組立ての技術 トラブル事例 軸受

サポートユニット/ボールねじ 損傷事例と組立方法

サポートユニットとは

サポートユニットとはケース内にベアリングが組み込まれた軸受ユニットです。ボールねじにおけるサポートユニットにはアンギュラベアリングが2個組み込まれておりラジアル荷重とアキシアル荷重を負荷できます。

 

損傷事例

使用状況と不具合

新品のボールねじとサポートユニットを組付けたが、稼働2週間でサポートユニットに異音が発生した。音は「キンキン・・・キュンキュン・・・」と言う甲高い金属の摩擦音。

 

 

損傷状況

サポートユニットのアンギュラベアリングが回転しておらず、ベアリングとボールねじの軸がスリップしていた。

 

軸の損傷

ベアリングのインナーレースと軸がスリップして損傷している

 

 

 

ベアリングの状態

コロとレースの接触面に損傷は見られない。インナーレースには軸とスリップした状況がうかがえる。ベアリングは回転していなかったと思われる。

 

 

原因

部品をバラしてみると下記の問題を確認しました。

 

サポートユニットのズレ

固定側のサポートユニットを緩めると、サポートユニットの取付面が0.3mm斜めに浮き上がった。

 

 

結果

この結果を考えると、原因は組付け不良の芯ずれによってベアリングに負荷能力以上の力がかかった状態で運転し続けた事で回転不良になったと思われる。

 

組付不良の原因と対策

サポートユニットの芯ずれ 原因

組立作業の方法はどのようなものであったか?

  1. ボールねじを往復させてサポートユニットとナットの部分でシムなどを使い高さ調整をする
  2. ボールねじを往復させてサポートユニットとナットの固定ボルトを緩め/締付けを繰り返しストレスを抜く
  3. 上記2点を行い、ボールねじを回転させた時の抵抗に問題が無ければ完了

このような方法で間違ってはいません。足りないとすれば、”測定器を使用していなかった”事です。つまり、作業者の感覚の裏付けが無かったのです。

 

サポートユニットの芯ずれ 対策

ダイヤルゲージを使用し作業者の感覚と数値管理で確実性を増す事です。下記2点の作業を追加します。

  • ねじを締め付けた時の変化量の測定
  • ボールねじを回転させたときの振れ量の測定

 

組立方法

サポートユニットの芯ずれの対策を踏まえて組立方法を紹介します。

  1. ボールねじに固定側のサポートユニットを組付け、ナットを増し締めする
  2. ボールねじ、サポートユニット、ナットの取付部品を仮締めで組付ける
  3. ボールねじを回転させてナットを往復させる(往復させながら下記の4番を実施する)
  4. サポートユニットとナットの固定ねじを緩めすき間(高さ方向)を確認し、すき間0mmを目指して調整する(ボールねじやサポートユニットに追加工して調整する事はNGです)。左右方向も同時に確認します。
  5. 4番の作業を繰り返し行い、回転がスムーズになるようにする。(ねじは仮締めのままです)
  6. サポートユニットを増し締めする。ダイヤルゲージで軸の上下方向と左右方向を測定しながら行う。
  7. 最終確認として、ボールねじを回転させながら、軸の振れと軸方向の遊びを測定し完了とする。

 

高さ調整箇所

 

締付け時の測定

 

最終確認 回転させて測定

 

まとめ

ボーネジの組付け方法についてはTHKのカタログにも記載があります。結果的には、THKのカタログに記載されているやり方とほとんど同じやり方になっております。

今までは測定せずに作業者の感覚で組付けることが常態化しており、それが当たり前だと思っていました。初めから、メーカーの指示通りの作業を行っていればこのような事態は避けられたと思います。感覚の裏付けとして測定する事を習慣化し、今まで良しとしていた事も再度考え直すいい機会でした。

 

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補足動画

下記はNSKのボールねじ組付け動画です。今回説明した以上に細かく測定しながら組み付けています。是非参考にしてくだい。

 

 

以上です

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