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ロータリーアクチュエータの特徴と注意点と構造
ロータリーアクチュエータの特長
エアー式のロータリーアクチュエータは、圧縮空気の力を利用して設定した角度だけ回転運動を行うアクチュエータです。
直線運動のエアシリンダとは異なり、90°、180°、270°など決められた角度まで回転できるため、ワークの反転や方向転換、ストッパーの開閉、治具の位置決めなど、様々な機械装置に採用されています。
出典:SMC ロータリアクチュエータ CRB/CDRB
薄形ロータリアクチュエータ CRQ2/CDRQ2
ロータリーアクチュエータの回転方式は、下記の2種類です。
回転の方式
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ベーン タイプ
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ラック&ピニオン タイプ
ベーン(羽根)タイプは、回転軸(ベーンシャフト)に固定されたベーンに圧縮空気を作用させ、ベーンを直接回転させる方式です。圧縮空気によって回転軸をダイレクトに駆動させています。
構造がシンプルで部品点数が少ないため、小型・軽量でコンパクトに設計できることが特徴があります。また、ベーンタイプにはシングルベーンとダブルベーンがあり、実行トルクに違いがあります。ダブルベーンタイプは2枚のベーンで圧縮空気の圧力を受けるため、シングルベーンタイプよりも大きなトルクを発生できます。
ラック&ピニオンタイプは、ピストンの直線運動をラックとピニオンギヤによって回転運動へ変換する方式です。
比較的大きなトルクを発生できるため、重量物の反転や大きな負荷を回転させる用途に適しています。また、多くの製品では回転角度をストッパーボルトで微調整できるため、停止位置の調整が容易です。
使用に関する注意点
ロータリーアクチュエータを使用する場合は下記を注意してください。
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動作速度を適切に調整する
ユニットやワークを回転させる場合、動作速度が速すぎると停止時の衝撃が大きくなりバウンドする -
バックラッシュの有無を確認する
ラック&ピニオンタイプにはバックラッシュありとなしのモデルがあります -
慣性モーメントを考慮して機種を選定する
回転物の慣性モーメントが大きいと動き出しが鈍くなったり、停止時の衝撃が大きくなる -
必要に応じてショックアブソーバを使用する
慣性モーメントが大きい場合は、エアクッション付きでも停止時の衝撃を吸収できないことがある -
タイミングベルト駆動では停止時の衝撃に注意する
タイミングベルトで回転力を伝達している場合、突入エアーによる飛び出しが発生すると停止時の衝撃でタイミングベルトが歯飛びする - ベーンタイプのダブルベーンは揺動角度が90°か100°しかない(SMCの場合)
回転軸に2枚のベーンが組み込まれているため、1枚あたりが回転できる範囲が狭くなります - 本体のストッパーボルトで角度調整できるが微調整に向いていない
ストッパーボルトをロックすると微妙に角度が変わってしまうので、外部に後付けのメカストッパーを追加するとよい -
回転軸から離れた位置に負荷がかかると回転が停止しやすい
回転物の外形が大きいと、外周がわずかに干渉しただけで大きな抵抗となり回転しきらない - 回転物に配線やエアー配管が接続されている場合は、回転物の重量だけでロータリーアクチュエータを選定しないこと
配線やエアー配管が接続されていると、大きな負荷トルクが発生するので、回転物の重量だけで選定しないこと
ベーンタイプとラック&ピニオンタイプ

ロータリーアクチュエータは、十分に検討して機種を選定したつもりでも、実際に試運転を行うと、「トルクが不足して回転しない」「タクトタイムに間に合わない」「想定より回転速度が遅い」といった問題が発生することがあります。
もし、必要なトルクやタクトタイムを満たせない場合は、エアシリンダや単軸ロボットの直線運動をリンク機構やクランク機構などで回転運動に変換する方法が有効です。
直線運動を回転運動へ変換する機構は、リンク比やレバー比によって、ロータリーアクチュエータよりも大きな回転トルクを得られるように設計することが容易です。そのため、大きな負荷を回転させる用途や、高速動作が求められる用途では、こちらの機構を検討するほうが良いでしょう。
オーバーホール時の注意点
SMCのロータリーアクチュエータを例に、オーバーホールの注意点をまとめます。
注意点
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ベーンタイプはオーバーホールできない
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オーバーホールするときは、必ずメーカーの「パッキン交換要領」を確認する
ロータリーアクチュエータには、ベーンタイプとラック&ピニオンタイプがありますが、ベーンタイプは内部シール部を交換できないため、基本的にオーバーホールはできません。
出典:SMC FAQ~よくあるご質問~
ロータリアクチュエータ
- Q ロータリベーンタイプ/CRBの内部漏れが大きくなってきたがパッキン交換可能か?
- A ベーンタイプのロータリアクチュエータは、ベーン部にゴムをライニングしてシールしていますので交換はできません。製品本体を交換お願いします。
一方、ラック&ピニオンタイプは、パッキンやガスケットなどの補修部品が用意されており、オーバーホールが可能です。
ただし、ロータリーアクチュエータは直線運動のエアシリンダよりも内部構造が複雑で、機種ごとに構造や分解方法が異なります。そのため、自己判断で分解するのではなく、必ずメーカーが公開しているパッキン交換要領を確認して作業を行いましょう。
また、パッキン交換要領には、組立時に使用するグリースの塗布箇所、塗布量についても指定されています。
自己判断でグリースを塗布すると、動作不良や寿命低下の原因となるため、必ずパッキン交換要領に従って組み立てを行いましょう。
**パッキン交換要領はメーカーHPから閲覧可能です(SMCの場合)
参考
*ガイド付きシリンダについてはこちらの記事で紹介しています
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ガイド付きシリンダの特徴と注意点と構造【分解してみたシリーズ】
続きを見る
ロータリーアクチュエータを分解してみた
SMCのロータリーアクチュエータを分解してみたので紹介します。
分解したのは下記の2種類です
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ベーンタイプのCRB32-180
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ラック&ピニオンタイプのMSQB7A
まず初めに、ベーンタイプのCRB32-180を分解した様子をご覧ください。
ベーンタイプのCRB32-180

では次に、ラック&ピニオンタイプのMSQB7Aの雰囲気を動画で確認してください。分かりやすくするために、エンドのキャップは外した状態となっています。
それでは、分解した様子を紹介します。
ラック&ピニオンタイプのMSQB7A


ロータリーアクチュエータは機種ごとに構造や分解方法が異なるため、上記で紹介したアクチュエータは参考でしかありませんが、ベーンタイプとラック&ピニオンタイプの基本構造はお分かりいただけたと思います。
ポイントまとめ
それでは、ロータリーアクチュエータについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- ロータリーアクチュエータには「ベーンタイプ」と「ラック&ピニオンタイプ」があり、構造や特性が異なる
- 選定時はトルクだけでなく、慣性モーメント・動作速度・負荷トルク・配管や配線の抵抗まで考慮する
- 停止時の衝撃やバックラッシュ、回転角度の調整方法など、実際の使用条件に合わせて検討する
- オーバーホールは機種によって可否が異なるため、分解前にメーカーの交換要領や補修部品を確認する
以上4つのポイントです。
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関連記事:【空気圧/油圧】
以上です。

