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【空気圧/油圧】

エアシリンダの衝撃吸収はエアクッション【仕組みと調整方法】

2020年1月28日

 

今回は「エアシリンダの衝撃吸収はエアクッション」についての記事です。

エアシリンダを使用した機械装置を調整するときに、スピードやストローク量が問題になることがあります。その原因としてエアクッションが考えられるのですが、実際の現場ではそこに気が付かずに調整に時間がかかってしまうことがあります。

そこで今回の記事では、エアクッションの判断方法から仕組み、調整方法などをまとめておこうと思います。

 

エアシリンダの衝撃吸収はエアクッション

エアクッションとは、エアシリンダがストロークエンドでピストンが衝突する衝撃をエアーの圧力で緩和する(ピストンを減速させる)機構です。

シリンダにはエアクッション付きとラバークッションの2種類の衝撃吸収機構があります。

 

見た目の判断

エアクッション付きのシリンダの判断は型式だけでなく見た目で判断が出来ます。

下記をご覧いただくと分かるように、ポートの近くに調整ねじ(クッションニードル)があればクッション付きのシリンダだと判断できます。

 

エアクッション付きシリンダ

エアクッション付きシリンダ

エアクッション付きシリンダ

 

内部構造は下記のようになっています。12番がクッションニードルです。

 

引用抜粋:SMC エアクッション付薄形シリンダ RQシリーズ カタログ

エアクッション付薄形シリンダ

 

エアクッションの仕組み

エアクッションの仕組みはSMCさんの下記の動画をご覧ください

 

 

ストロークエンド付近で排気がクッションニードル(ニードル弁)を経由しないと排気できない構造になっています。クッションニードルの開度によって排気する流路の断面積を変化させて内圧を調整します。

この内圧がクッションとなるので、ニードルを締めて排気しにくい状態にすると内圧が高くなりクッション性が高くなり、ニードルを緩めると排気し易くなるので内圧が低くなるためクッション性が低くなります。

 

使用の前提

エアクッション付シリンダを使用する大前提としてシリンダをストロークエンドで使用する事になります。

メカストッパーなどで中間停止させる場合にはエアクッション機能が利かないので意味がありません。

 

エアクッションの調整方法

クッションニードルの調整はスピコンと同様に全閉に近い状態から調整します。

なぜ全閉に近い状態かと言いますと下記のような問題が起きる為です。

 

全閉だと

  • クッションが利きすぎてストロークエンドまで動作しない
  • クッションが強すぎて衝撃が起きる

 

全開だと

  • クッションが利かないので衝撃が起きる
  • 何処でクッションが利くか分からないのでスピコン調整の決定が判断しにくい

 

このような問題があるとスピコン調整がやりずらく危険でもあるので都合が悪いのです。

ですから初期設定として全閉から1回転~2回転戻し程度にしておけば良いと思います。(シリンダのタイプにより全てに適合する訳ではないので目安となります。)

 

調整手順

下記に私の調整手順を紹介しますので参考にしてください。

  • スピコンでシリンダのストロークスピードを調整します。
  • この時にエアクッションが利きすぎていると正確な調整が出来ないので、効きすぎている場合にはクッションをニードル緩めます。
  • スピコン調整が完了したらエアクッションの具合をクッションニードルを調整し完了です

 

エアクッションのポイントのまとめ

それでは、エアクッションについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • エアクッションとは、エアシリンダがストロークエンドでピストンが衝突する衝撃をエアーの圧力で緩和する(ピストンを減速させる)機構
  • ポートの近くに調整ねじ(クッションニードル)があればクッション付きのシリンダ
  • シリンダをストロークエンドで使用しないとエアクッションは効かない
  • エアクッションは全閉に近い状態から調整する

 

以上4つのポイントが大切です。

 

組立側は注意していないとクッション付シリンダを見落としてしまう事があり、クッションニードルの調整をし忘れる場合があります。

クッション機能を調整しなくても問題なく動作していれば良いですが、「衝撃が強いな~」と思っていたら「クッション付で調整していなかった」なんてこともあります。組み付ける時に見落とさないように設計の意思を汲み取りましょう。

 

 

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以上です。

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