潤滑油/グリス/ケミカル

潤滑剤の効果と種類/潤滑油とグリースの特徴を比べる

 

今回は「潤滑剤の効果と種類/潤滑油とグリースの特徴を比べる」についての記事です。

みなさんは潤滑剤と聞けば何が思い浮かぶでしょうか?私の場合は自動車のエンジンやミッションに使用されている潤滑油(オイル)が一番に思いつきますが、人それぞれ何かしら思い浮かぶものがあることでしょう。

もし思い浮かばなくても、私たちは普段何気なく工業製品を使用しているわけでその工業製品のどこかに潤滑剤は使用されています。その潤滑剤は、液体、半固形、固形の3つの種類に分類されるのですが、今回の記事では液体の潤滑油、半固形のグリースについて特徴や注意点をまとめてみようと思います。

 

潤滑剤の効果と種類

機械装置の動く部分には潤滑剤が欠かせませんよね。潤滑材を使用しなければ金属は摩耗や焼き付きが起きて長持ちはしません。これは現場で作業している人は感覚的に知っていることだと思います。

 

 

 

では、具体的に潤滑剤にはどのような効果があるのでしょうか?

潤滑剤の効果

  1. 摩擦作用・・・摩耗/焼き付き
  2. 冷却作用・・・摩擦熱や燃焼熱を奪い冷却する(発熱対策)
  3. 密封作用・・・給油する空間の気密性(ピストンとシリンダなどの機構)
  4. 洗浄作用・・・カーボンや金属粉を落とす(摩擦面のクリーン化)
  5. 防食作用・・・錆を防ぐ

このような効果が期待でき、使用する構造や何の作用を重視するのかによって使用する潤滑剤を選定します。

 

グリース

 

潤滑剤は3種類に区別することができます。

  • 液体潤滑剤・・・潤滑油
  • 半固形潤滑剤・・・グリース
  • 固形潤滑剤・・・二硫化モリブデンなど

この3種類の潤滑剤にはそれぞれ異なった特徴あり、さらには添加剤や増ちょう剤(グリースの場合)の配合具合によって非常に多くの製品が存在します。

 

潤滑油とグリースとは

さて潤滑剤には、液体、半固形、固形の3種類がありますが、その中でも潤滑油(液体)とグリース(半固形)は広く普及しており、また定期的な給油や交換が必要なので身近に感じる潤滑剤だと言えます。その逆に、固形潤滑剤は潤滑の作用は片寄った特性で、給油が困難な場所で使用されることが多くメンテナンスフリーなので組付け以外で触れることが少ない潤滑剤です。

そこでここからは、このような事情を加味して潤滑油とグリースに限定して話を進めていきたいと思います。

 

潤滑油とは

潤滑油とは、基油(ベースオイル)に添加剤を加えて潤滑に適した性能に調整された油のことです。

基油は石油を蒸留して得られる鉱物潤滑油と化学分解して得られる合成潤滑油の2種類があります。

 

潤滑油

 

添加剤には多くの種類があり、これらによって潤滑油の特性が左右されます。

  • 酸化防止剤
  • 腐食防止剤
  • 粘度指数向上剤
  • 清浄分散剤
  • 流動点降下剤
  • 油性向上剤
  • 消泡剤
  • 極圧添加剤 ⇦ 詳しくはクリック
  • 乳化剤
  • 錆止め剤
  • 摩擦調整剤

 

グリースとは

グリースとは、潤滑油に増ちょう剤と呼ばれる、三次元の網目構造の物質を加えて潤滑油を半固形にした潤滑剤です。

 

成分の割合はこのようになっています。

  • 基油 80%~90%
  • 添加剤 0.5%~10%
  • 増調剤 3%~15%

 

グリース

 

増ちょう剤には、石けん系と非石けん系があり増ちょう剤の種類によって特性が異なります。

  • 石けん系・・・カルシウム、リチウム、ナトリウムなど
  • 非石けん系・・・ウレア、PTFTなど

 

