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機械装置のシリンダに残っている残圧エアーを開放するためには、どのような方法があるでしょうか?
この記事では、「残圧開放バルブ」について、その特徴から選定ポイントをまとめています。
記事の目次
エアー配管の残圧を安全に開放するためのバルブと選定のポイント
エアーの残圧を開放するための継手
エアー機器を使用した機械装置の「調整・メンテナンス・トラブル対応」などの作業を行う場合は、供給エアー(元圧エアー)を停止してからおこなうことがあります。
供給エアー(元圧エアー)を停止する方法
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手動操作の元圧バルブ(残圧抜き3ポート弁)で残圧を開放する
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制御によって作動するソフトスタートアップバルブにより、非常停止を押してに急速排気を行う
出典:SMC 残圧抜き3ポート弁
出典:SMC ソフトスタートアップバルブ
供給エアーを停止したら、さっそく作業に取り掛かるのですが、意に反して、全然作業が進まずにイライラしてしまうことがあります。
機械装置の作業でイライラすること
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エア回路に残圧が残っていて、エアーホースが抜けない
- 無理やりホースを抜いたら、突然シリンダが動き出して危険
こんな経験ありませんか?
供給エアーを停止してもエア配管に残圧が封じ込められてしまう主な原因は、「5ポート3位置オールポートブロック(クローズドセンタ)」の電磁弁を使用していることにあります。このタイプは停止時に全ポートを閉じるため、電磁弁から先の配管内にエアーが開放されることがありません。
エア配管に残圧が封じ込められている場合の対処方法はコレ
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エア配管の回路中に手動の残圧開放バルブを取り付ける
エアー配管の残圧を開放するなら、回路中に「手動の残圧開放バルブ」を取り付ける方法が、コスパがよくて簡単に対処できる方法です。
それでは、おすすめの残圧開放バルブをSMCさんの製品を例として紹介します。
おすすめの残圧開放バルブ
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フィンガバルブ 25A-VHKシリーズ
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ワンタッチ管継手付残圧排気弁 KEシリーズ
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残圧排気弁付スピードコントローラ ASシリーズ
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残圧排気機能付パイロットチェック弁付スピードコントローラ ASPシリーズ
※SMCの商品で紹介しています、上記以外にも残圧開放機能がある製品はあります。
残圧開放ができる製品は多数ありますが、使用する作業環境や制御の条件などによって最適な製品を選定する必要があります。
次章からは、各製品の特徴と、具体的な使い分けのポイントについて解説します。
おすすめの残圧開放バルブ
フィンガバルブ
フィンガバルブは、おもにエアーホースに割り込ませて取り付ける手動の切替バルブで、金具とボディの穴を使用して構造物に固定して使用します。
2ポートと3ポートがありますが、残圧開放の目的で使用したい場合は、「残圧抜き3ポート弁」を使用します。
出典:SMC フィンガバルブ25A-VHKシリーズ
特徴
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弁体方式は「ポペット弁」
シール性が高く、エアー漏れのリスクが低いのが特徴
- 用途に合わせて選べる2タイプ
「2ポート(ON/OFFタイプ)」と「3ポート(残圧開放タイプ)」があります - 切替がわかりやすい「ツマミ」を採用
つまみ回せば流路の切り替えが可能で、見た目で開閉が認識できる - 接続方法のバリエーションがいろいろある
ホースの差込で接続する「ワンタッチ継手タイプ」と機器へ直接取り付ける「ねじ込みタイプ」がある - 供給エアー(元圧エアー)を停止しなくても、部分的に残圧開放できる
切替バルブなので、流路の開閉と残圧開放ができるため、ホースの脱着がスムーズに行える
使い分けのポイント
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遠隔で残圧開放したい場合
シリンダから離れた位置に設置することができるので、遠隔操作が可能です
- OFFの状態を維持(保持)したい場合プッシュボタン式とは異なり、つまみを回せばその状態が保持されます。作業中ずっとエアーを止めておきたい場合に最適
- 供給エアー(元圧エアー)を停止せずに、部分的に残圧を開放したい場合
装置全体を止めずに、特定のユニットに作業をしたい場合に便利
ワンタッチ管継手付残圧排気弁
