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【締結要素】 【作業/工事/ユーティリティ】

ワイヤロープの構造とかしめ方法【ワイヤークリップとサーキュラースリーブとオーバルスリーブの使い方】

2020年2月8日

 

ワイヤーロープを使用する場合、初めから長さの調整とかしめが出来ているモノと、自分でワイヤーロープの長さを決めてカットしかしめをおこなうモノがあります。

自分でおこなう場合は「かしめ」に注意が必要で、かしめが適切にできていないとワイヤーロープが抜けて事故になりかねません。

そこで今回の記事では、ワイヤーロープのかしめに焦点をあて、どのような部品で、どのようにかしめるのか?をまとめておこうと思います。

 

ワイヤロープの構造

ワイヤーロープの構造は、鋼線や鉄線の素線(細い線)をより合わせてストランドとし心(繊維芯)により合わせてワイヤロープとなっています。

 

ワイヤーロープの構造

ワイヤーロープの構造

 

ワイヤーロープの表面は、素のままタイプと、樹脂で覆われた被覆付きのタイプがありますが、被覆付きのワイヤーロープは被覆を剥がしてかしめなければなりません。

詳しくは下記の記事で紹介しています。

要チェック
剥がす位置をマーキング
被覆付きのワイヤーロープは被覆を剥がしてかしめる【炙って樹脂を剥がす方法】

  ワイヤーロープのかしめ方法については下記の記事で紹介しています。 参考   ワイヤーロープの表面 ...

続きを見る

 

ワイヤロープの用途

ワイヤロープの用途は様々です。

 

用途

  • 伝動(動力を伝える)・・・滑車を使用した機構など
  • 何かを引っ張る・・・吊り具、引っ張って柱を固定など
  • 誘導(レールの代わり)・・・例えばカーテンのレールをワイヤーで

 

ワイヤロープはどのような用途であってもそのまま使用する事は出来ません。つまり「何かに接続/固定」しなければ役目を果たさないと言うことです。

 

ワイヤロープのかしめ方法

ワイヤの固定/接続には専用の固定器具を使用します。

 

専用の固定器具

  • ワイヤークリップ・・・ナットを締めて締め殺し
  • サーキュラースリーブ・・・セットボルト(イモネジ)を締付けて押しつぶし
  • スリーブ・・・スリーブを潰してカシメる

 

このような固定器具があります。

 

ワイヤー固定器具

ワイヤー固定器具

 

それでは、次項から「固定器具」とかしめの「補助金具」について紹介していきます。

 

ワイヤークリップ

ワイヤークリップは特殊な工具が必要ないですし、正し取付けでかしめればソコソコの引っ張り強度があるのでDIYではおすすめです。

 

ワイヤークリップのイメージ図

ワイヤークリップのイメージ図

 

ワイヤクリップの取付の向きにはルールがあります。UボルトのRの部分がワイヤーの末端側にしてください。

引用抜粋:株式会社 水本機械製作所 ワイヤークリップ

ワイヤークリップのイメージ図

 

下記にワイヤ径に対して使用するクリップの個数一覧表を引用します。個数の目安/参考としてください。

引用抜粋:ねじNo1.com

 

クリップの個数一覧表

 

サーキュラースリーブ

ワイヤークリップやカシメのスリーブに比べるとワイヤーを直接ねじで締付けて潰す方法なので滑りぬける可能性があり、高荷重での使用は避けた方が良いでしょう。簡易的な固定方法と考えておくと良いと思います。

 

サーキュラースリーブのイメージ図

サーキュラースリーブのイメージ図

 

スリーブ

基本的には圧着機を使用してカシメますが、圧着機が無い場合にはプレスやハンマーで押しつぶしてカシメる事が出来ます。ただしプレスやハンマーでカシメた場合はワイヤーが抜ける危険性がありますので自己責任となります、十分に注意してください。

 

スリーブのイメージ図

スリーブのイメージ図

 

圧着機を用いた作業方法を引用します。下記のタイプは人手でカシメる工具なので小さいタイプのスリーブ(おおよそワイヤー径3mm以下)に使用します。大きなスリーブで(おおよそワイヤー径3mm以上)の場合には油圧の圧着機を使用します。

引用抜粋:東邦工機株式会社 アルミスリーブカシメ機

アルミスリーブカシメ機

 

補助金具

ワイヤーロープを上手く使うための補助金具を紹介します。

 

シンブル

シンブルはワイヤーのアイ部分の保護金具です。

 

シンブルの特徴

  • ワイヤーが傷つかない
  • ワイヤーがキンクしない(折れない)

 

シンブルのイメージ図

シンブルのイメージ図

 

テンション調整金具

ワイヤーのテンション(張り)を調整する金具はいずれもねじを締める事で金具位置を可変させてテンションを張ります。

 

テンション調整金具

  • アイボルト
  • ターンバックル

 

アイボルトのイメージ図

アイボルトのイメージ図

 

ワイヤロープのかしめ方法のポイントまとめ

それでは、ワイヤロープのかしめ方法について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • かしめには専用の固定器具のワイヤークリップ、サーキュラースリーブ、スリーブを使用する
  • ワイヤクリップには取付の向きにルールがあり、個数を増やすとかしめが強固になる
  • サーキュラークリップは簡単に施工できるが、滑りやすいので高荷重では不向き
  • スリーブは圧着機で潰してかしめる。個数を増やすと強固になる
  • ワイヤーを保護したり、テンションを調整する補助金具がある。

 

以上5つのポイントが大切です。

ワイヤーロープは誤った方法で固定してしまうと非常に危険ですので固定金具の種類と固定方法は覚えておきましょう。どの固定金具を選択するかは使用用途/引張荷重をよく考える必要がありますので設計とすり合わせて根拠のある固定方法としてください。

 

 

*固定金具のご購入はこちらか

 

関連記事:【作業/工事/ユーティリティ】

以上です。

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