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【S2000/メンテ/セッティング】

S2000後期リアサブフレームに必要な部品【見分け方と寸法精度】

2020年3月3日

後期リアサブフレームに必要な部品

S2000の後期リアサブフレームとは

S2000の後期リアサブフレームと呼ばれるものは「2L後期モデル(AP1 130〜200系)2003年10月(H15年10月)」から生産終了まで搭載されていたサブフレームです。

車体の見分け方はバンパーやヘッドライト、テールランプが後期タイプになっている車両です。

 

前期と後期の違い

リアサブフレームの前期と後期の違いですが下記のような違いがあります。

  • ブッシュの大きさが違う(アームのブッシュ穴が違う)・・・・後期が大きい
  • アームの取付位置が違う・・・・ジオメトリーの改善でアライメント変化に影響

 

後期サブフレームになった事で、リアのバンプした時のピーキーな挙動が緩和され乗り易くなったと言われています。

 

前期に後期サブフレーム流用する場合に必要なモノ

前期に後期サブフレームを流用する場合には下記の部品が必要です。

 

品番 部品名称(アッパーアームとボルト) 数量
52390-S2A-J02 アームCOMP.,R.リヤーアツパー
52400-S2A-J02 アームCOMP.,L.リヤーアツパー
90172-SP0-000 ボルトB,ダンパーブラケツト

 

強化ブッシュにする場合には「AP1型130系~AP2」までのブッシュを選定してください。前期の強化ブッシュは使用できません。

 

後期サブフレームの見分け方

後期サブフレームの導入

私は現在前期のリアサブフレームですが「変更するとどうなるのか?」非常に興味がありましたので、中古で後期リアサブフレームを購入し交換する事にしました。

私はヤフーオークションでAP2型の事故車のサブフレームを購入しました。価格は38.000円(2020年1月)でした。

 

購入した中古AP2リアサブフレーム

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後期リアサブフレーム

 

見分け方

前期と後期のサブフレームの見分け方は測定しなくても可能です。それはアッパーアームブラケットの穴位置の違いです。下記に示してあるように後期は穴がブラケット中心ではありませんが前期はブラケットの中心に穴があります。

 

後期サブフレームの見分け方

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サブフレームの見分け方

 

精度の測定

私が購入した後期サブフレームは事故車のでしたので、正直イチかバチかで購入しました。そのため「歪がないか?」「精度が良いか」の確認をする必要がありました。

 

水平と中心の基準決定

測定にあたり、まずサブフレームを定盤の上で水平となるようにサブフレーム下部にシムを入れて車体に取付ける部分を水平の基準としてハイトゲージで測定しシム調整を行いました。

 

水平の基準

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サブフレームの測定

 

次にサブフレームの中心を下記のように決定しました。

中心の決定


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サブフレームの中心

 

高さの測定結果

高さはハイトゲージで測定しました。車体に取付ける部分の4箇所が同一の時に測定しています。

 

高さ測定結果

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高さの測定結果

 

穴ピッチの測定結果

穴ピッチはサブフレームの中心から測定しました。通常は左右対称となるハズですので「中心から振分け寸法になっているのか?」の確認です。中心はレーザー墨出し器か水糸をしようします。

車体に取付ける穴ピッチが大きくズレて左右対称となっていない箇所がありました。「379.5」と「382.2」となっている部分です。

 

穴ピッチ測定結果

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穴ピッチの測定結果

 

対角の測定結果

対角を測定する事でサブフレームの歪があるかの確認をしました。測定方法は治具を使用し「ピン」が入るか?入らないか?で確認しました。

 

対角測定治具


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対角の測定結果

 

穴ピッチが悪かった部分がやはり対角の寸法もズレがありました。

対角測定結果

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対角の測定結果

 

アームの取付ブラケットの寸法

各アームの位置関係と寸法を測定しました。左右共に同じ寸法で問題なさそうです。

 

ブラケット測定結果


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アームの取付ブラケットの寸法

 

測定結果まとめ

まず判断基準についてですが、メーカー基準値を把握しているわけではないので自分の判断となります。私は「±1mm以下ならOK」とし判断してみました。

高さは問題ありませんでしたが、穴ピッチと対角に問題がありました。それは車両本体に取り付ける穴ピッチの1つが「3mm程合わない」のです。ただズレている穴の近くにはアッパーアームブラケットが2個あるのですがこの穴ピッチは1mmの差でした。

よく考えてみますとアッパーアームの穴ピッチが1mm広い方の車両に取付ける穴は3mm狭くなっています。これではつじつまが合いません。アッパーアームの穴ピッチが狭く、車体に取付ける穴ピッチも狭いのならば歪が出ていると判断できそうですが、、、。そこでもうすこしサブフレームを観察してみたのです、もし3mmも歪んだら「塗装割れ」「クラック」「燃料タンクカバーの穴ズレ」が起きそうなのですがそう言った問題は見受けられませんでした。

結論としては、少し不安だがこのサブフレームは問題ないとしました。そしてもし車体に取付ける時に穴位置が合わなければ歪んでいるので、当たり前ですが使用しない事にします。

 

追記

先日この後期サブフレームに溶接補強を行い、車体への取り付けとアライメント調整を行いました。

*サブフレームの溶接補強の記事はこちらから

要チェック
補強プレート溶接
S2000の後期リアサブフレームを溶接【補強プレートとアライメントリング】

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結果

  • 車体への取り付け問題なし
  • アライメント調整も問題なし・・・左右のアームのカムボルトの位置が対称で調整ができた

 

と言うことで、今回中古で購入した後期サブフレームは「当たり」でした。

 

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以上

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