今回は「電磁弁(VXD)の動作不良/原因はバルブスプリングの組付け間違い」についての記事です。
エアーの制御に欠かせない電磁弁ですが、実は新品の電磁弁でも動作不良のものがあります。
今回は私が体験した電磁弁の動作不良の原因について紹介しようと思います。
目次
電磁弁(VXD)の動作不良
先日のこと、、、客先で新規装置を立上げ中にとある「電磁弁が動作していない」ことが発覚しました。
本来ならば、客先での立上げではなく出荷前の流動確認時でしっかりと確認しておくべきでしたが、この電磁弁はユーティリティーとの接続部分の電磁弁であったために試運転での動作確認を怠っていました。
さてそれでは、原因追及のために状況をもう少し整理していきましょう。
状況
出荷前の流動確認時にはこの電磁弁の動作確認は行っていなかった。
電磁弁スペック
- メーカー:SMC
- 電磁弁型式:VXD2150
- 商品名:パイロット形2ポートソレノイドバルブ
トラブルの現象
トラブルの現象はこうです、、、
- PLCからソレノイドをON/OFFさせても内部の弁体切り替わらない
なぜ弁体が切り替わらないのか、、、分解して原因を探ることにしました。
原因はバルブスプリングの組付け間違い
電磁弁を分解して、弁体が切り替わらない原因を探ってみました。
気が付いたこと
- 電気(ハード)に問題なく、電磁弁にはPLCから出力されている
- 電磁弁を分解し、主弁を確認したが問題なさそう
おかしいですね、、、、どこにも異常が見受けられません。
電磁弁
今度は電磁弁の構造図と実際の電磁を見比べて観察することにしました。
気が付いたこと
- 構造図のバルブスプリングの位置がどうもおかしい
- バルブスプリングの入っている位置が間違っている
やっとわかりましたね。どうやらバルブスプリングが入っている位置が違うことで、電磁コイルはON/OFFしているのに弁体が切り替わらなかったようです。
電磁弁
バルブスプリングを正しく組付ける
バルブスプリングの取り付け位置が間違っていることが分かったので、構造図をもとに正確な位置に組み付けてみました。
電磁弁
電磁弁の組立完了後、動作確認しましたが、、、、
結果、正常に動作しました。
バルブスプリングの組付け間違いの原因
この件は、メーカーへの問い合わせを行っていません。
私の推測になりますがメーカー組付け間違いです。この部分は組立作業で分解することはありませんのでその可能性が高いと思われます。
電磁弁(VXD)の動作不良のポイントまとめ
それでは、電磁弁(VXD)の動作不良ついて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 試運転時に動作確認を怠った。出荷前に必ず確認しておくこと。
- 新品の電磁弁には動作不良のものがある
- 弁体が切り替わらない原因は、内部の組付け間違い
以上3つのポイントが大切だと思いました。
まとめ
出荷前の動作確認を怠っていたことが悔やまれますね。問題は社外に流出させない為に、出荷前までに是正しなければなりません。今一度、気を引き締めて作業に当たりたいと思います。
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以上です。