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【前向き思考/悩み/メンタル】

とある組立工の8つのエピソード【私が職場で成長したキッカケ】

2020年4月26日

 

今回は「とある組立工の8つのエピソード」の記事です。

人はどのような経験やエピソードによって成長するのか?

誰しもが自分だけの体験があると思いますが、その中でも若かりし頃の体験ほど大きな影響を与えることはないと思います。

そこで今回は、私が機械装置業界に飛び込んで今日に至るまでどのようなエピソードを経験してきたのか?を紹介しようと思います。

 

私と組立

私は未経験で機械装置業界に飛び込みました。学校は普通科でしたし機械や装置なんて見たことがありませんでした。

そんな私が現在に至るまでには様々なきっかけがあり、そしてその度に変化してきました。

他人から見たら大した変化ではないと思われるかもしれませんが、私にとっては貴重な経験で感謝しかありません。

 

そこで今回は私がどのような「きっかけ」によって成長してきたのか?エピソード形式で紹介しようと思います。

 

エピソード

Episode1

「やりたいんか?だったらやりゃええじゃん」

入社1年目、上司に現場で言われた言葉です。

 

未経験で入社した私に与えられる仕事は自分の希望している仕事ばかりではありません。

ある日いつものように保全作業で客先工場に入っていたら、丁度同じ工場で「弊社が他社装置の改造を行う」と耳に入りました。

 

「いいな、、、やってみたい、、、メカ触ってみたい、、、」そう思いました。

 

そのことを一か八かで上司にそれとなく言ってみたのです。

上司「おまえメカやりたいんか?」

私「はい!」

上司「だったらやりゃええじゃん。保全作業はいいから今すぐこっちに来い」

 

嬉しかったですね。やりたい事をやらせてもらえるなんて。

今思えば自分の保全作業があるのにこんな事言って、しかも私が抜けたら同僚/先輩の負担が大きくなるし、わがままで迷惑な奴ですよね。

でも本当に嬉しかったですし、「やりたい事をやらせてもらえるんだ」と希望を持ちましたね。

 

光に手を差し伸べる

 

実はこの上司の方はこの半年後に亡くなってしまいました。

その日私も同じ場所にいたのですが別行動で、気づいた時には病院に搬送されている状態でした。

最期は意識が無い状態が1週間以上続き、私はいてもたっても居られなくなりました。

他の社員の方はお見舞いが迷惑になるとの思いで敬遠されていましたが、私は一人で会いに行きました。

 

手を握り心の中で感謝の気持ちを伝えました、、、帰りの車の中で涙が溢れた事が忘れられません。

 

もしかしたら今、私の根底にある「挑戦」と言うテーマはこの時芽生えたのかもしれませんね。

やりたかったら「やりゃええじゃん」

良い言葉です。

 

Episode2

「俺が組立てれば10年もつが、お前が組立てたモノは1年しかもたない」

入社1年目、組立管理者に言われた言葉です。

 

ガラスが割れる

 

当時の私は、現場で保全作業や配管ダクト移設などをしていました。

ある時、自社の装置組立を手伝いに行きました。当然ですが組立に関して何の技術もノウハウもありません。右も左もわからない状態で、とりあえず設計者の方に指示をされながら作業を進めていました。

 

すると突然、組立の管理者の方に「俺が組立てれば10年もつが、お前が組立てたモノは1年しかもたない」と言われたのです。

私の行動に気に障る事が有ったのか真意はわかりませんが、この言葉、、、心底腹が立ったんです。

 

「はぁ?ふざけんなよ。なんやあのおっさん」(心の声)

 

周囲の方には「あんなの気にするな」と言われ少しは救われましたが、この言葉がその後の組立をする時に常に頭の片隅にあり、忘れることはありませんでした。

そして、組立作業をする時にはこの言葉の怒りのエネルギーを「絶対に俺があの人の上をいく」とぶつけていました。

この出来事は向上心の大きな原動力になったに違いありません。

 

私はこの組立管理者の方の事を当時は嫌いな人でしたが、ある時から「ちょっと嫌な人だけど良い経験したし、成長できて良かった」と思えるようになり感謝しています。

ただ少しだけ反省すべきは、私の反発心が強すぎて、組立管理者のこの方に一切技術を学ばなかった事です。口を利きたくなかったので、独学で組立理論を構築し現在に至ります。その点は「損しているかな」と思っています。

