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クリーンルーム用の低発塵のケーブルキャリア
クリーンルームでは使用できない一般的なケーブルキャリア
機械装置の可動部にケーブルやエアチューブを配線・配管する場合、ケーブルやエアチューブを保護し、断線や干渉を防ぐために、ケーブルキャリアを使用するのが一般的です。
代表的なケーブルキャリアとしては、椿本チエインのケーブルベヤやイグス(igus)のエナジーチェーンなどが広く知られており、さまざまな機械装置で採用されています。
これらのケーブルキャリアは、リンクを連結したチェーン状の構造となっており、ケーブルやエアチューブを保護しながら、適切な曲げ半径を維持して可動部へ配線できる機械要素です。
出典:椿本チエイン ケーブルベア
出典:igus エナジーチェーンカタログ2024_05_E2シリーズ_P274-441
これらの一般的なケーブルキャリアは、リンク同士の摩擦や、収納されたケーブル・エアチューブ同士、またはキャリア内壁や外周の接触・摩擦によって、粉塵の発生原因となります。
このため、半導体の製造装置やクリーンルームで使用される装置では、低発塵性を考慮したクリーンルーム対応の可動配線システムが採用されます。
また、一般的なケーブルキャリアには低発塵タイプもラインアップされていますが、要求される清浄度や客先の仕様によっては使用が認められない場合があります。
クリーンルーム対応の代表的な製品
高い清浄度が求められるクリーンルームでは、発塵を抑えるための構造や材料を採用した専用製品が使用されます。
クリーンルーム(class1)対応の可動配線システムの例
- イグス(igus)の「e-skin flat」
- 椿本チエインの「ケーブルベア クリーンシリーズ」
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トーマスエンジニアリング(Thomas Engineering)の「ThomPod」
※これら以外の製品もありますので、ご自分で調べてみてください。
これらの製品は、いずれもクリーンルームでの使用を目的として開発されており、ISO 14644-1に基づく空気清浄度の評価において、最も清浄度の高い「ISO Class 1に対応」しています。
クリーンルーム対応の可動配線システムは、一般的に、ケーブルやエアチューブをチューブ形状の保護容器で覆い、それらを一体化して可動させるタイプが多いです。
製品によって構造は異なりますが、チューブにケーブルやエアチューブを後から挿入できるタイプや、あらかじめチューブにケーブルやエアチューブを組み込んで一体化させた完成品としてオーダー製作するタイプがあります。
また、チューブの材質は低発塵性、耐摩耗性、耐薬品性を考慮した、フッ素系樹脂などが採用されています。
クリーンルーム用のケーブルキャリア紹介
イグス(igus)の「e-skin flat」
イグスのクリーンルーム(ISO Class 1)対応の可動配線システムは、数種類ありますが代表的な製品の「e-skin flat」を紹介します。
e-skin flatは、ケーブルやエアチューブを個別のケーブルチャンバー(チューブ)に収納し、それらをフラット状に一体化した可動配線システムです。
出典:igus エナジーチェーン製品カタログ
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e-skin flatの特徴
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ISO Class 1に対応
- 許容温度は+10度~+50度
- 1つのチャンバー(チューブ)に複数本収納できる
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ポッド(チャンバー)を1本ごとの単独で交換ができる
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ケーブルやエアチューブを個別のチャンバー(チューブ)に収納して使用する
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チャンバー(チューブ)を接続して何列にもできるので、必要に応じて追加することができる
- チャンバー(チューブ)は開閉式と非開閉式があり、非開閉式の方が摩耗粉や粉塵などの微粒子の発生がすくない
椿本チエインの「ケーブルベア クリーンシリーズ」
椿本チエインのクリーンルーム(ISO Class 1)対応の可動配線システムには、クリーンベヤ、フラットベヤ、フラットベヤZP仕様があります。
クリーンベヤは、つばきで最も低発塵な可動配線システムです。フッ素樹脂製のチューブ内にケーブルやエアチューブを組み込んだ状態で納入されるタイプです。
フラットベヤは、クリーンベヤとは異なりチューブを使用せず、低発塵のPVCまたはポリウレタン製外装のケーブルやエアチューブを直接溶着して連結した可動配線システムです。
フラットベヤ2P仕様は、開閉式のチューブを採用しているため、ケーブルやエアチューブを後から挿入・交換できます。ただし、イグスのe-skin flatのように後からチャンバー(チューブ)を追加して本数を増やすことはできません。
出典:椿本チエイン ケーブルベア クリーンシリーズ
クリーンベヤ
フラットベヤ
フラットベヤZP仕様
クリーンベアの特徴
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使用温度範囲は-10度~+80度
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チューブの材質はフッ素樹脂(ePTFE)
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ケーブル・エアーチューブは組み込みして納入
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ポッドの本数は横列で最大8本まで(重ねればさらに本数が増える)
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購入後にポッドの本数を増やす、減らす、交換することができない
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つばきで最も低発塵な可動配線システム
フラットベヤの特徴
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使用温度範囲は-10度~+80度
- チューブがないタイプ
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ケーブル・チューブの外装はPVCかポリウレタン
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ケーブル・エアーチューブは溶着し連結して納入
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購入後に本数を増やす・減らす・交換することはできない
フラットベヤZP仕様の特徴
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使用温度範囲は-10度~+60度
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開閉式のチューブの材質はPVC
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開閉チューブの本数は1列につき最大8本まで
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ケーブル・エアーチューブは購入後に自分でポッドへ挿入する
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購入後に開閉チューブの本数を増やす・減らす・交換することはできない
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収納本数は開閉チューブに1本が基本だが複数本入れることもできる
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開閉チューブのため、ケーブル・エアーチューブの交換が容易
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開閉チューブ内でケーブル・エアーチューブが接触・摩擦するため、微粒子が発生する
トーマスエンジニアリングの「ThomPod」
トーマスエンジニアリングは、韓国の可動配線システムメーカーです。
同社のクリーンルーム(ISO Class 1)対応可動配線システムには、「ThomPod(トムポッド)」があります。
ThomPodは、ケーブルやエアーチューブをフッ素樹脂製のチューブに収納した「ポッド(POD)」を連結して構成している可動配線システムです。ポッドは、あらかじめケーブルやエアーチューブが組み込まれた状態で納入されるため、購入後にケーブルやエアーチューブを追加・変更・交換することはできません。
出典:トーマスエンジニアリング(Thomas Engineering)の「ThomPod」
ThomPod(トムポッド)の特徴
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使用温度範囲は-10~+80℃
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チューブの材質はフッ素樹脂(ePTFE)
- ケーブル・エアーチューブはチューブに組み込まれている(密封構造)
- 購入後にポッドの本数を増やす、減らす、交換することができない
- 標準タイプは、POD径が15.5/20.5/28mmがあり、それぞれ7/8/6PODまで対応している
ポイントまとめ
それでは、クリーンルーム用の低発塵のケーブルキャリアについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 一般的なケーブルキャリアは、摩擦による発塵のためクリーンルームでは使用できない
- クリーンルームでは、ISO Class 1対応の低発塵可動配線システムが使用される
- 製品ごとに構造やケーブル・エアーチューブの施工方法が異なる
- 清浄度や装置仕様に応じた製品選定が必要
以上4つのポイントです。
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以上です。







