今回は「純正プロペラシャフトの延命処置/S2000」についてに記事です。
S2000の前期のプロペラシャフトはスプラインが摩耗しやすく、ガタが起きます。
しかし、高価なプロペラシャフトを簡単に交換する事はなかなかできませんよね。
そこで今回は、ガタがあるプロペラシャフトの延命処置を紹介しようと思います。
記事の目次
純正プロペラシャフトの問題点
純正のプロペラシャフトの問題点については過去のブログをご覧ください。
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アメリカ製の強化プロペラシャフトを装着した【S2000】
記事の目次1 プロペラシャフトの欠点1.1 スプラインの摩耗2 対策の検討2.1 後期プロペラシャフトに交換2.2 社外 ...
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延命処置の検討
プロペラシャフトのガタを何とかしたい。
でも、金銭的な理由から中々交換に踏み切れない。
そのような時には延命処置をする方法があります。
延命処置の方法
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溶接
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接着剤で固める
プロペラシャフトに問題が起きる原因はスプラインの摩耗でガタ(遊び)が発生する事ですから、このスプラインのはめ合いを固定してしまえば良いわけです。
そして、はめ合いを固定する方法が溶接と接着剤となるわけです。
と言うことで、今回は手軽にできる「接着剤で固める」を実際にやってみようと思います。
接着剤でプロペラシャフトのスプラインを固める
それでは、接着剤を使用してプロペラシャフトのスプラインを固める方法を解説していきます。
プロペラシャフトの解体
まず初めにプロペラシャフトの両端をバラシます。
解体手順
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六角穴付きボルトでカバーをバラします(カバーにはグリス漏れ対策の液体シールが塗られています)
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スナップリングをバラします
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ブーツバンドをバラします
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抜きます
参考写真
清掃と摩耗の確認
バラシ作業ができたら、清掃と摩耗の確認をします。
この時に、ガタがあるプロペラシャフトであれば、スプラインの摩耗が確認できるはずです。
また、コロが接触している部品も摩耗している可能性があるので確認しておきます。
もし、この部分が摩耗しすぎているとガタは無くなりません。
参考写真
接着する
部品の清掃が完了したら、はめ合い接着材を使用して組み立てていきます。
接着剤方法
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スプラインにロックタイトのハメあい接着剤638を塗布して挿入します
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接着剤を完全硬化させるために、1日放置します
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グリスは入れずにバラした逆の手順で復旧してください
*グリスは接着剤が完全硬化してから入れますので1日間は放置しましょう。
参考写真
グリスを封入する
グリスを入れる前にスプラインが接着剤で固まっているか手で確認します。
この時に、接着剤がコロに付着して可動部が固まっている事があります。
その場合にはハンマーで叩きながら接着剤を砕き、パーツクリーナーでカスを取り除いてください。
グリスはオメガの85番(等速ジョイント用)を使用します。
これは、ドライブシャフトに使用できるものです。
グリスを入れてカバーに液体ガスケットを塗って取り付けたら完成です。折角ですから塗装まですると良いと思います。
参考写真
まとめ
私は、現在アルミ製の強化プロペラシャフトを使用していますので今回製作したプロペラシャフトを予備として保管しています。
接着剤は金属の摩耗を治癒することはできません。これはあくまでも誤魔化しの延命処置です。そこの理解はしておきましょう。
*はめ合い用接着剤についてはこちらの記事をご覧ください。
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*今回使用した高強度のはめ合い接着材の購入はこちらから
*今回使用したオメガ85番グリスの購入はこちらから
関連記事:【S2000/メンテ/セッティング】
以上です。