん

単純に一つの機械要素に複数の機能を持たせている時点で、設計的にも奇妙です。組付け性も問題ありますが、設変で片方の機能が必要なくなった場合に、また色々ややこしくなる。他人が見ても理解しづらい。部品点数的にシンプルにしたつもりが、実は問題を複雑にしてますね。真ん中のタップのネジの締付け力を無効にしていっているじてんで、設計的にも完全にNGなはずです。片側のトルクを常に弱くするなどしても、その複雑性を生む事自体が設計的にNGでしょう。

 

現場/設計以外の意見

Aさん

分解と組み立ての要領を書いた手順書作成すればいいんじゃないでしょうか??その設計者にきちんと説明して追加工して良いか聞いてみるべきだと思います。改善の余地があるのであれば改善のされた時の金額や時間短縮などの効果を示すべきだと思います。

Bさん

追加工すべきかなと思います。ねじの緩みもですが、追加する部品が締結の時に回ったりズレたりしそうなので。位置が出ないですし組立などに負担かけそうです
そもそも突き出しが長くなるようなボルトは使わないと思います。

Cさん

みんさんの仰るとおり、追加工が必要かと存じます。関係者が感情的になっている時や、不在の時の議事録の作成にはたいへん苦労します。あとから追加請求の話になってくるとは思いますが、まずは皆さんが怪我なく無事に収束されることを願っております。

Dさん

みんな答え書いてるから言う事無いけど、調整する側からしたらどうでも良い所のせいで重要な所が変わる恐れが有るから絶対やらないな、どうでも良い物を固定する位やったら現場で応急的にするかも知れんけど、ただ他所の調整屋に見られたら笑われるからやりたくない

 

まとめ

今回の一連を通して、改めて設計側も組立側も基本的な知識や実際の経験が必要なのだと感じました。。なぜそうなのか?どうあるべきなのか?それには知識と経験の裏付けがあっての事だと思います。思い込みや裏付けのない考えで仕事を進めると取り返しのつかない事が起きるかもしれません。このような些細なことも疑問に感じ是正する事の大切さを再認識した出来事でした。

以上です。

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