アルミフレームを組立しているとアルミフレーム用のナットにいろいろと種類があることに気が付きます。私のように組立をする側の視点で考えると作業性がいいナットを使用したいのですが、実際にはナットは種類によってそれそれ特徴があり、作業性優先だけでは選定できるものではありません。
そこで今回の記事では、アルミフレームナットの使い分けについて考えてみたいと思います。
記事の目次
アルミフレームのナットの使分け
アルミフレームとは架台やフレーム、安全カバーの骨格などに使用するアルミの構造材で、汎用性が高く自由度が高いのが特徴です。
*今回はミスミのアルミフレームを例として話を進めます。
引用抜粋:ミスミ アルミフレーム 6シリーズ 正方形 30×30mm 1列溝 4面溝
このアルミフレームは、組立てるときに必要になる部材があります。
それはナットです。
出典:MISUMI アルミフレーム用後入れナット
アルミフレームの組立ては溝にナットを入れて、アルミフレームに部品をねじ固定する方法が一般的なのです。
そして、アルミフレームに入れるナットは種類が豊富なので状況に応じて使い分けが必要となります。
先入れナットと後入れナット
アルミフレームの組立てには「ナット」が必要と言いましたが、このナットには大きく分けて2種類の形状があります。
ナットの種類
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先入れナット
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後入れナット
下記の画像で違いを確認してください。
この2種類のナットはアルミフレームの溝に入れて使用することに違いはないのですが、剛性、作業性、ねじの緩みの3つの視点で観察するとその違いが見えてきます。
では、その違いを下記の3つの状態で観察してみます。
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アルミフレームにナットが入っている状態での違い
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アルミフレームにナットを入れるときの違い
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ねじを締めたときの違い
アルミフレームにナットが入っている状態での違い
アルミフレームにナットが入っている状態での違いを下記の画像で確認してください。
アルミフレームにナットを入れるときの違い
アルミフレームにナットを入れるときの違いを下記の画像で確認してください。
ねじを締めたときの違い
ねじを締めたときの違いを下記の画像で確認してください。
先入れナットと後入れナットの違いまとめ
先入れナットと後入れナットの違いについて写真で観察してみましたが、それではその違いについてまとめてみましょう。
先入れナット | 後入れナット | |
剛性 | ナットと溝にすき間が無く、座面が多いので部品との一体感が良い | ナットの座面が少ないので弱い |
作業性 | 端面からしか入らないので、後から追加できない | 前もってナットを入れておく必要がない。ナットの追加は簡単 |
ねじの緩み | ナットが溝からズレる事がないので緩みの可能性は低い | ナットが溝からズレるので、締付け完了後にナットが溝に嵌るとねじが緩む |
このような違いが読取れたと思いますが、この中でも実際に私が使用してきて感じたことは「剛性」と「作業性」です。
「先入れナット」は剛性はあるが作業性が悪い。「後入れナット」は剛性がないが作業性が良い。この認識です。
では先入れナットと後入れナットはどのように使い分けたら良いのでしょうか?
例えば下記のような使分けが考えられます。
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先入れナット・・・機械/装置の主要な部分に使用する場合で精度や強度が必要な部分
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後入れナット・・・カバーなどの最低限の剛性と精度が必要ない部分
組立工数は少ない方が良いので作業性の良い後入れナットを使用したいのですが、状況によって使い分けるべきでしょう。
アルミフレームのナットのポイントまとめ
それでは、アルミフレームのナットについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- アルミフレームのナットは種類が豊富
- 精度や強度が必要な部分には先入れナット
- 作業性が良いのは後入れナット
以上3つのポイントが大切です。参考にしてください。
参考
アルミフレームに関してはこちらから記事も参考になります。
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アルミフレームの組立ては面倒【セムスねじで効率化して改善する】
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組立し易い後入れナットは「バネナット」です【ミスミのアルミフレームの基本】
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*アルミフレームのナットの購入はこちらから
関連記事:【フレーム/カバー】
以上です。