潤滑油とグリースの特徴を比べる

それでは、オイルとグリースの特徴を一覧でまとめてみましたのでご覧ください。

 

潤滑油 グリース
速度 中~高速 低~中速
使用可能温度 平均90度以下/さらに高温に強い油もある 平均120度以下/さらに高温に強いグリスもある
耐荷重 あらゆる荷重の対応 中荷重まで
摩擦損失 少ない 大きい
潤滑方式 はねかけ/ポンプによる循環/滴下 密封ケースにグリスを充填/スプレーで塗布
給油方法 容易 容易
給油間隔 短い/定期的な給油か交換が必要 長い/メンテナンスフリーが可能
冷却効果 高い 低い
強制潤滑 可能 不可
密封性/漏れ 悪い 良好
洗浄能力 高い 低い
飛散 する/回収可 する/回収難
浸透性 細部まで潤滑可 やや難
異物の除去/濾過 フィルターで除去 不可
交換の作業性 容易/液体のため除去が容易 やや面倒/グリスが除去しにくい

 

このような違いがあり、使用する環境や構造によって使い分けることができます。

 

補足 粘度やちょう度は皮膜と温度に影響する

潤滑油とグリースに共通していることに「粘度やちょう度の影響」があります。*潤滑剤の柔らかさ、硬さを表現する言葉は「潤滑油=粘度」「グリース=ちょう度」と言います。ここでは粘度で統一して説明します。

それでは、下記の一覧で確認してください。

 

*粘度の違いによる特徴

粘度が高い 粘度が低い
潤滑剤の皮膜 厚い/潤滑重視 薄い
抵抗/エネルギーの損失 大きい 少ない
油温 高温になる 高温になりにくい/冷却重視

 

両者を比べた時に、大抵の人は粘度が高い方(潤滑重視)を選択するかもしれません。しかし、粘度が高いと潤滑剤の温度が高くなるので新たな問題が起きる可能性があるので要注意です。

また付け加えますと、グリースの場合は入れすぎによる抵抗増大によってグリース温度が高くなることがあります。良かれと思ってグリスを入れすぎても逆効果となることあるので注意です。

 

油温が高いと起きる問題は以下の通りです。

  • 粘度の低下/油膜の低下
  • オイルが漏れる
  • 金属や軸受の剥離
  • シールの寿命低下
  • 潤滑剤が早期劣化/粘度が回復しない/粘度が低下する

このような問題が起きる可能性があるため、エネルギーの損失(動力のロス)以上に重要なことかもしれません。

 

ですから、油膜を厚くする目的で粘度の高い潤滑油をいれても、油温が高くなり想定している油膜を確保できなかったりその他のトラブルを引き起こしかねないので、基本的には取扱説明書に従って指定されている潤滑剤を使用し、もし粘度を変える場合にはリスクを把握したうえで使用することにしましょう。

 

参考動画

私が実際に使用している潤滑油とグリスがどのようなモノか、、参考に載せておきます。

 

潤滑油

パラフィン系鉱物油の自動車用ミッションオイルです。

銘柄:オメガ690 粘度:85W140 価格:1リッター¥6450

 

グリス

パラフィン鉱物油に増ちょう剤にポリウレアを加えたグリスです。

銘柄:オメガ85 ちょう度:0~2 価格:400g¥3000

 

まとめ

今回は潤滑油とグリースについて特徴や注意点をまとめてみました。普段何気なく使用している潤滑剤ですが、特徴を知ると潤滑の改善に生かせたり、これから新規で潤滑剤を選定する場合に役に立つことでしょう。また、添加剤や増ちょう剤の配合具合によって多くの種類の潤滑油やグリースがありますので、一般的に流通している潤滑剤ではどうにもならない悪環境にも適した潤滑剤があることでしょう。そう言った意味でも今回の記事が参考になればと思います。

 

*潤滑剤の基礎におすすめ

 

参考文献:【サイト: ジュンツウネット21 潤滑管理とメンテナンスのポータルサイト】 【書籍:一から学ぶ工業潤滑剤 著:出光興産】

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以上です。

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