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【空気圧/油圧】

クリーンルーム用のエアシリンダーの特徴【大気開放か真空引きで発塵対策】

2025年7月12日

この記事はAIで音声配信しています。

クリーンルーム用のエアシリンダーの特徴

クリーンルームでの発塵

クリーンルームとは、空気中に浮遊する微小粒子や微生物などを一定レベル以下に管理した空間のことで、空気清浄度は一般的に ISO 14644-1 に基づいて管理されています。半導体、電子部品、医薬品、食品などの高い清浄度が求められる製造現場に設けられています。

クリーンルームでは、わずかな異物でも製品の品質に大きな影響を与えることがあるため、異物を持ち込まない・発生させない・飛散させないことが重要です。そのため、機械装置の設計においても発塵対策は重要な要件となります。

 

クリーンルームの装置

 

そのような環境では、機械装置に使用されるモータやリニアガイド、ボールねじなど、さまざまな可動部が発塵源となりますが、その中でも見落とされがちなのが、エアシリンダ(空気圧アクチュエータ)からの発塵です。

エアシリンダは、ピストンロッドやパッキン、ガイド付きシリンダではガイドシャフトの軸受などの摺動部が繰り返し動作するため、摩耗によって微小粒子が発生します。

また、シリンダ内部で使用されているグリースの微粒子が排気エアに混入する場合もあり、これらが排気エアとともに放出される可能性もあります。そのため、クリーンルームでは一般仕様のエアシリンダではなく、発塵対策が施されたクリーンルーム用エアシリンダの採用を検討する必要があります。

 

 

エアシリンダの発塵対策

発塵対策が施されたクリーンルーム用エアシリンダ(エアアクチュエータ)は、各空気圧機器メーカーから販売されています。

代表的なメーカーにはSMCやCKDがあり、発塵を抑制するために、内部構造や使用材料、潤滑剤、排気構造など、さまざまな対策がされています。

 

出典:SMC SMCクリーンルーム用空気圧機器

SMCクリーンルーム用空気圧機器

出典:CKD エア駆動機器システムの選定ガイド(クリーンルーム用)

CKDのエア駆動機器システムの選定ガイド

 

メーカーの主な対策は下記の通りです。

  • 低発塵グリスの採用
  • リリーフポートやバキュームポートの採用
  • ガイド付きシリンダ軸受けは発塵を抑えた構造や潤滑剤の採用

 

このように、クリーンルーム用エアシリンダには、一般仕様とは異なるさまざまな発塵対策が施されています。発塵対策の内容はメーカーやシリーズによって異なるため、要求される清浄度に応じて、品番やオプションで選定することができます。。

次章から、それぞれの発塵対策について詳しく解説します。

 

参考

 

発塵対策の種類

低発塵グリスの採用

通常、エアシリンダにはリチウム石けん系グリースが使用されており、シリンダ内部のピストンパッキンやピストンロッドなどの摺動部、ガイド付きシリンダではガイドシャフトの軸受部などの潤滑に使用されています。

しかし、リチウム石けん系グリースは、摺動によって微小粒子が発生するため、クリーンルームには適していません。

そのため、クリーンルーム用エアシリンダでは、摺動部から発生する微小粒子を抑えるため、低発塵性に優れたグリスが採用されています。

 

低発塵のグリス

  • フッ素系グリースは低発塵なので採用されています

*注意)すべてのクリーンルーム用シリンダがフッ素系グリースではありません。フッ素系グリース使用不可のクリーンルーム用は、リチウム石けん系グリースなどを採用しています。

 

フッ素系グリースは、主に下記の部位に使用されています。

  • ロッドパッキンとその摺動部分
  • ピストンパッキンとその摺動部分
  • ガイド付きシリンダのガイドシャフトの軸受

 

リリーフポートやバキュームポートの採用

エアシリンダでは、ロッドパッキン部から発生する微小粒子を外部へ放出させないための発塵対策が施されています。

 

ロッドパッキンからの発塵対策

  • リリーフポート(ロッドパッキン部に排気ポートを設ける方式)
  • バキュームポート(ロッドパッキン部に真空引きポートを設ける方式)

 

リリーフポートは、ロッドパッキン部から排出される空気を配管で回収し、微小粒子をクリーンルーム内へ拡散させないための構造です。

排気をクリーンルームの外まで直接配管することは現実的ではないため、実際の機械装置では、ユーティリティ(UTY)の排気ダクトへ接続したり、クリーンエキゾーストクリーナを経由して装置外へ排気したりする方法が一般的です。また、床下にピットを備えたクリーンルームでは、グレーチング下のピットへ排気する場合もあります。

バキュームポートは、ロッドパッキン部に設けられたポートを真空ポンプやブロワなどの真空源へ接続し、ロッドパッキン部を常時吸引する構造です。

ロッドパッキン部で発生した微小粒子を外部へ放出する前に吸引・回収できるため、リリーフポートよりも高い発塵対策が可能です。また、真空ポンプやブロアの排気はクリーンルーム外へ排出する、またはクリーンエキゾーストクリーナなどを介して適切に処理する必要があります。

 

出典:SMC SMCクリーンルーム用空気圧機器

大気開放と真空引きの配管方法

大気開放と真空引きの配管方法

 

 

 

出典:CKD エア駆動機器システムの選定ガイド(クリーンルーム用)

大気開放と真空引きの配管方法

大気開放と真空引きの配管方法

 

一般的なエアシリンダと違い、ロッド側にリリーフポートまたはバキュームポートが取り付けられているため、見た目でクリーンルーム仕様であることがわかります。

配管の方法としては、エアシリンダのAポート、Bポートの接続方法と同様に、継手をつけてエアチューブ(エアホース)を接続し、エア回路図に従って配管するだけです。

 

ガイド付きシリンダのガイドシャフトの軸受

ガイド付きシリンダのガイドシャフトや軸受けは、微小粒子の発生源となります。

 

ガイドシャフトの軸受けの発塵対策

  • ボールブッシュを採用する場合が多い

 

クリーンルーム用ガイド付きシリンダでは、発塵が多い滑り軸受ではなく、ボールブッシュを採用してるタイプが多いです。

ただ、すべてのクリーンルーム用ガイド付きシリンダがボールブッシュ仕様というわけではなく、使用環境や用途によっては、滑り軸受を採用したクリーンルーム用ガイド付きシリンダもラインアップされています。

 

ポイントまとめ

それでは、クリーンルーム用のエアシリンダーについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • クリーンルームでは、発塵対策されたエアシリンダを選定すること
  • 低発塵グリースやリリーフポート、バキュームポートにより、微小粒子の発生・放出を抑える
  • 要求される清浄度に応じて、仕様や品番を適切に選定すること

 

以上3つのポイントです。

 

参考

*ガイド付きシリンダについてはこちらの記事で紹介しています

要チェック
ガイド付きシリンダの特徴と注意点と構造【分解してみたシリーズ】
ガイド付きシリンダの特徴と注意点と構造【分解してみたシリーズ】

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以上です。

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