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機械装置を組み立てるうえで重要な精度ですが、その基本とも言える図面寸法について、どのように理解して調整すればいいのか?を理解した出来事を紹介します。
図面寸法に合わせる重要性を学んだ海外改造工事の経験
未経験で入社したその日から
24歳で整備士から機械装置メーカーへ転職して3年目のころだった。
とあるEU圏の国で、自社が5年前に製造したマテハンラインの各装置を改造することになった。
改造内容は品種変更への対応である。
扱うワークが変わるため、搬送や位置決めに関わる部品やユニットを変更する必要があった。
しかも、それだけではなく、これまで稼働する中で発生していたチョコ停の原因も洗い出されており、この機会に対策を盛り込むことになった。
そのため交換する部品やユニットは膨大な数となり、日本での設計、加工、組立だけでも数カ月を要する大型案件だった。
当時の私は、すでに海外SVを4回ほど経験していた。
そのうち一度は、一人で2カ月間にわたりマテハンラインの移設、改造、立上げを担当した経験もある。
組立部門へ異動して間もないころだったが、若さもあり、自分なりに組立は分かってきたつもりだった。
海外案件と聞いただけで胸が高鳴った。
「またチャンスが来たな」
そんな気持ちでいたことを覚えている。
設計が完了すると、加工品が少しずつ工場へ入荷し始めた。
私と同僚たちは図面を片手に、一つひとつの部品を確認していく。
寸法は合っているか。
穴位置は正しいか。
加工漏れはないか。
図面どおりの精度で製作されていることを確認すると、工番ごとの棚へ仕分けていった。
日に日に部品の数は増えていく。
棚は次第に埋まり、工場の一角は今回の改造案件専用のエリアになっていた。
そして、徐々に組立が始まった。
現地で交換する単品部品については、取付に使用するボルト類を準備し、部品ごとに梱包していく。
一方、ユニット単位で交換するものは日本で組立を行った。
配線が必要なユニットについては、電気担当者が中継ボックスまで配線を実施する。
機械組立、電気配線、動作確認。
作業は順調に進んでいった。
海外案件の場合、梱包にも制約がある。
木材や木製パレットは、防腐処理などの規格を満たしていなければ海外へ出荷できない。
そのため、自社工場で使用する木製パレットは、工場から輸送業者まで運ぶためのものだった。
海外案件では、こうした梱包ひとつにも気を遣う。
輸送業者へ引き渡された荷物は、海外輸送用の梱包へ再梱包され、ようやく海外へ向けて出荷されるのだ。
だが、私たちを最も悩ませたのは梱包ではなかった。
海外案件には、もう一つ大変な仕事があった。
出荷準備である。
海外へ輸出するためには、単に梱包するだけでは終わらない。
出荷リストの作成。
写真撮影。
梱包内容の記録。
輸出書類との照合。
こうした作業が必要になる。
現地の関税で荷物が止められることも珍しくないため、書類と実物が完全に一致していなければならない。
部品とリストが1個違うだけでもトラブルになる可能性がある。
そのため、一つひとつ確認しながら慎重に作業を進めていった。
気が付けば、組立と出荷準備だけで約1カ月が過ぎていた。
工場の中には、改造用の部品やユニットが整然と並んでいた。
数カ月かけて設計し、製作し、組み上げてきた成果がそこにあった。
そして、すべての確認を終えた部品やユニットは出荷された。
今回は空輸であったため、数週間後には現地への到着連絡が入った。
改造工事は現地工場の定期修繕のスケジュールに合わせて実施することになっており、作業開始はさらに1カ月後だった。
当時の私は、今回の案件を通じて組立に対する考え方が大きく変わることになるとは、まだ思ってもいなかった。