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【測定器/工具 /電動工具】

【特徴と使い方】見えない隙間はプラスチゲージで測定【潰れた幅】

2022年3月4日

 

今回は「見えない隙間はプラスチゲージで測定」についての記事です。

機械を組み立てていると時々ですが、測定したいけど測定できない場所があります。例えば、目に見ないすき間であったり、測定工具が入らないすき間です。普通このような場合は、部品精度からすき間を予測して判断するしかないのですが、部品の構造によってはプラスチゲージと呼ばれるすき間を数値化できるゲージが使えます。

と言うことで、今回の記事では、すき間を数値化するのに有効なプラスチゲージについて基礎情報をまとめておこうと思います。

 

見えない隙間はプラスチゲージで測定

プラスチゲージの特徴

プラスチゲージとは、見えない、手がはいらない、部分のすき間を測定する「すき間ゲージです」

使い方簡単にまとめると、すき間にプラスチゲージを入れて、つぶれた幅を測定表の幅と目視で比べて測定する、です。

参考

すき間を測定する方法としては、すき間ゲージ(シックネスゲージ)を使用するのが一般的ですが、すき間ゲージを入れられない部分であったり、湾曲(R形状)している部分には使用することが出来ません。その他にも、光明丹を使用する方法もありますが、基本的な使用方法は「面当たりを目視確認する」ためなので、すき間の「ある」「なし」を目視で確認することはできますが、すき間の数値化はできません。

 

プラスチゲージ

プラスチゲージ

 

プラスチゲージの素材

  • 石油系ワックスを棒状に成形したモノ

樹脂の成型品のように見えますが、石油系のワックスです。石油系ワックスとは、原油中に存在する常温において固体または半固体の炭化水素(塗料や樹脂の材料になる物質)です。

 

プラスチゲージで測定できるすき間

  • 最小0.018mm~最大1.750mmm

プラスチゲージは測定できる範囲によって種類分けされていますが、ざっくりまとめると最小0.018mmから最大1.750mmmまでのすき間を測定することが出来ます。

また、一般的に流通しているプラスチゲージは「MPG-1」「MPR-1」「MPB-1」ですが、下記の一覧表にあるように、その他の種類もラインナップされていますので、自分の作業に合ったモノを購入してください。

 

測定できるすき間の一覧表

品番 測定範囲
MPG-1 0.025~0.076mm
MPR-1 0.051~0.152mm
MPB-1 0.102~0.229mm
SPY-1 0.228~0.508mm
PL-X 0.018~0.045mm
PL-A 0.025~0.175mm
PL-B 0.100~0.250mm
PL-C 0.175~0.500mm
PL-D こげ茶 0.500~1.000mm
PL-E 0.750~1.750mm

*プラスチゲージの製造元はプラスチゲージ社と言うイギリスの会社です。アメリカにも工場があります。下記にHPを載せておきます。

 

プラスチゲージの用途

プラスチゲージの用途と言えば、エンジンのクランクシャフトやコンロッドのメタル軸受けのすき間測定で使用する方法が知られていますが、それ以外にも様々な場面で使用可能です。

 

例えば、こんなプラスチゲージの用途があります

  • 部品と部品の密着度の測定
  • プレスの面当たりのすき間測定
  • 押し出し機のはめ合いのすき間測定
  • 計算値ではなく実際のすき間を測りたいとき

 

基本的にすき間は目に見えないですし、測定器が入らないことが多いです。そのため普通なら、部品単体の寸法を測定して計算値でのすき間を予測する場合でも、プラスチゲージがあれば計算値ではなく実際のすき間を測定することが可能なのです。これは、かなり画期的ですね。

 

出典:「PLASTIGAUGE UK」プラスチゲージの商品紹介

プラスチゲージのカタログ

 

参考:使い方紹介

プラスチゲージの使い方は簡単です。

部品にプラスチゲージをのせて、部品を合わせて組立ることでプラスチゲージをつぶします。そしてつぶれたプラスチゲージの幅を、付属の測定表の幅と照らし合わせて数値化します。

 

ここでポイントです

  • 測定表はインチをミリに変換した値なので、キリが悪い数値になる
  • つぶれ具合と測定表の幅がぴったり合わないことがあるので、目視確認でおおよその値になってしまう

 

プラスチゲージのつぶれ幅の算出はインチを基準にしているので、ミリに変換するとキリが悪い数値になってしまいます。

また、測定表の幅は細かく表示されていないので、つぶれた幅と測定表の幅を見比べたときに近似値となる数値を読み取ることになるので、不安定さは否めません。なので、絶対に間違いなく「0、**mm」とは断言はできないので注意です。

とは言え、いくら測定値に不安定さがあるとは言っても「1/100mm台のばらつき」で測定できるので、これ以上の方法はないと思います。

 

それでは、参考として、部品と部品の合わせ面のすき間を測定したので紹介します。

プラスチゲージの使い方

測定したい部分にプラスチゲージをのせる

プラスチゲージで測定する

部品を合わせてるとプラスチゲージが潰れる

プラスチゲージで測定する

潰れたプラスチゲージの幅と測定表の幅と目視で比べて測定する

プラスチゲージで測定する

場所によってつぶれ具合が違う

プラスチゲージで測定する

 

次に紹介するのは、私がエンジンのクランクシャフトのメタルクリアランスを測定したときの写真です。

つぶれ具合からすき間を測定して、もし整備書の規定値から外れているようなら、メタル軸受けの厚さを変更して規定値に入るまで測定を繰返します。

 

メタルクリアランスの測定

クランクシャフトを測定する

 

ポイントまとめ

それでは、プラスチゲージの測定について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • プラスチゲージとは、見えない、手がはいらない、部分のすき間を測定する「すき間ゲージです」
  • プラスチゲージが測定できる範囲は、ざっくりまとめると最小0.018mmから最大1.750mmmまで
  • つぶれ具合と測定表の幅がぴったり合わないことがあるので、目視確認でおおよその値になってしまう
  • 測定値のばらつきは1/100mm台でおさまる

 

以上4つのポイントです。

 

*すき間ゲージはこちらの記事で紹介しています

要チェック
すきまゲージの精度と使用方法
すきまゲージやシックネスゲージの精度や使用方法

続きを見る

 

*プラスチゲージの購入はこちらから

 

*光明丹の購入はこちらから

 

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以上です。

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