今回は「プーラーとは/ギヤやベアリングが抜けない時の工夫」についての記事です。
メンテナンスや部品交換などで、軸から何かを抜くときに重宝するのがプーラーです。
今回の記事では、プーラーの基礎情報とギヤやベアリングが抜けないときのポイントを紹介しようと思います。
目次
プーラーとは
プーラーとは、軸やシャフトから部品を引き抜く工具です。
「引き抜く部品」と言えば下記の部品が挙げられます。
- ギヤ
- ベアリング
- プーリー
- はめ合い部品
このような部品を引き抜くことから「ギヤープーラー」や「ベアリングプーラー」と呼ばれています。
引用抜粋:スーパーツール ギヤープーラーG型
一般的にプーラーと言えばねじ式ですが、より強力な力で引き抜くことが出来る油圧式プーラーもあります。
引用抜粋:スーパーツール 2本爪油圧プーラセット
プーラーの形状
プーラーの形状には用途に応じて様々な種類があります。*詳しくはスーパーツールのカタログで確認してみてください⇒こちら
プーラーを使い分ける理由は、、、
- 引き抜く部品の形状や大きさは様々ある
- プーラーがしっかり噛み合わず抜くのに苦労する場合がある
- 抜けたとしても、プーラーのかかりが悪く部品が破損してしまうことある
このようなことが起きないようにプーラーには様々な形状が存在するのです。
また、プーラーの形状を使い分けるだけでなく、部品にベアリングセパレーターを取付けてベアリングセパレーターをプーラーで引き抜く方法も有効です。
このベアリングセパレーターは油圧プレスで部品を抜くときにも有効で、部品にベアリングセパレーターを取付て軸を油圧プレスで押して引き抜いたりできます。
引用抜粋:スーパーツール ベアリングセパレーター
例えばベアリングセパレーターと油圧プレスを使用したベアリングの抜き方がこちらです。
ギヤやベアリングが抜けないときのやり方
プーラーで部品を引き抜こうとしても、部品が抜けないことがあります。
例えばこのような理由
- 錆(サビ)
- 固着
- 焼付き
- はめ合いがキツイ
このような場合には引き抜きやすくするための工夫がありますので紹介します。
工夫1 プーラーのねじ(中心)をハンマーで叩く
プーラーをセットしてねじを締めて部品と軸にしっかりとテンションを与えた状態で、ねじの頭をハンマーで叩きます。
「引っ張る力」と「衝撃」の2つの要因で部品が抜けやすくなり、抜けにくい状態でも「ねじの締付」と「ハンマーで叩く」を交互に繰り返すことで部品が抜けてきます。
この方法はプーラーメーカーも推奨しているスタンダードな方法です。
工夫2 潤滑油を塗布する
軸と部品にスプレー式の潤滑剤を塗布する方法もスタンダードです。入手し易く安価な潤滑剤の代表と言えば「KURE 5-56」があります。
CRC
工夫3 ホットガン(ヒートガン)暖める
この方法は熱膨張を利用してはめ合いを緩くする方法です。
ホットガン(ヒートガン)で暖める部分は部品です、間違っても軸を暖めないようにしてください。
部品を暖める方法としてバーナーを使用する方法もありますが「温度調整」が難しく「火災」の危険性があるので、バーナーを使用する場合は注意が必要です。
工夫4 部品に切れ込みを入れる
ここまでで説明した方法を試しても部品が抜けない場合の最終手段として、部品に「切れ込み」を入れてはめ合いを緩くする方法があります。
切れ込みが軸まで到達すると軸が使用できなくなるので軸手前の寸止めで切り込みを入れます。
この方法はグラインダーの砥石などで部品に切れ込みを入れますので「部品の再使用不可」「火気使用」の問題があるので注意して作業を行いましょう。
ギヤやベアリングが抜けないときのやり方のポイントまとめ
それでは、ギヤやベアリングが抜けないときのやり方ついて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- プーラーのねじ(中心)をハンマーで叩く
- 潤滑油を塗布する
- ホットガン(ヒートガン)暖める
- 部品に切れ込みを入れる
以上4つのポイントです。
まとめ
今回はプーラーについての解説しました。部品交換には必需品ですので使い方や種類について把握しておきましょう。また今回はスーパーツールのプーラーを中心に紹介しましたが各メーカーから様々なプーラーがリリースされていますので状況に応じたタイプを探してみてください。
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以上です。