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【仕事と思考】

機械装置の立上げで組立がやるべきこと【組立の仕事】

2020年1月12日

 

今回は「機械装置の立上げで組立がやるべきこと」についての記事です。

私は10年以上機械装置の組立を行っているのですが、実は私の場合「組立はねじを締めたら終わり」と言うわけではなく、機械装置の立上げも責任者として行っています。

そこで今回の記事では、組立側の人が機械装置の立上げでやるべきことを簡単にまとめておこうと思います。

 

機械装置の立上げで組立がやるべきこと

立上げ

立上げとは機械装置に動力を供給して稼働させることです。

 

例えばこんな立上げがあります

  • 機械/装置が完成した時
  • 移設した後
  • 据付した後

 

このような状況でおこなう作業が立上げです。そして立上げ作業は、今まで稼働していなかった状態から動力投入で稼働させるプロセスを指します。

*動力とは、電力、空気圧、油圧のことです。

 

立上げでやるべき事

立上げと言っても、特に機械装置が完成した時の作業が一番重要となります。命を吹き込むわけですから調整や確認すべきことが多く、問題や不具合も発生するからです。

全ての状況に適合する訳ではありませんが、組立がすべき立上げでの作業は「電気関係の確認調整作業」と「メカ関係の確認調整作業」に分けられます。

 

電気関係の確認調整作業

組立がやるべき電気関係の確認/調整作業はコレです

  • I/Oチェック(信号のinput/outputの確認)
  • セーフティ回路の確認(安全扉/非常停止/エリアセンサなど)
  • センサ調整(光軸/位置/感度/閾値など)
  • モーター(速度/回転方向/停止位置など)
  • ユニットの位置(サーボ/モーターの位置、速度、タイミングなど)
  • OTセンサ(反応位置と正常に停止するかの確認)
  • ソフトのデバック(試運転しながらバグだしをおこなう作業)

 

このような項目のほとんどがソフト屋の範疇になりますが、決して電気任せで進めるのではなく、組立が協力し、時には主導権を握り、作業を進めなければなりません。

 

 

メカ関係の確認調整作業

組立がやるべきメカ関係の確認/調整作業はコレです

  • ねじの増し締めマーキング(締め忘れ防止)
  • エア、油圧の供給/レギュレータ調整(圧力など)
  • シリンダ/アクチュエータの速度調整(スピコン)
  • シリンダセンサの位置調整(オートスイッチ/近接など)
  • ワークを使ってユニットの位置調整(図面通りの位置関係であるか)
  • メカストッパーの位置調整(OT用のメカストッパや可動部の位置決めストッパー)
  • 動的精度の調整確認(実際に動作させながらメカ調整と記録をおこなう)
  • 位置決め(精度調整完了後のマーキング/位置決め部品/テーパーピン施工)
  • 加工/生産されるワークの精度が規格に入っているのか検証

 

この作業は組立がしっかり責任をもって行う必要があります。

 

 

問題点は全て集計する

立上げ作業でやるべき事を実行していくと様々な問題に直面します。

 

例えばこんなこと、、

  • 設計変更が必要な不具合
  • クラッシュによる破損
  • 組立段階で調整すべき所が調整出来ていない

 

このような問題はないことに越したことはないですが、人間が設計、製作、組立を行っている以上完全に防ぐことはできないでしょう。

 

問題が起きたらどうすればよいか?

  • 組立側が問題を集計しリスト化する

 

問題が多くなるほど現場は混乱しますし、会社側や客先への説明も疎かになり、将来同じミスを繰り返すことになるかもしれません。そうならないために、発生した問題は集計してリスト化することをお勧めします。なにが起きたのか?どう対処したのか?まとめるのも組立の仕事なのです。

 

 

機械装置の立上げで組立がやるべきことのポイントまとめ

それでは、機械装置の立上げで組立がやるべきことについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 立上げとは機械装置に動力を供給して稼働させること
  • 組立がすべき立上げでの作業は「電気関係の確認調整作業」と「メカ関係の確認調整作業」がある
  • 問題が起きたら組立側が問題を集計しリスト化する

 

以上3つのポイントが大切です。

 

組立がすべき作業を大まかにまとめてみましたが、最終的にこの機械/装置が仕様を満たしているかは試運転をおこなって判断します。試運転の結果が客先の仕様を満たしているか?です。手を抜かずに意識を高く持って作業に当たりましょう。

この記事は随時編集していきます。

 

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以上です。

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