今回は「折れたねじの除去方法/タガネやポンチやエキストラクターで除去する」についての記事です。
機械装置に関わっていると、ねじが折れてしまう状況に直面することがあります。そんな時には、ねじの除去をあきらめていたり、悪戦苦闘して時間がかかってしまうことがあることでしょう。
ねじの除去は簡単にできるときと、なかなか除去ができないときと状況は様々です。私がおすすめするまずはやって欲しいねじの除去方法は、タガネやポンチを使用する方法とエキストラクターを使用する方法です。今回の記事では、この2つの方法について紹介しようと思います。
目次
ねじが折れる
機械装置にかかわっていると、いつかは経験すること、、、それは「ねじが折れてしまう」ことです。
誰でも一度は経験することですよね。
折れたねじ
さて、もしねじが折れてしまったら、、、、そんな時はどうすれば良いのでしょうか?
折れたねじの除去方法
今回紹介する、ねじが折れたときの除去方法は下記の2つの方法です。
折れたねじの除去方法
- タガネやポンチで除去
- エキストラクターで除去
それでは次項から解説していきます。
方法1 タガネ/ポンチで除去
タガネ/ポンチで除去する方法の紹介の前に、ねじが折れる時に多いパターンを考えてみます。
例えばこのようなパターンではないでしょうか?
- 締付けられた状態から緩める時(回転せずに折れる)
- 締めすぎた時
このような折れた方をした時に、ねじはどういう状態なのか?と言いますと、、、
このような状態です。
- ねじ山の上側が接触しており、ここが食い込んだ状態で折れている
下記のイメージで確認してみてください。
イメージ図

このように、ねじの上側が食い込んで折れている場合の除去のポイントは、、、
- ねじの食い込みの解放する
ということです。それでは、ねじの食い込みを解放させて除去する方法を紹介します。
食い込みの解放と除去の方法
食い込みの解放と除去の方法は下記の通りです。
- タガネやポンチでねじを真上から叩き、ねじ山の上側に食い込んでいる状態を開放する(強く叩きすぎると下方向に食い込んでしまいますので手加減を注意してください)
- タガネやポンチで叩きねじを回転させて除去する
それでは、下記の画像を参考にしてください。
軽度な食い込みでしたら、この方法で除去が可能です。
方法2 エキストラクターで除去
前述で解説した「方法1 タガネやポンチで除去」をやってみて、もしねじが除去できない場合は次に紹介する方法が有効です。
タガネやポンチで除去できなかった時の方法
- ねじの除去専用工具の「エキストラクター」を使用する
エキストラクター使用にはねじの中心に穴をあける必要があり、その穴にエキストラクターを打ち込み、ねじの緩め方向に回転させるとエキストラクターが穴に食い込むことでねじが外れます
エキストラクターでの除去方法
エキストラクターでの除去方法は下記のとおりです。
- ねじの中心にエキストラクターが打ち込める大きさの穴を開ける(ねじのサイズによってエキストラクターのサイズも変えて、穴径がねじ径より大きくならないようにしてください)
- 穴にエキストラクターをハンマーで打ち込む
- エキストラクターをねじの緩め方向へ回転させて、穴にエキストラクターを食い込ませてねじを除去する(もしエキストラクターを外したいときは、ねじの締め方向へ回転させると外れます)
それでは、下記の画像を参考にしてください。
大抵の場合は、このようにエキストラクターでねじの除去が可能です。
折れたねじの除去方法のポイントまとめ
それでは、折れたねじの除去方法ついて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- ねじは食い込んでいるので、きっかけがないと除去できない
- ねじの食い込みが軽度な場合にはタガネやポンチを除去ができる
- タガネやポンチで除去できない時にはエキストラクターを使用してみる
以上3つのポイントが大切だと思います。
最後に
今回は折れたねじの除去方法について解説しました。注意としてこの方法でも、実際には全てのねじが除去できるわけではありません。そんな時には状況に応じた方法を考える必要があります。今回の事例は1つの方法として参考にしてください。
*ねじの頭がなめた場合の除去方法はこちらの記事をご覧ください ⇒ 「頭がなめたネジを外す方法/ドリルで頭を飛ばす」
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以上です。