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ブロックゲージとは?規格・等級・用途・リンギング方法
ブロックゲージとは
ブロックゲージとは、精密な長さの基準として使用される端度器です。
ブロックゲージ

端度器とは、両端の測定面間の距離を基準とする測定器のことで、ブロックゲージは2つの測定面が高精度に平行に仕上げられており、その測定面間の寸法を基準として使用します。
このため、ブロックゲージはマイクロメータ、ハイトゲージ、ダイヤルゲージなどの測定器の校正や測定時の基準として使用されるほか、基準器機械組立では部品の位置出しや寸法出しの基準としても使用されます。
さらに、ブロックゲージは1個だけで使用するのではなく、リンギングと呼ばれる方法で複数のブロックゲージを密着させて組み合わせることができます。このとき、組み合わせる各ブロックゲージの寸法を合計した値と、リンギングによって組み合わせた状態の全体寸法が一致するため、必要な寸法を正確に作り出すことができます。ただし、リンギングによる誤差が0.001mm単位(1μm)で発生する可能性があるので要注意です。
ブロックゲージの規格
ブロックゲージは、JIS B 7506「ブロックゲージ」で規定されています。
規格の内容を抜粋(JIS B 7506)
-
精度の等級は【 K級・0級・1級・2級 】の4種類
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サイズは呼び寸法0.5mm以上1000mm以下の長方形断面であるもの
-
材質は高炭素高クロム鋼、クロムカーバイド、タングステンカーバイド、セラミックスの4種類
等級の使い分けは下記を参考にしてください。下記は、一般的な使い分けであり、JIS B 7506で規定されているものではありません。
| 等級 | 用途 | 使用例 |
|---|---|---|
| K級 | 校正用 | 標準ブロックゲージの校正 |
| 0級 | 標準用 | 測定器の精度点検、検査用・工作用ブロックゲージの点検 |
| 1級 | 検査用 | ゲージの精度点検、機械部品や測定器の検査 |
| 2級 | 工作用 | 工具刃物の取付け、測定器の精度調整 |
測定面の平面度(JIS B 7506)
| 呼び寸法(mm) | K級 単位:μm | 0級 単位:μm | 1級 単位:μm | 2級 単位:μm | |
|---|---|---|---|---|---|
| を超え | 以下 | ||||
| 0.5 | 150 | 0.05 | 0.10 | 0.15 | 0.25 |
| 150 | 500 | 0.10 | 0.15 | 0.18 | 0.25 |
| 500 | 1000 | 0.15 | 0.18 | 0.20 | 0.25 |
ブロックゲージの精度 K級(校正用) JIS B 7506
| 呼び寸法 (mm) | 寸法許容差 (±) 単位:μm | 寸法許容差幅 単位:μm | |
|---|---|---|---|
| を超え | 以下 | ||
| 0.5 | 10 | 0.20 | 0.05 |
| 10 | 25 | 0.30 | 0.05 |
| 25 | 50 | 0.40 | 0.06 |
| 50 | 75 | 0.50 | 0.06 |
| 75 | 100 | 0.60 | 0.07 |
| 100 | 150 | 0.80 | 0.08 |
| 150 | 200 | 1.00 | 0.09 |
| 200 | 250 | 1.20 | 0.10 |
| 250 | 300 | 1.40 | 0.10 |
| 300 | 400 | 1.80 | 0.12 |
| 400 | 500 | 2.20 | 0.14 |
| 500 | 600 | 2.60 | 0.16 |
| 600 | 700 | 3.00 | 0.18 |
| 700 | 800 | 3.40 | 0.20 |
| 800 | 900 | 3.80 | 0.20 |
| 900 | 1000 | 4.20 | 0.25 |
ブロックゲージの精度 0級(標準用) JIS B 7506
| 呼び寸法 (mm) | 寸法許容差 (±) 単位:μm | 寸法許容差幅 単位:μm | |
|---|---|---|---|
| を超え | 以下 | ||
| 0.5 | 10 | 0.12 | 0.10 |
| 10 | 25 | 0.14 | 0.10 |
| 25 | 50 | 0.20 | 0.10 |
| 50 | 75 | 0.25 | 0.12 |
| 75 | 100 | 0.30 | 0.12 |
| 100 | 150 | 0.40 | 0.14 |
| 150 | 200 | 0.50 | 0.16 |
| 200 | 250 | 0.60 | 0.16 |
| 250 | 300 | 0.70 | 0.18 |
| 300 | 400 | 0.90 | 0.20 |
| 400 | 500 | 1.10 | 0.25 |
| 500 | 600 | 1.30 | 0.25 |
| 600 | 700 | 1.50 | 0.30 |
| 700 | 800 | 1.70 | 0.30 |
| 800 | 900 | 1.90 | 0.35 |
| 900 | 1000 | 2.00 | 0.40 |
