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電動アクチュエータの組立精度
ユニット化された直線運動のアクチュエータ
近年の機械装置では、直線運動をする部分に、エアシリンダではなくエレシリンダ、ボールねじ&LMガイドの組合せではなく単軸ロボットやロボシリンダといった「電動アクチュエータ」が使用されること定番になってきました。
これらは、ボールねじやベルトによる駆動機構と、LMガイドやガイドレールによる直線案内機構を一体化した「ユニット製品」です。
そのため、従来必要だった
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ボールねじの芯出し
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LMガイドの平行出し
といった調整作業が不要になりました。
さらに、交換時の再現性や組立精度を担保するために、「位置決めピンで電動アクチュエータの位置が決まる」構造が普通です。そのため、取付側の部品の加工精度さえ確保されていれば、「取付けるだけでOK」という感じで取り扱われることが多いと思います。

ところが、本当のところは「取付けるだけでOK」というのは誤解です。
電動アクチュエータにはメーカーが規定する精度(カタログ値)が存在し、その精度は組付け後の状態での測定をしなければわからないからです。
※ロッドタイプではなくスライドタイプのアクチュエータを前提に話を進めています。
組付け後の精度には下記の要因が影響しています
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取付面の平面度
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位置決めピンの平行度
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相手機構や相手ユニットの精度
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電動アクチュエータの単体精度
そして、精度がメーカー規定値から外れた場合、次のような不具合が発生します。
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繰返し精度が悪い
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異音・振動の発生
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動作抵抗の増加(過負荷異常)
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ガイドやボールねじの早期摩耗
この結果、本来の性能が発揮されず生産される製品に悪影響を及ぼしたり、突発的な故障につながるわけです。
だからコレ!!
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組立後の精度測定と精度調整を必ずおこなうこと
それでは、次章では精度の基準値や測定方法などを紹介します。
ブレーキ付きは測定できない
電動アクチュエータの組付け精度を測定しようしたとき、、、、よくあるのがこのケースです。
- ブレーキ付きで動かせない → 測定できない → 試運転のときに測定しよう→忘れて測定しない
もしかしたらこのパターンが一番多いのかもしれないですね。
だからブレーキ付きであっても
- 仮電源でブレーキを解除する
ってことをしなければならないのですが、その方法としては、「制御屋さんにお願いして一時的にブレーキ解除する」または「仮でブレーキ解除ができる電源&制御機器を自作しておく(作業改善)しかありません。
電動アクチュエータの平行度
では実際に、電動アクチュエータの水平(垂直)と高さの平行度(走り平行)がどの程度なのかを見ていきます。
今回紹介するのは下記のメーカーさん
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SMC株式会社
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THK株式会社
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アイエイアイ(IAI)
いずれも実績のあるメーカーで、それぞれの取扱説明書やカタログには、水平(垂直)と高さの精度に関する規定値が明記されています。
ここで注意点をお知らせします。
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使用するメーカーや品番ごとに規定値が違うので必ず組付ける前に確認してください
ではSMCさんから紹介します。
下記の資料では、
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水平(垂直)の平行度は300mmにつき0.03mm
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高さの平行度は300mmにつき0.05mm
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取付面は平面度0.01mm/500mm
となっています。
例えばですが、アクチュエータの全長が600mmであれば水平の平行度は0.06mmまでOKと言うことになります。
出典:SMC e-Actuator かんたん制御コントローラ一体型/スライダタイプ
出典:SMC 電動アクチュエータ/高剛性スライダタイプ ボールねじ駆動 電動アクチュエータ 製品個別注意事項①
次に、アイエイアイさんを紹介します。
下記の資料では、フレーム取付時に
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水平(垂直)の平行度は0.05mm以下または0.1mm以下または0.2mm以下(品番によって違う)
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高さの平行度は0.05mm以下または0.1mm以下または0.2mm以下(品番によって違う)
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取付面は平面度0.05mm以下
となっています。
例えばですが、SMSさんとは違い長さ当たりの精度で示されていません。
つまり、長さ関係なく規定値以下でなければなりません。
出典:株式会社 アイエイアイ 産業用ロボット総合カタログ
出典:株式会社 アイエイアイ トータルカタログ2024 エレシリンダ
最後に、THKさんを紹介します。
下記の資料では、フレーム取付時に
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平水平(垂直)の平行度は記載がみつかりませんでした
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高さの平行度は一番厳しい値で0.025mm(品番によって細かく規定されている)
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取付面は記載がみつかりませんでした
となっています。
平行の精度については、記載がありませんでした。精度は取付面に対しての一方向(高さ)の概念でした扱っていないようです。
取付面の精度については記載がありませんが、組付けたときの高さ精度が規定値以下であれば問題ありません。
出典:THK LMガイドアクチュエータ 総合カタログ
※注意 品番やアクチュエータの種類によって、走り平行度の値に違いがあります。
このように、電動アクチュエータの精度は、メーカーや品番によって規定値が異なり、精度の考え方にも違いがあります。
そのため、実際の組立作業では、使用する電動アクチュエータの品番を事前に確認し、メーカーが規定している精度値を把握したうえで、適切な組付け・調整を行うようにしましょう。
もし、不明な点があれば遠慮なくメーカーに問い合わせると良いでしょう。私はいつもそうしています。
メーカーへの問い合わせは「設計がやること」って思っている人もいるかもですが、組立に関することは現場側で問い合わせればOKです。
参考
*単軸ロボットの取付注意点については、下記の記事で網羅的に紹介しています。
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単軸ロボットの取付け注意点と過負荷の原因【ロボシリンダの取付ボルトの長さ】
続きを見る
ポイントまとめ
それでは、電動アクチュエータの組立精度について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 電動アクチュエータはユニット品だが「取付けるだけでOK」ではなく、組付け後の精度確認が必須
- 組付け精度は取付面・位置決めピン・相手機構・本体精度に左右され、不具合の原因になる
- 精度基準はメーカー・品番ごとに異なるため、事前にカタログ値を確認して組付けることが重要
以上3つのポイントです。
※電動アクチュエータの購入はこちらから
参考
*マグネットスタンドのスライド治具については、下記の記事で紹介しています。
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マグネットスタンドをスライド治具を使用して滑らせて測定する【定盤やベースフレームで測定】
続きを見る
関連記事:【精度測定/精度調整】
以上です。




