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バーリング加工とは
バーリング加工とは材料の穴に治具を使用して絞り加工をする事です。穴フランジ加工とも呼ばれています。
引用抜粋:オートスタッフ バーリング加工治具
バーリング加工の目的にはいくつかありますが、主に下記の2点が多いと思います。
- 薄い板にタップ加工する為・・・バーリング加工をすることによりタップ面積が増える
- 薄い板の強度アップと軽量化・・・バーリング加工する事で板の状態よりも強度がアップし材料の軽量化にもなる
今回は上記2の「薄い板の強度アップと軽量化」目的での作業を解説しようと思います。
加工に必要なモノ/ホールプレスとホールパンチ
バーリング加工する為にはテーパー形状になっている専用の治具を使用します。
*専用の治具は「ホールプレス」や「バーリングパンチ」などと呼ばれており、オス型とメス型のペアの治具です。
治具はサイズ別の専用品となっており、例えば上記のホールプレスは直径20mmの穴にバーリング加工をする為の専用治具と言う事になります。
補足 バーリング加工の下穴
バーリング加工をする前段階として材料に穴をあけておく必要がありますが、そもそもバーリング加工は薄い板に施す加工なので薄い板にキリやホールソーで穴あけするのは非常に難しいと思います。
そのような穴あけが難しい場合には下記の方法があります。
- レーザー切断加工で板から切出す/抜き出す
- プレスで打ち抜き治具を使用して穴をあける
レーザー切断加工で抜く場合には「図面」が必要でその図面からデータを起こし加工機で抜く事になりますが、もしDIYで自分で穴を抜きたい場合には打ち抜き治具を使用してプレスで抜く方が現実的です。
打ち抜き治具は一般的にパンチと呼ばれており、例えば板に穴をあける治具には下記のようなモノがあります。必要に応じて準備しましょう。
引用抜粋:オートスタッフ ホールパンチプレス
加工方法
今回はホールプレスを使用したバーリング加工の方法を紹介したいと思います。
*下穴に関しては加工済として話を進めます。
ホールプレスで加工するにはいくつかやり方があります。
- 油圧プレスで治具をプレスする
- ねじ/ボルトで治具をプレスする
- シャコ万力やバイスで治具をプレスする
以上の3つの方法があります。
油圧プレスで治具をプレスする
油圧プレスを使用すれば薄い板~厚い板までオールマイティにバーリング加工ができます。
今回テストした結果では「鉄で板厚2mm以下」までは上手くバーリング加工出来ました。
2mm以上の板厚でバーリング加工すると、今回使用した治具では絞り切れずに板が反ってしまい上手くできませんでした。
ですから厚い板でバーリング加工する場合には一度テストしてみて確認してください。
*下記に1.6mmの鉄板でテストした時の作業を載せておきます。参考にしてください。
ねじ/ボルトで治具をプレスする
治具の中心にねじを入れてナットを締付けバーリング加工します。非常に単純ですがいくつかのポイントがあります
- ねじは細目のハイテンションボルトを使用する・・・高負荷になるのでねじの強度が必要
- ねじには油やグリスを塗布する・・・ねじが高負荷になるので焼付防止
- 厚い板はねじの力ではプレスできない・・・アルミの1mm厚まで
上記の3点に注意して作業をおこないましょう。
シャコ万力やバイスで治具をプレスする
シャコ万力やバイスでホールプレスを締付けてプレスする方法です。こちらも「ねじ/ボルトで治具をプレスする」方法と同様に「薄い板」にバーリング加工をする場合に向いています。
まとめ
今回はバーリング加工について加工方法を含めて紹介しました。自分でやってみたい方には是非参考にして頂きたいと思います。
*今回紹介したホールプレスの購入はこちらから
*ホールパンチプレスの購入はこちらから
以上です。