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記事の目次
ガイド付きシリンダの特徴と注意点と構造【分解してみたシリーズ】
ガイド付きシリンダの特徴
ガイド付きシリンダは、その名の通り、エアシリンダとガイド機構を一体化したアクチュエータのことです。
ガイド付きシリンダ



ガイド付きシリンダの特徴
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芯出しが不要
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交換作業が簡単
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部品点数を削減できる
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装置をコンパクトに設計できる
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横荷重やモーメント荷重に強い
ガイド付きシリンダの用途の例
- 押さえる ⇒ 加工中のワークを押さえる
- 押し出す ⇒ ワークを次工程に押し出す
- 持ち上げる ⇒ ワークやユニットを持ち上げる(上昇させる)
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止める(ストッパー) ⇒ ワークをコンベア上で停止させる
通常のエアシリンダは、ピストンロッドで荷重を支える構造のため、横荷重やモーメント荷重が加わると、ロッドやパッキンに負荷がかかり、寿命が低下してしまいます。
一方、ガイド付きシリンダはガイド部が荷重を受け持つため、横荷重やモーメント荷重に強く、安定して直線動作することができます。
また、シリンダとガイドが一体化しているため、LMガイドやリニアブッシュなどのガイド機構の設計をする必要がありません。そのため、装置をコンパクトに設計でき、部品点数の削減や組立工数の低減にもつながります。
ガイドの種類
ガイド付きシリンダのガイドロッドを支える軸受けには種類があります。
例えば、SMCさんは3種類の軸受けの設定があります。
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滑り軸受け
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ボールブッシュ
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高精度ボールブッシュ
出展:SMC ガイド付薄形シリンダ MGP
軸受けの種類は、必要な精度や荷重条件に応じて選択できます。
一般的に、滑り軸受は構造がシンプルで、異物に比較的強く、低コストです。また、ストッパ用途など衝撃や横荷重を伴う用途に適しています。
一方、ボールブッシュ軸受は摺動抵抗が小さく、滑らかな動作が得られる特徴があります。そのため、プッシャーやリフターなど、スムーズな直線動作が求められる用途に適しています。ただし、ボールで荷重を支える構造のため、ストッパ用途など衝撃がともなう使用がきません。
さらに、高精度ボールブッシュ軸受は、ボールブッシュ軸受よりもプレートの変位やガタを抑えた仕様で、横方向荷量に対しての変位量が小さいので、高い繰返し精度が求められる用途に適しています。
また、SMCでは使用環境に合わせたシリーズも用意されています。
- 耐水性向上形 : 滑り軸受を採用し、クーラント液や水が飛散する環境に対応している
- クリーンシリーズ : ボールブッシュ軸受を採用し、クリーンルームや半導体・液晶・食品・医薬品など、発塵を抑えたい環境に対応している
このように、「滑り軸受が優れている」「ボールブッシュ軸受が優れている」と一概には言えないため、使用環境や用途によってカタログでスペックを確認して選定する必要があります。
ブッシュの種類
*ブッシュの種類については、下記の記事をご覧ください。
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ブッシュの特徴と種類と潤滑方式【材質と給油の違い】
続きを見る
使用に関する注意点
ガイド付きシリンダを使用する際には、次の3点に注意してください。
- ガイドにはガタツキ(遊び)がある
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使用環境で寿命が短くなることがある
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ガイド付きシリンダは取付精度の影響を受けやすい
ガイドと軸受けにはガタツキ(遊び)があるので、ストロークするとわずかに傾いたり、左右に動いたりすることがあります。
そのため、1/100mm台の位置決め精度や繰返し精度が求められる用途には適しておらず、高精度な位置決めが必要な場合は、「シリンダ+LMガイド」の組み合わせて使用することをおすすめします。
また、粉塵が多い環境で使用すると、ガイド部に異物が侵入して摺動面が摩耗したり、かじりが発生したりすることがあります。
このような状態になると、ピストンやロッドシールからエア漏れがなくても、早期に動作不良となるため、カバーなどで粉塵対策をするか、定期的に交換する必要があります。
さらに、ガイド付きシリンダは取付面の平面度が悪い状態で固定すると、シリンダ本体が変形し、ガイドロッドと軸受けの芯ずれが発生して、動作不良になることがあります。
症状としては、ストローク途中で引っ掛かったり、動きがぎこちなくなったりします。私の経験では、取付面の反りやゆがみが0.2mm程度を超えると動作不良が発生しやすくなりました。一方、SMCの取扱説明書では、取付面の平面度は0.05mm以下と規定されています。そのため、取付面は機械加工する、みがき材を使用するなどして、メーカー推奨値を満たすように取付面の精度を確保しましょう。
参考
*ガイド付きエアシリンダの動作不良については、下記の記事をご覧ください。
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ガイド付きエアシリンダが動かない原因【シリンダブラケットの歪み】
続きを見る
オーバーホール時の注意点
ガイド付きシリンダは、ガイドロッドや軸受けの交換部品は提供されていませんが、ロッドパッキンやピストンパッキンなどのシール部品はメーカから提供されているためオーバーホールが可能です。
ただし、オーバーホール時には次の点に注意してください。
注意点
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ガイドロッドの固定ボルトは安易に緩めない
出展:SMC 取扱説明書 ガイド付薄形シリンダ
16-1.分解作業
使用工具:穴用スナップリングプライヤ、スパナ、六角レンチ、ソケットレンチ(または、エア-インパクトレンチ)1)ピストンロッドに傷が付かないように固定し、六角レンチまたは、ソケットレンチでプレ-ト取付ボルトをゆるめて、 ガイドロッドアッセンブリをはずす。
または、エア-インパクトレンチを使用し、プレ-ト取付ボルトをゆるめて、ガイドロッドアッセンブリをはずす。
※ガイドロッドを取付けているガイド用ボルトは精密に組立てられていますので、緩めるなどしないでください。
ガイドロッド