ワンタッチ管継手付残圧排気弁は、おもにエアーホースに割り込ませて取り付けるプッシュボタン式の残圧開放継手です。固定方法は「専用の固定部品(マルチホルダ)」で構造物に固定する方法がスマートです。
SMC ワンタッチ管継手付残圧排気弁 KEシリーズ
マルチホルダ
特徴
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後付けが簡単
コンパクトなので配管途中に割り込ませて取付けることができる
- プッシュボタンを押せば残圧開放できる
一時的な排気に特化しているため、 「ボタンを押しているときだけ」排気する構造
使い分けのポイント
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遠隔で残圧開放したい場合
シリンダから離れた位置に設置することができるので、遠隔操作が可能です
- 安価で簡単に残圧開放したいとき
低コストで手軽に残圧対策を導入したい場合のスタンダード製品です - 残圧開放しっぱなしにしたくない場合(戻し忘れ防止)
ツマミ切替と違い、押している時だけ残圧開放なので、切替の戻し忘れをすることがない - シリンダの位置を少しだけ動かしたいとき
プッシュボタンを押している時だけ残圧開放するので、少しだけ抜く(微妙な残圧具合)ことができる
残圧排気弁付スピードコントローラ
残圧排気弁付スピードコントローラは、スピードコントローラと残圧排気弁を一体化した機器です。シリンダのスピードコントローラに手が届きやすく、シリンダ単体の残圧排気を行いたい場合におすすめです。
取付方法は、シリンダのポートに直接取り付けるだけなので、配管途中に残圧排気弁を追加する必要がなく、配管点数を抑えつつ省スペースで構成できます。
出典:SMC 残圧排気弁付スピードコントローラ ASシリーズ
特徴
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後付けする場合にエア配管を変更する必要がない
現状のスピコンと交換するだけで残圧開放機能が備わる
- シリンダの位置を少しだけ手で動かしたいとき
プッシュボタンを押している時だけ残圧開放するので、少しだけ抜く(微妙な残圧具合)ことができる - エア配管を「すっきり」させることができる
部品点数を最小限にすることができるので、エア配管の施工が簡単で、残圧を抜くときにどこを触ればいいのか分かりやすいです
使い分けのポイント
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容易にシリンダにアクセスできる場合
作業者がシリンダに簡単に手が届くレイアウトであれば、遠隔の残圧排気弁を取り付ける必要がない
- シリンダの位置を少しだけ動かしたいとき
プッシュボタンを押している時だけ残圧開放するので、少しだけ抜く(微妙な残圧具合)ことができる
残圧排気機能付パイロットチェック弁付スピードコントローラ
残圧排気機能付パイロットチェック弁付スピードコントローラは、シリンダの速度調整を行う「スピードコントローラ」と、パイロットエアーで開閉する「チェック弁(逆止弁)」が一体化した機器です。さらに、手動のプッシュボタンによる残圧排気機能が備わっています。
出典:SMC 残圧排気機能付パイロットチェック弁付スピードコントローラ ASPシリーズ
特徴
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「落下防止」と「残圧排気」を一つの機器でできる
供給エアーが停止した場合に、シリンダに残圧を封じ込めることができ、その残圧はプッシュボタンで開放できる
使い分けのポイント
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エア回路をシンプルにしたい場合
スピコン機能、残圧保持機能、残圧開放機能、の3つの機能をシリンダに集中させることができる
※詳しい機能については、下記の記事で解説しています。
参考
* パイロットチェック弁付きスピードコントローラーの特徴・仕組み・注意点についてはこちらの記事で紹介しています
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パイロットチェック弁付きスピードコントローラーの特徴・仕組み・注意点【エアシリンダ落下防止対策】
続きを見る
ポイントまとめ
それでは、エアー配管の残圧を安全に開放するためのバルブと選定のポイントについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 残圧開放を保持したいなら「フィンガバルブ」
- 少し抜きたいなら「プッシュボタン式」
- シリンダに手が届くなら「スピコン型」、届かないなら「配管途中型」を選ぶ
以上3つのポイントです。
※フィンガバルブの購入はこちらから
※ワンタッチ管継手付残圧排気弁の購入はこちらから
※圧排気弁付スピードコントローラの購入はこちらから
参考
*シリンダの残圧保持の方法についてはこちらの記事で紹介しています
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クローズドセンタ・パーフェクトブロック・パイロットチェック弁の違いと選定ポイント【残圧保持の方法】
続きを見る
関連記事:【空気圧/油圧】
以上です。






