組立ての技術 トラブル事例 軸受

ナットの緩みと対策/ボールねじのサポートユニット

サポートユニットとは

ケース内にベアリングが組み込まれた軸受ユニットです。ボールねじにおけるサポートユニットにはアンギュラベアリングが2個組み込まれておりラジアル荷重とアキシアル荷重を負荷できます。

 

今回の問題点

ボールねじのサポートユニットのナットがゆるむ

 

ナットの緩みの事例

取付イメージ

取付けイメージ

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ゆるみのイメージ

設備点検時にサポートユニットの固定側のナットが緩んでいる事がある。ナットのホーローセットは利いているのでナットの脱落まではしていない。

 

ゆるみのイメージ

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その場の対応

ナットの増し締めとホーローセットに低強度のゆるみ止め塗布と締付けを行った。ただ、プーリーはバラせなかったためプーリーとナットのすき間が狭く入る工具に制限がありました。今回は薄口モンキーをさらにグラインダーで削り修正したものを使用しました。

 

対応

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なぜ起きたか

  • ナットの締付け不足
  • ボールねじの回転時の負荷が大きい
  • 装置の特性上、振動が発生している事が影響している

以上の事が考えられましたが原因の特定はできませんでした。

 

ナットの緩み対策の検討

ナットの締付け

ナットの締付けはねじサイズから算出して規定トルクで締付けます。この時に、ボールねじに2面カットのような締付に対してねじが回転しない為の工具で固定できる加工が必要です。

2面カットのような加工がされていないボールねじは良く見受けられますが、そのような場合にはねじを固定する為にねじを直接道具で固定するしかありません。ですが、ねじが滑ってしまう(固定できない)場合がありナットの締付け作業の障害となります。

また、ナットの締付けについて締付け過ぎると「ベアリングに負荷がかかって良くない」と考える方もいます。

下記のイメージ図をご覧になればわかりますが、ベアリングのコロに負荷がかかる事はありません。効くのはインナーレースですのでナットは規定トルクで締付けて問題ありません。

 

ナットの締付け

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ナットの緩み止め

ナットには緩み止めのホーローセットが付いていますが、このホーローセットには必ず低強度のゆるみ止め剤を塗布しなければいけません。これはTHKの取説に記載があります。

 

ナットのゆるみ

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ですが今回の事例ですと、それでは不十分ではないか考えました。

  • ボールねじの回転時の負荷が大きい
  • 装置の特性上、振動が発生している事が影響している

この懸念が解決していなかったためです。

 

より完璧な対策(回転の負荷と振動)

例えば、ナットのゆるみ対策にはこのようなものがあります。

  • Uナット・・・バネがねじ山の摩擦力を向上させる
  • ハードロックナット・・・ナットを2個使用しクサビ効果を発生させる
  • 精密ロックナット・・・ベアリング固定用の精度が必要な軸に対して有効で、ホーローセットの数も多い。工作機械の主軸など

 

私の経験では全て実績があります。今回の場合ですが、スペースの問題と装置の用途を考え精密ロックナットの選択をしました。

引用・抜粋 日機株式会社 精密ナット

 

対策のまとめ

対策は下記の3項目

  • ナットの規定トルクでの締付け(ボールねじは2面カット)
  • 精密ナットの使用
  • ホーローセットには低強度のゆるみ止め剤

この対策を実施し以後問題は発生していませんが、原因の特定ができていない状況でしたので対策のやり方に少し疑問が残りました。

ただ、組付けに関してはナットの締付けとホーローセットのゆるみ止め剤の塗布は確実に行わなければいけないと再確認した事例でした。

*嫌気性接着剤についてはこちらの記事で解説しています ⇒ 「嫌気性接着剤の使分け/ねじロック/ロックタイト」

 

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以上です。

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