ブロックゲージの精度 1級( 検査用) JIS B 7506
| 呼び寸法 (mm) | 寸法許容差 (±) 単位:μm | 寸法許容差幅 単位:μm | |
|---|---|---|---|
| を超え | 以下 | ||
| 0.5 | 10 | 0.20 | 0.16 |
| 10 | 25 | 0.30 | 0.16 |
| 25 | 50 | 0.40 | 0.18 |
| 50 | 75 | 0.50 | 0.18 |
| 75 | 100 | 0.60 | 0.20 |
| 100 | 150 | 0.80 | 0.20 |
| 150 | 200 | 1.00 | 0.25 |
| 200 | 250 | 1.20 | 0.25 |
| 250 | 300 | 1.40 | 0.25 |
| 300 | 400 | 1.80 | 0.30 |
| 400 | 500 | 2.20 | 0.35 |
| 500 | 600 | 2.60 | 0.40 |
| 600 | 700 | 3.00 | 0.45 |
| 700 | 800 | 3.40 | 0.50 |
| 800 | 900 | 3.80 | 0.50 |
| 900 | 1000 | 4.20 | 0.60 |
ブロックゲージの精度 2級(工作用) JIS B 7506
| 呼び寸法 (mm) | 寸法許容差 (±) 単位:μm | 寸法許容差幅 単位:μm | |
|---|---|---|---|
| を超え | 以下 | ||
| 0.5 | 10 | 0.45 | 0.30 |
| 10 | 25 | 0.60 | 0.30 |
| 25 | 50 | 0.80 | 0.30 |
| 50 | 75 | 1.00 | 0.35 |
| 75 | 100 | 1.20 | 0.35 |
| 100 | 150 | 1.60 | 0.40 |
| 150 | 200 | 2.00 | 0.40 |
| 200 | 250 | 2.40 | 0.45 |
| 250 | 300 | 2.80 | 0.50 |
| 300 | 400 | 3.60 | 0.50 |
| 400 | 500 | 4.40 | 0.60 |
| 500 | 600 | 5.00 | 0.70 |
| 600 | 700 | 6.00 | 0.70 |
| 700 | 800 | 6.50 | 0.80 |
| 800 | 900 | 7.50 | 0.90 |
| 900 | 1000 | 8.00 | 1.00 |
ブロックゲージの用途
ブロックゲージは非常に高価で、測定の基準となる精密な基準器であるため、普段の作業で使用する機会はないかもしれません。
しかし、0.01mmや0.001mm(1μm)といった高い精度が求められる場合や、測定器の校正を行う場合には、高い信頼性を持つため、積極的に使用したほうがよいです。
例えばこんな場面で使用されます。
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機械装置に組み込まれている測定器を、始業前に0点確認・調整するためにブロックゲージを使用する
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マイクロメータ、ハイトゲージ、ダイヤルゲージなどの測定器の校正や、測定時の基準としてブロックゲージを使用する
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機械装置の心臓部となるユニットの部品精度を出すためにブロックゲージを使用し、部品間の寸法や平行度を確認・調整する
ブロックゲージの取り扱い注意点
ブロックゲージを取り扱うために知っておきたい、注意点をまとめておきます。
取り扱い注意点
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傷がつかないように、ウエスなどの柔らかいものの上に置く
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薄いブロックゲージは変形しやすいため、無理な力をかけない
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温度変化によって寸法が変化するため、なるべく体温が伝わらないように扱う
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リンギングする場合は、誤差を少なくするため、組み合わせる枚数を最小限にする
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使用するときは、アルコールやノルマルヘプタンなどの洗浄液などで測定面の油分や汚れを除去する
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清掃するときはガーゼ、セーム皮、クリーンウエスなどの毛羽立たないものを使用して拭く
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使用後は清掃&脱脂し、鋼製のブロックゲージには油やグリスを塗布し防錆処理を行う(セラミックは塗布の必要なし)
取り扱い注意点のポイント
ブロックゲージに傷がつかないように、取り扱いには注意しましょう

