今回は「S2000の後期リアサブフレームを溶接」についての記事です。
前期型のS2000に後期サブフレームを搭載することは定番化しています。先日、私も後期サブフレームに載せ替えることにしたのですが、それに伴いせっかくなので補強部品を溶接してサブフレームを強化することにしたのです。
そこで今回の記事では、私が実際にやってみたサブフレームの補強方法についてまとめておこうと思います。
記事の目次
S2000の後期リアサブフレームを溶接補強する
後期リアサブフレーム

こちらの記事「後期リアサブフレームに必要な部品と精度/S2000」で紹介した後期のリアサブフレームですが、測定したところ異常はなさそうなので自分のS2000の前期サブフレームと交換する事にしたのですが、使用するにあたり今までの経験から「このままで良いのか?」と躊躇がありました。
躊躇した理由
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サブフレームのアライメント調整のカムボルト(偏心ボルト)のドテ部分が開いて変形してしまった事があったから
*詳しくはこちらの記事をご覧ください
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そこでこのようなことが起きないように、自分でサブフレームを補強することにしたのです。
サブフレームの補強プレートとアライメントリング
サブフレームの補強をするにあたりこのような補強部品を用意しました。
*この補強部品はこちらから購入できます。
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補強プレート
補強部品の内容は以下の通りです。
- アッパーアームプレートA・・・2個
- アッパーアームプレートB ・・・2個
- ロアアームプレートA ・・・2個
- ロアアームプレートB ・・・2個
- トーコントロールプレートA・・・2個
- トーコントロールプレートB ・・・2個
- サポートバープレートA ・・・2個
- サポートバープレートB ・・・2個
- センタープレート ・・・1個
- アライメントリング ・・・8個
この補強部品はバーリング加工もされており軽量化と強度がある補強プレートです。
特にアライメントリングには非常に期待が持てそうです。
補強部品の溶接作業
補強部品の溶接作業の作業手順は大きく分けて3つの手順です。
- 下準備
- 溶接作業
- 塗装
それでは詳しく解説していきます。
下準備
補強部品は溶接による施工が必要ですが、事前にしておくべき下準備があります。
下準備は下記の2点です。
- 溶接面の塗装を剥がすこと・・・サブフレーム側の塗装面をグラインダーやベルトサンダーで除去します。塗料が乗っているとしっかりと溶け込まないので溶接不良や綺麗な溶接ビートになりません。
- 補強プレートの形状合わせ・・・サブフレームの形状にピッタリ合うように、仮合わせしながらグラインダーなどで削っておくと溶接がキレイに楽に施工できます。
溶接作業
今回溶接するにあたりTIG溶接と半自動溶接の2種類を使い分けて施工しました。
溶接の使い分け
- TIG溶接・・・補強プレート
- 半自動溶接・・・アライメントリング と スポット溶接
実は全ての補強プレートをTIG溶接でやろうとしたのですが、アライメントリングの厚みが6mmあり確実に溶接することが難しかったのでアライメントリングのみ半自動溶接で行いました。
TIG溶接
板状の補強プレートは全てTIG溶接で施工しました。
溶接したプレートは矢印の部分です。
補強プレート溶接
半自動溶接
アライメントリングのみ半自動溶接で施工しました。
溶接したアライメントリングは矢印の部分です。
アライメントリングの溶接
スポット増し
補強部品の溶接だけでなく、サブフレームの板と板の合わせ面を半自動溶接でスポット増ししました。
スポット増し
塗装
溶接が完了したら錆対策として塗装を行います。
塗装の前準備として溶接によって焼けてしまった塗料をベルトサンダーやワイヤーブラシで落としておきます。その後シンナーやパーツクリーナーで脱脂をおこない前準備完了としました。
今回塗装した塗料ですが錆止めとシャシーブラックで施工しました。使用本数は下記のとおりです。
- 鉄骨の錆止めスプレー・・・2本使用
- シャシーブラックスプレー・・・2本使用
それでは錆止めからシャシーブラックの塗装完了後の写真を載せておきます。
塗装風景
S2000の後期リアサブフレームを溶接補強のポイントまとめ
それでは、S2000の後期リアサブフレームを溶接補強について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- アライメント調整のカムボルト(偏心ボルト)のドテ部分は変形するので、補強したほうが良い
- 補強は専用の補強キットを使用する
- TIG溶接と半自動溶接を使い分けるとうまくいく
- 塗装は、錆止めの下処理をおこないシャシーブラックで仕上げる
以上4つのポイントです。
今回はサブフレームの補強についての解説でした。今回の補強で一番期待できるのはやはりアライメントリングでしょう。この補強ならば土手が変形することは皆無だと思います。しかもリング状なのでアーム取り付け部分のねじれ強度も増しています。またバーリングされた補強プレートたちもアーム取り付けブラケットの開口部分をボックス形状へと補強したのでねじれに対して強化されていることは間違いありません。
*S2000サブフレームの補強プレートはこちらから購入できます。
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関連記事:【S2000/メンテ/セッティング】
以上です。