ガイドロッドは、本体の軸受けに対して芯出しして組み付けられています。そのため、固定ボルトを緩めるとガイドロッドの芯ずれが発生し、スムーズに摺動しなくなることがあります。
芯ずれが生じると、次のような不具合の原因になります。
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軸受けが異常摩耗する
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ストローク途中で引っ掛かる
- 動作したりしなかったりする
さらに、ガイドロッドの固定ボルトには「ねじロック剤」が塗布されており、組み付け精度を維持することが前提となっています。
そのため、メーカーの分解手順で指示されていない限り、ガイドロッドの固定ボルトは緩めず、ロッドパッキンやピストンパッキンなど、指定された部品のみを交換するようにしましょう。
ガイドロッドのトラブル
今から10年以上前のことですが、新品のガイド付きシリンダが試運転中に動作不良になったことがありました。
症状は、エアを供給してもすぐには動かずしばらくして突然動く、または、全く動作しない、と言ったものでした。
シリンダを取り外したところ、ガイドロッドを固定しているボルトが締め付けられておらず、ロッドが正しく固定されていませんでした。
さらに確認すると、ボルトにはねじロック剤が塗布されていたため、一見すると正常に組み付けられているように見えました。しかし実際には、締付け不足の状態でねじロック剤が硬化していました。
メーカーへ送り調査してもらったとこと、組立工程では手作業で組立をしており、締付け忘れであることが判明し、不具合品として交換対応となりました。
ガイド付きシリンダを分解してみた
SMCのガイド付きシリンダを分解してみたので紹介します。
分解したガイド付きシリンダは下記の2種類です
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滑り軸受けのMGPM-16-50Z
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ボールブッシュ軸受のMGPL25-20
まず初めに、滑り軸受けのMGPM-16-50Zの雰囲気を動画で確認してください。ガイドのガタツキ(遊び)もどんな感じなのか?わかると思います。
次に、ボールブッシュ軸受のMGPL25-20です。
それでは、分解した様子をご覧ください。
初めに、滑り軸受けのMGPM-16-50Zから
滑り軸受けのMGPM-16-50Z


次に、ボールブッシュ軸受のMGPL25-20を分解します
ボールブッシュ軸受のMGPL25-20

それでは最後に、各部位の役割を紹介しておきます。
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ガスケットは、シリンダ内を密閉するためのシールです。圧縮空気の漏れを防ぎ、シリンダ内部の気密性を維持します
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磁石は、シリンダに取り付けたオートスイッチがピストンの位置を検出するための部品です。ピストンに取付けられています
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ダンパは、ストロークエンドでピストンがエンドカバーに衝突するときの衝撃を吸収する部品です。一般的にはウレタン製です
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ピストンパッキンは、ピストンとシリンダチューブのすき間を密閉するシールです。供給された圧縮空気が反対側へ漏れる(内部漏れ)ことを防ぎます
参考
*クッション付きエアシリンダについては、下記の記事をご覧ください。
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エアシリンダの衝撃吸収はエアクッション【仕組みと調整方法】
続きを見る
ポイントまとめ
それでは、ガイド付きシリンダについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 横荷重やモーメント荷重に強く、省スペース化できる
- 軸受けは用途や使用環境に合わせて選定する
- ガタがあるため、高精度な位置決めには適さない
- 取付精度や粉塵環境は動作不良や寿命に影響する
- オーバーホールをするときはガイドロッドを分解しない
以上5つのポイントです。
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関連記事:【空気圧/油圧】
以上です。
