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ピローブロック(転がり軸受ユニット)とは
ピローブロック(転がり軸受ユニット)とは「回転しながら調心と荷重の負荷ができる」軸受です。
つまりピロと転がり軸受の2つの機能を兼ね備えた軸受となります。
ピロとは
ピロの特徴は下記の3点です。
- 調心機構
- ラジアル荷重の負荷
- アキシアル荷重の負荷
転がり軸受とは
転がり軸受の特徴は下記の3点です。
- ころ内蔵
- 回転運動の軸を支持
- ラジアル荷重の負荷とアキシアル荷重の負荷を負荷出来る(軸受タイプにより負荷される割合に違いがある)
上記の説明を理解するとピローブロック(転がり軸受ユニット)は汎用性が高く、高機能な軸受なのだと分かりますね。
グリス給油
さてピローブロックの特徴について前述で述べたのですが、どのような特徴であろうとも「コロ」の分類である事は間違いなく、回転するのですから当然グリスなどの潤滑が必要になります。
グリス給油について
グリス給油についてメーカーカタログで調べてみたところ下記の記述がありました。
*今回、例としているのは「FYHのピロ―ブロック」です。
引用・抜粋:FYH株式会社 インサート軸受ユニット(カタログ)
14.4 グリースの補給
FYH 軸受ユニットは、良質のグリースを封入し、高性能なシールで密封されています。よって、普通の運転条件 ではグリース寿命は長く、無給油で使用することができます(中略)
軸受ユニットは、新しいグリースを補給することによっ て、正常な潤滑状態を保ち、長寿命を得ることができます。
カタログの説明を読んてみますと「購入した時点でグリスは封入されているので、組立作業時にグリスを給油しなくとも良い」と言う事になりますね。
ですが、「定期的に新しグリスを補給すると良い」とも書かれています。つまりメンテナンスの時にグリス給油をすべきなんでしょうね。
補足 給油の仕組み
補足情報としてピロ―ブロックの給油の構造について理解しておきましょう。
下記の写真をご覧くとイメージしやすと思いますが、軸受箱のグリスニップルの真下(箱の内部)に軸受の給油穴があります。穴は円周上に数か所あるのでグリスニップルからグリス給油するとグリスが溝を伝って給油穴に行き渡る仕組みです。
私のやり方
新品のピロ―ブロックにはグリスが封入されていると説明しましたが、私のやり方としては本来ならばグリスは入れる必要は無いのですが「本当に入っているのか?」の確認の為グリス給油を行います。
給油のポイントとしては、「軸受のシールからグリスが漏れるまで」を目安にします。グリスは封入されているのが前提ですので必要以上に給油する必要はありまん。
メンテナンスで給油する
メンテナンスで給油する場合には新品に給油するのとは違い、劣化したグリスを新品のグリスに入れ替えたいのでしっかりと給油し軸受内部を新品グリスを充填させる必要があります。
グリスを入れ替えるポイントは「回転させながら給油する」です。
なぜかと言いますと、軸受の給油穴は数か所しかないので軸受内部の部分的にしかグリスは給油されません。ですから回転させながら給油を行い軸受内部に均等に行き渡るようにすると言う事です。
補足 分解方法
ピローブロックは「軸受箱」に「軸受」が組み込まれているのですが、実は軸受箱から軸受を外すことが出来ます。
外し方は下記のイメージ図をご覧いただくと分かりやすいと思います。
ポイントは「軸受箱の軸受を回転させて軸受の溝から抜く」です。軸受箱に軸受を入れる場合は逆の手順になります。
まとめ
今回の話は些細な事かもしれませんが細かい点に気配りをすることで、結果的に「長持ちする」「壊れにくい」装置を組立てる事になると思いますので参考にしてください。
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以上です。