使用後は錆などの腐食が発生しないように、清掃&脱脂して防腐油を塗布します。防腐油は過去に様々な商品を使ってきましたが、最近使用しているのは、KUREの長期防錆スプレーです。安価で入手しやすく、油膜も十分です。長期保管するうちにねちゃねちゃの油膜になるので強力に保護されます。

参考
*測定工具の防錆処理についてはこちらの記事で紹介しています
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測定工具は洗浄して防錆処理すれば錆びない【汗を除去】
続きを見る
リンギングの方法
ブロックゲージにおけるリンギングとは、2つのブロックゲージの測定面を密着させ、互いに吸着して一体化させることですが、その方法については、下記の新潟精機さんの「ブロックゲージの使い方」をご覧ください。
参考
さらに詳しくリンギングの方法を知りたい方は、ミツトヨさんが公開している情報がとても参考になります。
クリック ⇒ ミツトヨ 「ブロックゲージの正しいリンギング方法」
それでは、リンギングを実際にやってみたので、どのような結果になったのか?紹介します。
ブロックゲージを測定する
12mm、7mm、1.05mmのブロックゲージで測定をしてみます。ブロックゲージの表面には保管用の防腐油が塗布してあるので、クリーンウエスと洗浄液で除去してから測定しました。

ブロックゲージをデジタルマイクロメーターで測定します。マイクロメーターは、測定面を紙で清掃し0点合わせをしています。
測定の結果、12mmのブロックゲージはミクロン単位での誤差はありませんでした。

7mmのブロックゲージを測定した結果、0.001mm(1μm)の誤差が生じていました。そのため、このブロックゲージは7.001mmとして扱います。

1.05mmのブロックゲージを測定した結果、0.001mm(1μm)の誤差が生じていました。そのため、このブロックゲージは1.051mmとして扱います。

リンギングして、その結果の合計の値がいくつになるのか、実験してます。
計算上12.000mm+7.001mm=19.001mmが測定値となるはずです。

測定の結果、19.001mmとなりました。つまり、リンギングによる誤差はないことになります。

次に、1.051mmのブロックゲージをリンギングで追加します。
計算上12.000mm+7.001mm+1.051mm=20.052mmが測定値となるはずです。

測定の結果、20.053mmとなりました。
計算上は20.052mmですが、測定値は20.053mmとなったので、リンギングによる誤差が0.001mm(1μm)発生したことになります。
つまり、このブロックゲージは20.053mmとして扱い、測定や検査の基準として扱うようにします。

ブロックゲージ単品の精度は申し分なく良いのですが、リンギングをやってみると1μmレベルの誤差が生じることがわかりました。
この点は理解したうえで、基準器として扱うようにしましょう。
ポイントまとめ
それでは、ブロックゲージについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- ブロックゲージは、精密な長さの基準として使用する端度器
- 等級は、K級・0級・1級・2級の4つの等級がある
- 複数のブロックゲージをリンギングして、必要な寸法を正確に作り出せる
- 傷・温度変化・汚れ・錆に注意し、使用後は清掃と防錆処理を行う
以上4つのポイントです。
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関連記事:【測定器/工具 /電動工具】
以上です。