 

Episode3

「機械屋だったら数値で示してください」

入社2年目、お客様に言われた言葉です。

 

ノギスでサンドイッチを測定

 

この時の私はまだ現場メインで仕事をしていました。ただ現場での装置改造を経験したり、組立の手伝いをしているうちに「機械装置の組立できるようになってきた!」と勘違いし始めていた時期でした。

ある時、私が現場でお世話になっているお客様が簡単な装置を発注して頂いたのを知り、上司に「私に組立をやらせてください」と志願し組立をやらせてもらえることになりました。

 

お客様に「認めてもらいたい」そんな気持ちが強かったので、自分なりに頑張って組み立てました。

組立の進捗報告でお客様にメールをすると「精度はどうですか?」と聞かれたので、「こんな感じです」と報告

 

その返答が「機械屋だったら数値で示してください」の一言でした。

 

ショックでした。お世話になっている方でしたし、親しくして頂いていたので、、、。

 

なぜこのような事を言われたのか?

それは私が「明確な数値」で装置の精度を示すことが出来ず「何に対してどうなのか?」も全く不明確だったからです。

 

そりゃそうなるわけなんです。だって精度の意味も、精度の測定方法も測定器も使いこなせないし、何の組立理論もないのですから。

ちょっと図面が読めて組立が出来るからと言って勘違いしていたし、装置のイロハなんで何もわかっていなかったんですよね。

 

この言葉のおかげで、「精度とは何なのか?」と常に考えるようになり、その後の自身の組立理論構築に大きな影響を与えました。

 

Episode4

「お前は何もわかってない!生産中に装置がとまったらどうなるのか」

入社2年目、客先の装置の保全作業でメンテナンスを行っている時に上司に言われた言葉です。

 

指摘する

 

仕事にも慣れ初め、保全作業は同じ事の繰り返しですから調子に乗っていたと思います。

とある装置をいつものようにメンテナンス(部品交換)をおこなっていた所、上司が様子を見に来たました。

 

上司「ここと、ここが重要だから確認して。この部分は大丈夫か?確認したのか?」

私「いやいや大丈夫ですよ!!」(軽い返事)

 

上司「お前は何もわかってない!生産中に装置がとまったらどうなるのか!!」

 

いや、本当にその通りなんですよね。24時間生産し続ける装置が突然故障したら?メンテナンスしたのに壊れたら?

生産できなくなるし、業者の責任問題にもなるし、全ての信用は失います。

 

でもその時の私はそれが分かっていなかった。たとえ単純な作業や嫌な作業であっても、請けた以上はプライド持って最高の仕事をしなければいけない。それがプロ。

 

それを芽生えさせてくれた言葉でした。

 

Episode5

「俺が責任を取ればいいだけ。だからお前は思い切りやれ!」

これは入社3年目、現場チームに在籍していた時に上司に言われた言葉です。

 

握りこぶし

 

日本から海外への移設工事を受注した時の事。この工事は日本2か月、海外2か月の大きな案件でした。

私は「この大きな仕事を任られてみたい」との思いと「根拠のない自信」もあり、工事の現場監督に志願しました。

 

なんとか上司にアピールして現場監督をやらせてもらえる事になり、その時に「俺が責任を取ればいいだけ。だからお前は思い切りやれ!」と言われたのです。

 

なかなか言える事ではないですよね。

この言葉で奮い立ったのを覚えています。失敗や上手くいかない事などは一切考えず、兎に角やるべき事に集中してやらせて頂けました。

 

この経験は今でも心に残っています。入社3年目にトータル4か月の工事ですし、海外の2か月は私一人で多国籍の方々と据付しましたから、忘れられない良い経験と自信につながりました。

 

Episode6

「私たちはこのやり方で作業してます。当たり前でしょ?」

入社5年目、同業者の装置メーカーさんに言われた言葉です。

 

てこ式ダイヤルゲージ

 

他メーカーの装置をメンテナンスするにあたり、レクチャーを受けながら0.001のてこ式ダイヤルゲージで測定していた時の事。

 

