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ステンレスの傷や擦り痕を目立たなくする方法
ステンレスの表面仕上げの種類
ステンレスには、さまざまな表面仕上げがあります。
機械装置の部品に使われるものでは、No.1、2B、HL(ヘアライン)、#400、バイブレーション、No.8(鏡面)などがあり、表面仕上げによって価格や見た目、質感が大きく異なります。
ステンレスの表面仕上げの一例
| 表面仕上げ | 特徴 |
|---|---|
| No.1 | 熱間圧延で製造される(通称HOT材)。光沢が少なく、粗い表面となる |
| 2B | 冷間圧延→酸洗処理→軽度の圧延(スキンパス)で製造される。なめらかで、やや光沢のある表面となる(通称COLD材) |
| HL(ヘアライン) | おおよそ#180~#250の研磨ベルトで仕上げることで、一定方向に連続した研磨目をつける |
| #400 | #400の研磨材でバフ研磨することで、細かな研磨目があり、比較的光沢のある表面となる |
| バイブレーション | おおよそ#240以下の研磨材で不規則な研磨目をつけ、方向性の少ない表面に仕上げる |
| No.8(鏡面) | おおよそ#800の研磨材でバフ研磨することで、高い光沢があり、鏡に近い外観となる |
ステンレスの表面処理の違い
参考ですが、各表面処理の違いを紹介します。(実際の仕上げとは異なる場合があります)

ステンレス表面の傷や擦り痕
ステンレスは、基本的に塗装やめっき処理などの表面処理をおこなわずに、素材そのものの表面仕上げのまま使用する材料です。
そのため、加工や輸送、組立作業中の接触やアクシデントによって、表面に傷や擦り痕が付きやすく、目立ちやすい欠点があります。
ただし、傷や擦り痕の目立ち方は、ステンレスの表面仕上げによって異なります。
例えば、熱間圧延で製造されるNo.1は表面が粗く、光沢も少ないため、細かな傷や擦り痕は比較的目立ちにくいのですが、一方で、2B、#400、No.8(鏡面)などは表面が比較的なめらかで光沢があるため、わずかな傷や擦り痕でも目立ちます。
ステンレス表面の傷や擦り痕

機械装置の部品では、ステンレスの表面に傷や擦り痕が付いてしまうと、傷物として扱われるため場合によっては商品価値が下がるだけでなく、再製作となるケースがあります。
ところが、傷や擦り痕がついてしまっても、表面を研磨することでリカバリーできる可能性があります。
例えば、現場では次のような方法でリカバリーします
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スコッチブライトなどの研磨材を使ってヘアライン状に仕上げる
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ダブルアクションサンダーを使ってバイブレーション状に仕上げる
これらの方法では、もともとの表面仕上げとは異なる仕上がりになる場合もあるので、製作図面や客先の仕様で表面仕上げを指定しているか?確認する必要があります。
一方で、表面仕上げが指定されておらず、外観上の傷や擦り痕を目立たなくすることが目的であれば、研磨によって表面を別の仕上げに整える方法は有効です。
修正するための重要ポイント
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表面全体を研磨すること
表面の傷や擦り痕の部分だけを研磨すると、全体の表面仕上げと研磨した部分の見た目が変わり、修正した箇所がかえって目立ってしまいます。
そのため、表面全体を研磨し、ヘアラインやバイブレーションなど、均一な表面仕上げに整えることが重要です。
参考
*チタンの表面処理の種類についてはこちらの記事で紹介しています
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チタンの表面処理の種類まとめ【耐摩耗性と耐腐食性を向上させる】
続きを見る
ヘアラインとバイブレーションをやってみる
それでは、現場でできるヘアライン仕上げとバイブレーション仕上げをやってみます。
まずは、ヘアラインです。
ヘアライン仕上げの方法
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スコッチブライトの#180~#320(目安)で研磨する
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必ず一方向に研磨して研磨目をつける
スコッチブライト(スポンジ研磨剤)は、繊維状の研磨材であり、金属表面を削りすぎず均一な研磨目をつけやすい特徴があります。塗装の足付け、汚れ落とし、ステンレスのヘアライン仕上げなどに使用できます。
ステンレスのヘアライン仕上げのためには#180~#320の番手が適していますが、実際に使用した時の表面の具合を確認して選ぶようにしてください。
ヘアライン仕上げの方法
バイブレーション仕上げの表面にヘアラインをやってみました。


次に、バイブレーション仕上げの方法です。
バイブレーション仕上げの方法
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ランダムサンダー(研磨機)を使用する
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回転速度や押しつけ力で研磨目を調整する
- 番手は#240以下(今回は#120)を目安に使用する
バイブレーション仕上げは、一定方向ではなく不規則な研磨模様をつける仕上げです。
そのため、手作業では均一な研磨模様をつけることが難しく、研磨パッドが回転しながら同時に偏心運動する「ランダムサンダー」と呼ばれる電動工具を使用します。※私はマキタの18Vのマキタ BO180DZを使用しています。
自動車の塗装面を磨くポリッシャーにも、同じようにパッドを回転させながら偏心運動させるタイプがあり、こちらは一般的に「ダブルアクション」と呼ばれ、こちらの工具でもバイブレーション仕上げをすることが可能です。
バイブレーション仕上げの方法

実際にやってみた動画を紹介します。
それでは最後に、実際にやってみたヘアライン仕上げとバイブレーション仕上げを比べてみましょう。
ヘアライン仕上げとバイブレーション仕上げ

どうでしょうか、、、
傷や擦り痕が完璧には消えないかもしれませんが、うまくリカバリーできる可能性が十分にあり、現場では実際に行われている方法です。
ぜひ、参考にしてください。
ポイントまとめ
それでは、ステンレスの傷や擦り痕を目立たなくする方法について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- ステンレスは表面仕上げによって、傷や擦り痕の目立ち方が異なる
- 傷や擦り痕は、研磨して別の表面仕上げにすることで目立たなくできる
- ヘアラインは一方向、バイブレーションはランダムな研磨目に仕上げる
- 傷の部分だけでなく、表面全体を研磨して均一に仕上げることが重要
以上4つのポイントです。
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関連記事:【材料/溶接/加工/表面処理】
以上です。