今回は「吊り具のスリング選定ポイントと長さ調整方法/使い方応用」についての記事です
何かを吊るときに欠かせない「スリング」ですが、スリングには種類が多く何を選定していいか迷うことがあります。
今回は「ベルト」タイプのスリングの選定ポイントと、上手く活用して玉掛けを容易にする方法を紹介したいと思います。
目次
吊り具のベルトスリング選定ポイント
荷を吊る時に必要となるモノがスリングですが、スリングには「チェーン」「ワイヤー」「ベルト」などがあります。
この中で「ベルト」タイプのスリングは、取扱いが容易で超重量級の荷には不向きですが、一般的に普及率の高い吊り具です。
ベルトスリングの選定
ベルトスリングは数多くの種類があり荷重だけの判断で選定するのは迷ってしまいます。
私の選定ポイントを紹介しますと、
- 「柔らかさ/しなやかさ」を重要視して選定
これは実際に取り扱うと理解できますが、硬いベルトスリングは非常に扱いにくいのです。
硬いベルトの欠点
- 吊り荷の形状に合わない・・・特に角などは密着せずに浮いてしまうので荷の安定に欠ける
- 「縛る/結ぶ」が出来ない・・・スリングは状況に応じて縛ったり結んだりして使用する事があるが、硬いとそれが出来ない
- 収納しにくい・・・硬いので折りたたむことが出来ない
このように良いことは無いと思っていますので、私は「柔らかく/しなやかな」スリングをおすすめします。
おすすめスリング
私が使用しているのはベルトスリングの商品名は「タフスリング」です。
柔らかくてしなやかですので使い易いです。長年使用していますが問題は全くありません。
こちらのメーカーさんはスリングの点検表も公開していますので活用できます。【スリング点検シート】
引用抜粋:田村総業株式会社
もしどのようなスリングを選定すれば良いか分からない場合には、重量屋さんに相談してみると的確なアドバイスを得られると思います。
スリングの長さ調整方法と使い方応用
ここでは通常の玉掛けの手法を紹介するのではなく、玉掛けを上手におこなうためにベルトスリングの長さを自在に調整できる方法を解説します。
長さ調整の方法は2つです。
- 折り返しで長さ調整
- 縛りで長さ調整
調整方法を解説する前に、ベルトスリングの向きを確認しておきます。
ベルトスリングの端は構造上「硬い方」と「柔らかい方」があります。
これはベルトの折り返しの縫込み部分が「硬い方」となります。この硬い部分は屈曲に馴染まないので使い方を考える必要があります。
折り返しで長さ調整
折り返しで長さ調整方法は非常に有効です。
例えば6mのスリングを5.5mとして使用する事も出来るし「荷のバランス」が悪い場合の傾き調整としてスリングの長さを変える事も出来ます。
つまりこの方法のメリットは「瞬時に長さを変更できる事」にあります。
やり方
縛りで長さ調整
この方法は「折り返しで長さ調整」が出来ない場合や、適切な長さのベルトスリングが無い場合に有効です。
注意ポイント
この方法は縛り方に不備があると「ベルトスリングの縛った部分」が滑り「ほどける」危険性があります。
トラックの荷締めと同じで適切な方法を行わないとリスクを伴いますので十分に注意して行ってください。
私は500kg以下で使用しており滑り落ちたことはありませんが、しっかりと「地切り」をした時にベルトスリング引張ってみて確認をしています。
硬いと柔らかい
ベルトスリングのポイントまとめ
それでは、ベルトスリングについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 超重量級には不向き
- 「柔らかさ/しなやかさ」を重要視して選定
- 長さ調整は、折り返しで長さ調整、縛りで長さ調整、がある
以上3つのポイントです。
いかがでしょうか。ベルトスリングの長さ調整は知らない方も多いと思いますが、今回紹介した方法は重量屋さんも良くやっている方法です。スピーディーに安全に作業する為にはこうした方法も知っておくと良いと思います。
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関連記事:玉掛け/吊り具
以上です。