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【精度測定/精度調整】

【特徴と使い方】部品の接触具合は圧力測定フィルムで測定する【プレスケールは色で圧力分布が分かる】

2024年2月20日

 

今回は、部品と部品の接触具合を測定する方法として、圧力測定フィルムのプレスケールを紹介しようと思います。

 

部品の接触具合は圧力測定フィルムで測定する

部品の接触している部分の測定

機械の調整において、部品と部品が接している部分がどのような状態なのか?を測定して、規定値に調整をしなければならない作業があります。

このような場合に問題となるのが、「どうやって見えない部分(部品と部品が接している部分)を測定するのか?」と言うことです。

 

見えない部分を測定する方法

  • 光明丹(当たりを見るもの)
  • プラスチゲージ(すき間を測定するもの)
  • 圧力測定フィルム(圧力分布と圧力を数値化するもの)

 

見えないと言うことは、測定器が使えない状況なので測定器以外の方法を考えてみると、いくつかの方法が思いつきます。

まずは、光明丹です。光明丹は赤色の顔料であり、オイルで溶いて絵具のような状態にしてから片側の部品に塗って使用します。光明丹を塗った部品と塗っていない部品同士を接触させると、当たっている部分と当たっていない部分が色で判別できるようになります。使用用途は主に「歯車の歯当たり」と「部品の接触面の当たり」を判断するために使用します。

 

光明丹

当たりの確認に使用する光明丹

 

次にプラスチゲージですが、こちらは部品と部品の「すき間」を測定するものです。具体的には、部品に押しつぶされたプラスチゲージの幅を測定表の幅と目視で比べてすき間を数値化します。詳しくはこちらの記事で解説しています。⇒「見えない隙間はプラスチゲージで測定」

 

プラスチゲージ

プラスチゲージ

 

最後に、圧力測定フィルムです。圧力測定フィルムは、部品と部品の間に挟んで使用します。具体的には、部品同士を接触させることで、フィルム上に現れる色の濃淡を通じて、接触面の圧力分布を視覚的に確認できます。さらに、測定時の温度と湿度を適切に管理することで、圧力を数値化して評価することも可能です。

 

出典:株式会社ムサシ 「富士フィルム プレスケール カタログ」

圧力測定フィルムのプレスケールのカタログ

 

このように、3つの方法を紹介しましたが、「部品と部品の接している状態を測定=数値化」する方法としては、圧力測定フィルムが適していると思います。

 

プレスケールの紹介

圧力分布を可視化するプレスケール

圧力測定フィルムと言えば、富士フィルムの「プレスケール」と言う商品が一般的です。と言いますが、現在この商品しか世の中に無いようです。

 

圧力測定フィルム

富士フィルムのプレスケール。中身はクッション材で厳重に梱包されていて、二種類のシートが色違いの袋に入っています。

プレスケールの中身

 

プレスケールの特徴

  • 圧力分布が色の濃淡で確認できる
  • 測定時の温度と湿度を管理すると圧力を数値化できる
  • 中圧以下はシートが2枚で1組のツーシートタイプ
  • 中圧以上はシートが1枚のみのモノシートタイプ

 

ツーシートタイプの原理

ツーシートタイプの原理。Aフィルムに力を加えるとカプセルが破壊されて染料がCフィルム付着し発色する。Aフィルムを触った後にCフィルムに触れると発色してしまうことがあります。

プレシートのツーシートタイプの原理

圧力を数値化する場合は、測定時の湿度と温度からA、B、C、Dを選択し、グラフから選ぶ。

プレスケールの圧力チャート

 

プレスケールの注意点

  • 加圧時間が長いと色が濃くなる(加圧時間の管理必要)
  • 使用推奨温度以上で使用すると、変色や変形が発生する
  • 温度と湿度がA、B、C、Dのどれにも該当しないことがある
  • 超低圧以下のフィルムは手で触っただけで色が変わってしまう
  • ツーシートの場合はシートに表と裏があるため、ザラザラ面同士を合わせて使用すること
  • 圧力の大きさによって測定範囲の種類があるので、予め想定される圧力を計算する必要がある

 

プレスケールの種類

  • 超微圧用 0.006~0.05MPa
  • 微圧用 0.05~0.2MPa
  • 極超手圧用 0.2~0.6MPa
  • 超低圧用 0.5~2.5MPa
  • 低圧用 2.5~10MPa
  • 中圧用 10~50MPa
  • 高圧用 50~130MPa
  • 超高圧用 130~300MPa

 

プレスケールを使う場合、予め圧力の計算を行い、その圧力に該当するプレスケールを選定する必要があります。

 

圧力の計算式

  • 圧力(MPa)=重さ、押す力(kgf) ÷ 面積(cm2)

*1N=0.102kgf(1kgf=約9.8N) *1mm2=0.01cm2(1cm2=100mm2)

 

重さ、押す力は部品の接する部分にかかる力です。力は秤、テンションゲージ、フォースゲージ、ロードセルで測定するか、計算で理論上の力を求めます。面積は部品の接する面のことです。実際に測って計算する方法が確実です。

 

プレスケールを使ってみた

実際に超低圧用のプレスケールを使ってみました。

まずは、プレスケールを必要な大きさにハサミでカットします。

 

プレスケールをカットする

プレスケールをカットする

 

今回使用した超低圧用のプレスケールは、ツーシートなのでAフィルムとCフィルムを組合わせて使用します。

フィルムには表と裏があり、ザラザラした面同士を合わせて使用します。

 

部品に圧力を加えると発色する

プレスケールに圧力を加えると発色する

 

部品と部品の間に、プレスケールのAフィルムとCフィルムをを入れ、部品に圧力を加えるとCフィルムが発色します。

色が濃い部分は圧力が高いので部品が強く当たっている部分となります。

 

ポイントまとめ

それでは、プレスケールについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • プレスケールは圧力分布と圧力を数値化することができる
  • プレスケールは種類が多いので、予めおおよその圧力を計算して適合する種類を用意する
  • 圧力を数値化する場合は、温度と湿度を管理してグラフと見比べて判断する必要がある

 

以上3つのポイントです。

 

*プレスケールの購入はこちらから

 

*光明丹の購入はこちらから

 

*プラスチゲージの購入はこちらから

 

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以上です。

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