てこ式ダイヤルゲージは角度が自在なのですが、その反面使い方によっては誤差が生じ易い。

そのことを分かっていなかった私は特に気にせず測定をしていました。

 

「私たちはこのやり方で作業してます。当たり前でしょ?」

 

てこ式ダイヤルゲージの角度について指摘されたのです。

顔が真っ赤になりましたね。「しったか」で出来ているつもりで作業していたのですから、ずばりの指摘でしたし、同業者からの指摘と相まって恥ずかしさの極みでした。

 

私は普段0.01のダイヤルゲージを使用していて、それ程誤差は気にならないのですが、0.001単位となると測定結果に大きな影響を与えるんですよね。

改めて勉強になりましたし、同業者さんの拘りと技術とプライドを垣間見た出来事でした。

しかしそれと同時に「負けたくない」との気持ちが芽生えたことを覚えています。

 

episode7

「御社でここまでの結果を提示してくれたのは君が初めてだ」

入社6年目、お客様に言われた言葉です。

 

空に向かって

 

現場で装置の改造をおこなっていました。芯出し、レベル出しをしっかり行いつつ作業を進めていたのですが、、、、。

 

お客様「また芯が合ってないんじゃないか?ユニットが曲がってるだろ?」

 

なぜこのような事を言われたのか?それは以前に他の作業者が同じような改造をした時に、芯出し作業が未熟で完成したら「機内のユニットの芯が合っていない」と言う事がありました。

お客様はこの件で「どうせ、またダメだろ?」と思われていたのです。

 

このままでは信用して頂けない、、、そう思い私はありとあらゆる位置関係の測定をし、その場で測定表を製作しお客様に説明する事にしたのです。

 

そして「御社でここまでの結果を提示してくれたのは君が初めてだ」と言われたのです。

 

納得してもらえただけでなく、「認めてもらえた」と思ったんですよね。

「自分のやり方を認めてもらえた」「自分のやり方は間違っていない」と、自信に繋がった出来事でした。

 

Episode8

「定盤にモノを置きっぱなしにするな。定盤の大切さがわからないのか?」

入社10年目、同業者の装置メーカーさんに言われた言葉です。

 

ハイトゲージで測定

 

同業者さんの会社に出向いて、装置の組立てサポートを行っていた時のこと。

 

ある程度ユニットで組立を行い、精度測定をする為に石定盤を借りて測定していました。

丁度その時に、休憩のチャイムが鳴ったので定盤にユニットを乗せたまま休憩しに行ったのですが、、、。

 

休憩から戻ってきた時に、測定エリアの管理者の方に「定盤にモノを置きっぱなしにするな。定盤の大切さがわからないのか?」と言われたのです。

 

私も普段から石定盤は使用していますが、そこまで気を使ったことはありませんでした。

確かに定盤は物凄く大切です。平面の基準ですから、もしこの平面に問題が起きたら測定結果なんで信用できないし間違ったモノを作ってしまいます。

よそ者の私が、人の所の定盤をいい加減に扱っている、、、そう受け取られてしまったんだと思います。

 

逆の立場だったら私もそう思ったかもしれませんね。

 

定盤に限らず、測定器の取扱いには今まで以上に注意し、こだわりを持って接して扱わないといけない、、、そう思わせて頂いた出来事でした。

 

まとめ

人が生きていく中で自分に影響を与える「言葉」

それは誰にでもある事だし、良いことや悪いこと、嬉しかったことや嫌だったこと、色々あるでしょう。

その出来事を受け流して生きていくのか?それともそれをバネにしたり、成長のヒントとして受け取るのか?どちらでしょうか。

 

私は「誰かに言われた言葉」は重要な意味を持っていると思うのです。

それは、自分に求められている事や足りない事を自分自身で把握する事は中々出来ないので、誰かに言われた言葉は簡単に言ったら「答えを教えてくれている」と思うのです。

自分がやるべき事を「答え」から見出し、そのための実行ができれば成長の近道です。

とは言いつつも、そんな簡単に出来ることではありませんが、、、それでも自身の成長の糧にしていきたいですね。

 

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以上です。

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