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【仕事と思考】

機械や装置のトラブル解決は変化点を探すこと【異常の現場対応】

2020年1月3日

 

今回は「機械や装置のトラブル解決は変化点を探すこと」についての記事です。

機械や装置は「どんな人でもボタン一つで運転できる」を目指して作られているので、異常が発生したときに「誰にでも分かりやすく解決が簡単」であるべきです。

しかし現実の機械装置は、自動運転が出来ない、機械装置が動かない、、、生産できない、、、どうしよう、、、このような状況が起きてしまいがちです。私も幾度となくこのような事態に遭遇し、異常の解決に頭を悩ましてきました。

 

機械や装置の異常は起きる

通常、PLCで制御されている機械装置は、なにかの問題が起きて動けない状態になると自動運転でも手動動作でも「異常」の発砲がでます。

このとき重要なのは「異常の中身/内容」です。

タッチパネル(以下TP)は「異常の名称」を表示させることが出来ますから、作業者はこの異常の名称で何が起きているかを判断し異常を解決することになります。

ところが、実際の現場では異常を解決することができない場合があります。

 

タッチパネルのスイッチ

 

異常を解決できない理由は下記の5点です。

  • 異常の名称が漠然としていて何のことか分からない
  • 異常の名称が表示されない(コメントが入っていない)
  • そもそも異常が出ない。だけど運転できない。
  • 機内が複雑すぎて、どの部分のことを指しているのかが分からない(ユニットと名称)
  • 何が起きているかは理解できたが、どうやって対処して良いか分からない(作業者の教育不足も関係する)

 

現場経験がある人なら「あるある」なのではないでしょうか?

異常の名称が表示されない場合はソフト屋さんにPLCの中身を確認してもらうしかありませんが、実は「異常の名称」や「どこの部分に異常があるのか」が分かっても解決できないことがあります。

 

「異常の名称」や「どこの部分に異常があるのか」が分かっても解決できない理由

  • 解決に必要な原因が特定できない
  • 異常を解決するヒントがつかめない

 

このような理由によって解決できないのです。

 

トラブル解決は変化点を探すこと

どうしても異常を解決できないときや、解決に手間取ってしまうときには、視点を変えると良いです。

 

視点を変えたトラブル解決方法

  • 変化点を探す

 

この方法が解決の鉄則だと考えています。

 

考える

 

ポイントは2つです

  • いつ動かなくなったのか?
  • 動かなくなる前に何をしたのか?

 

この点を重点的に調査することで、異常の原因を特定し解決することができます。

経年劣化で突然何かが壊れる場合は当てはまりませんが、大概の場合は「何かの予兆があった」や「何かをした後」に動かなくなること多いのです。

 

PLCトラブルも変化点がポイントです

変化点を探してトラブル解決する方法はソフト(PLC)に関することでも共通しています。

例えば、ソフト変更をしたときに変更していないラダー部分の動作で異常が出ることがあります。変更していない部分だから関係ないのではなく、それはソフト屋さんの思い込みで実は関連性があって異常が発生していることがあります。

つまり私が言いたいことは、どのような異常が起きても、解決に行き詰っても、目先の異常だけにとらわれず「変化点」に重点を置き「何をしたのか」と異常との関連性をしっかりと考えて欲しいのです。

 

トラブル解決の事例

それでは、私が経験したトラブル解決の事例について「変化点を探す」に注目して紹介しようと思います。

 

case1 移設

  • 状況・・・ワークが次工程(別の装置)に払い出されずにダマ停となった
  • 変化点・・・問題発生の直前に装置の移設をおこなった
  • 条件・・・移設前は正常に稼働していた

 

この場合は、移設前は正常でしたので移設作業で何をしたか?がポイントになります。

  • 何をしたのか・・・装置間の切離しをした。機内のバラシ作業はおこなっていない
  • 関連性は・・・発生した問題と何をしたかを考えると、装置間に何かありそうです

 

答え

  • 装置間のインターロック線(IL)の繋ぎ忘れ(装置はダマ停していた訳ではなかった)

 

物凄く簡単でしたが、このようなことに皆が気が付かなくなってしまうのが現場です。

 

case2 保全作業

  • 状況・・・ワークが機内の途中工程で止まり「コンベア搬送異常」がでた。
  • 変化点・・・直前に機内の部品交換をおこなった
  • 条件・・・交換前は正常に稼働していた

 

この場合は、交換部品とコンベアの関連性がポイントです。

  • 何をしたのか・・・移載ユニットのシリンダ交換をおこなった
  • 関連性は・・・移載ユニットはコンベアの真上にあり、そこ作業者が入りシリンダ交換した。

 

答え

  • コンベアのワーク検知センサのブラケットが曲がっていて、ワークを検出出来ていなかった。作業者が移載ユニットのシリンダ交換の時にコンベアのセンサを踏んでしまっていた。

 

作業者の不注意で起きた事例です。直接何かをした部分ではない所での異常なので混乱してしまいますが、一見関係なさそうでも変化点がある場合は関連性を掘り下げて考えると良いです。

 

トラブル解決のポイントまとめ

それでは、トラブル解決について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 「異常の名称」や「どこの部分に異常があるか」がわかっても解決できないことがある
  • トラブル解決の鉄則は「変化点を探す」こと

 

以上2つのポイントが大切です。

 

 

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以上です。

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