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【測定器/工具 /電動工具】

レーザー墨出し器とは【メーカーによる精度差と種類】

2019年7月20日

レーザー墨出し器とは

レーザー墨出し器は、水平と直角(鉛直)の光を照射する測定補助器で、光は赤と緑の2種類があります。例えば、機械や建築作業、配管作業の位置出しに使用されることが多い機器です。

 

出典:TAJIMA レーザー墨出し器 カタログ

レーザー墨出し器のカタログ

 

 

レーザー墨出し器はオートレベル、トランシット、水準器と比べると精度は落ちますが、それらの測定器にないメリットがあります。

 

レーザー墨出し器のメリット

  • 一人で作業ができる
  • 設置が簡単で素早くできる
  • 一度に広範囲に光を照射できる

 

現場作業で、素早くそこそこの精度で精度が出せるのが最大のメリットです。

精度

レーザー墨出し器の精度は、メーカーによって様々です。

各機種のカタログ(仕様)に記載されている「水平/縦ライン」と「直角精度」で判断できるので、どの機種を買えばいいのか迷っているときには参考にするといいです。

最近はネットショッピングのレビューも充実しているので、実際に使用している人の感想も参考になります。

 

例えば、こんな感じの精度です

  A社 B社 C社 D社
水平、縦ライン ±1.0mm/10m ±0.81mm/10m ±0.61mm/10m ±1.0mm/10m
直角精度  90°±0.012° 90°±(2mm/7.5m) 90°±(2mm/10m) 90°±0.01

 

取扱いの注意

レーザー墨出し器は電子機器なので、衝撃や落下などによって精度が低下したり、光が出なくなってしまうことがあります。レーザー光の自動補正機構にはジンバルタイプと電子整準タイプの2種類ありますが、特にジンバルタイプは衝撃に弱いので注意しましょう。

通常使用でも、念のために1年~2年おきの定期的な校正がおすすめです。

 

レーザー墨出し器の種類

レーザー墨出し器には構造の種類として、「ジンバルタイプ」と「電子整準タイプ」があるので紹介します。

 

ジンバルタイプ

ジンバルタイプは振り子の原理でレザー照射ユニットが鉛直になり、マグネットやバネ、防振クッションなどで揺れを抑えて安定させる構造です。

 

取り扱いの注意はコレ

  • 電源ONしたまま持ち運びや移動させない

 

電源ONのまま振動や衝撃を与えると精度が狂ったり故障の原因になります。内部のレーザー照射ユニットが大きく揺れてシンバル(振り子)の損傷やネジの緩みが起き、精度悪化や故障となるのです。

ですから、本体を移動させたり、持運ぶ時には必ず電源OFF(シンバルをロック)しましょう。

 

ジンバルタイプ

ジンバルタイプのレーザー

 

ジンバルタイプの水平調整を紹介しておきます

  • 本体の水平を調整する・・・本体の水平器の気泡が中心位置となるように調整します。調整は本体の水平調整脚を回転させ、本体の傾きを変化させます。
  • 水平の確認と微調整をする・・・本体を回転させ、水平器に狂いが起きないか確認します。
  • 水平器の気泡が本体の回転に関係なく中心位置となれば設置完了です。

 

電子整準タイプ

電子整準タイプは、センサが水平状態を検知してモーターで自動的に水平に調整してくれます。

レーザー照射ユニットをモーターが保持しているので、振動や衝撃で内部が大きく揺れる事が無く損傷に強いです。そのため、ジンバルタイプと違い電源ONのまま持ち運びしても問題ないようです

注意点としては、すべてが電子制御なのでレーザー照射ユニットが振り子のジンバルタイプよりも故障が起きやすく、精度が出ているのか?不安になることがあります。

 

電子整準タイプの特殊機能

モーターでレザー照射ユニットの角度を固定することが出来るので、通常は水平の光を照射するが、斜めの光を照射することが出来る。

例えばコンベアに傾斜をつけたい時にコンベアの傾斜と平行の光を照射すれば作業性が良いです。

 

電子整準タイプ

電子整準タイプのレーザー

 

レーザー墨出し器を上手に使うために

三脚の併用で高さ自在

レーザー墨出し器は、高さが必要な場合に三脚と組み合わせて使用できます。

三脚の高さには種類があり、高さの守備範囲が違うタイプを2種類用意しておくと良いです。

 

注意点はこちら

  • 水平の調整は三脚の脚の長さを調整して合わせる
  • 三脚は剛性が不足気味なので、脚のロックをすること

 

三脚を使う場合は、三脚の安定をしっかりとさせて、三脚の脚の長さ調整でレーザー墨出し器の水平を合わせます。

 

三脚

三脚 小

小さい三脚

三脚 大

背の高い三脚

 

レシーバーの併用がおすすめ

光を目標となる位置に設定する時に、レシーバーを使うと「音でお知らせ」してくれるので、一人でも光の位置合わせが出来ます。

光を照射したい位置にレシーバーを設置し、そこへ本体から光を照射すると音で知らせてくれます。

 

*レーシーバには赤色用と緑色用がある。それぞれの光の波長を検知するため色別専用品です

レシーバ

レーザーのレシーバー

 

上級モデルには追尾機能がある

追尾機能とは、レシーバーを設置した位置に自動的にレーザー光が合う機能です。

通常は、レーザー墨出し器の位置を微調整させてレーザー光の位置を調整しますが、レシーバーがあれば自動的に光を合わせてくれるので、時間短縮です。

この機能は、上級モデルに搭載されていることが多いので、すべてのレーザー墨出し器に搭載されているわけではありません。とは言えな、買って損はないのは間違いない機能です。

 

 

*レーザー墨出し器の購入はこちらから

 

 

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以上です

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