今回は「定盤は滑らなければ意味がない/石定盤のメンテナンスの方法」についての記事です。
機械装置の部品の精度測定や、組立作業を行っている人にとっては欠かせないモノに定盤があります。
定盤は正しく管理されていないと、精度の狂いや使用するときに使いずらかったりするので、日ごろのメンテナンスが欠かせません。
そこで今回は、私が考える定盤のあり方から、メンテナンスの方法までをまとめておこうと思います。
定盤は滑らなければ意味がない
定盤とは、平面精度が良く平面の基準となるモノです。
定盤は組立や測定、ケガキ作業で使用されますが特に測定やケガキ作業においては道具が滑らないと上手く作業が出来ません。
このことから私は「定盤は滑らなければ意味がない」と思っています。
石定盤
滑らないとどうなるのか?
ではなぜ定盤は滑らなければ上手く作業が出来ないのでしょうか?
その理由を考えると主に下記の3点が該当します。
滑らないとこんなことが起きる
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ケガキがブレた線になる
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ダイヤルゲージの針が振れる
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測定工具をスライドさせたら倒れてしまった(ハイトゲージなどの背の高い測定器)
心当たりがある方もいるのではないでしょうか?このような事が起きたら定盤の状態が悪くなっているサインです。
なぜ滑らないのか?
なぜ定盤が滑らないのか?その原因は単純です。
定盤の表面に何かしらの問題があると言う事です。
その問題とは下記2点です。
滑らない原因
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面が傷、打痕などで荒れている
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チリ、ホコリ、油分が付着している
結論
つまり、滑らない定盤は平面の状態が悪い状態ですので精度が落ちていると考えて間違いありません。
では、どうすれば良いのか?
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石定盤・・・清掃とワックス
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鋳物定盤・・・錆防止の油を塗布。傷や打痕が目立つときには砥石で修正
上記の方法を実施することが必要であると思います。
石定盤のメンテナンス
前述でなぜ定盤の滑らないとダメなのか?またその理由について解説しましたが、ここからは石定盤を例としてメンテナンスの方法を紹介したいと思います。
今回紹介するメンテナンス方法は、私が普段使用している市販品のクリーナー「新潟精機の石定盤用クリーナー」を使ってメンテナンスするやり方です。
クリーナー
新潟精機株式会社 「石定盤用水性クリーナー」です
方法
手順は以下の通りです。
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エアーブローや乾いたウエスでチリ、ホコリを除去する
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水性クリーナーを吹き付けて乾いたウエスでムラが出来ないように拭き上げる
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ウエスで水拭きをする(ウエスは固く絞り、クリーナーをムラなく拭き取る)
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乾いたウエスで軽く乾拭きする
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乾燥させる。拭き残しやムラがある場合は水拭きからやり直す。
このような方法で施工後するのですが、メンテナンス後の表面は「ツルツル」「すべすべ」の面に仕上がります。
ただ、このままでは状態の維持は難しく周囲の雰囲気にもよりますがチリ、ホコリ、油分の付着は起こってしまいます。
そこで、少しでも状態が維持できるように定盤にカバーを掛けておく方法があります。「頻繁に使用しない」「なかなか清掃する時間がない」のであればカバーを掛ける事をお勧めします。私の場合は定盤のサイズが大きいので段プレートでカバーを製作して被ています。
*新潟精機さんからは「石定盤用のワックス」も販売されています。
使い方はこちらのブログで紹介されています ⇒ 【石定盤のツルツルを維持するためには「定盤ワックス」】
別の方法をミツトヨに聞いてみた
私の場合は市販のクリーナーでメンテナンスしたのですが、他の方法がないものか?ミツトヨさんに石定盤のメンテナンス方法について問い合わせてみました。
ミツトヨ回答
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中性洗剤での清掃
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揮発性が高く、石に浸み込まない洗浄するモノ(アルコールなど)
このような回答で「指定のクリーナーを使用するとか、やり方に決まりがあるわけでは無い」との事でした。極端例ですと「シンナーを使用する事もNGではない」と言うことです。
定盤は神経質にメンテナンスしなければいけないと思っていたのに、この回答は驚きでした。
まとめ
ミツトヨの回答では指定は無いと言うことなので、私は今まで通りのやり方でメンテナンスしていこうと思います。
*このクリーナーは本当にツルツル、すべすべになるんです。おすすめです。
関連記事:【測定器/工具 /電動工具】
以上です。