今回は「ガイド付きシリンダの動作異常/シリンダの動作不良の原因はねじのゆるみ」についての記事です、
機械装置の可動部には欠かせないエアシリンダですが、実は新品であっても動作トラブルが起きることがあります。
今回の記事では、私が実際に体験したガイド付きシリンダの動作異常についてまとめておこうと思います。
目次
ガイド付きシリンダの動作異常
先日のこと、、、客先で新規装置を立上げ中に「シリンダ動作異常」が起きて機械装置が停止してしまいました。
さて、、、その原因は何だったのでしょうか?
トラブルの現象
問題が起きたシリンダを触診してみるとあることに気が付きました。
気が付いたこと
- シリンダのロッド先端にガタが発生していた
ガタが発生したことによって、シリンダが周囲の部品と干渉し動作不良となっていたのです。
しかし私は今までにこのような事例を経験したことがなく、、、、なぜガタなど発生するのか?疑問を感じました。
そこで、シリンダをバラシてもう少し詳しく調べてみることにしたのです。
エアシリンダの動作不良の原因はねじのゆるみ
シリンダのロッド先端のガタの原因を調べるために、シリンダを装置から取り外して観察してみますと、原因を突き止めることができました。
原因
- ガイドシャフトの固定ねじにゆるみが発生している
通常、シリンダのロッド先端にガタが発生することはありません。それは、ガイドシャフトの固定のねじにゆるみ止め剤が塗布されているからです。
絶対に緩まないとは言い切れませんが、ねじのゆるみ止めが塗布されていれば余程のイレギュラーが起きない限り緩まないでしょう。
応急処置
ひとまず、このままでは試運転に差し支えるので、応急処置としてガイドシャフトのボルトを締め付けておきました。(後に代替品に交換)
ねじを締めつけたときの感触は、非常に重たい抵抗だったのでねじのゆるみ止め剤は効いていたと感じました。
ねじのゆるみの原因 メーカーの回答
さて、なぜねじのゆるみが起きたのか?ねじのゆるみ止め剤は効果がなかったのか?その疑問は拭い去れませんよね。
そこで、シリンダーをメーカーに送って調査してもらうことにしました。
メーカーの回答
- 原因の特定はできなかった
なぜか特定できなかったのか?
- ねじの異常が見受けられない
- ゆるみ止め剤が塗布されている
- シリンダ組立工程のねじの締付け工具に異常がなかった
このような回答でした。予想はしていましたが、やはりそのような回答でしたね。
推測で原因を考えると、、、
原因の推測
- ねじの締付け不足ではないか?
なんらかの原因で締め付け不足であった、、、としか考えられません。
ガイド付きシリンダの動作異常のポイントまとめ
それでは、今回のトラブルから学ぶ重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 新品シリンダでも動作異常がおきる
- ねじのゆるみ止め剤が塗布されていても何らかの原因で緩むことがある
以上つのポイントが大切だとおもいました。
まとめ
今回のトラブル事例は、はじめての経験でしたので信じがたいトラブルでした。逆に考えれば、どんなモノでもトラブルが起きる可能性があると言う事。不良の確率の問題ですね。
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以上