隙間(すきま)とは
隙間とは物と物のあいだの事。
組立における隙間とは、例えば「部品と取付面のあいだ」「部品と部品のあいだ」「部品と測定器とのあいだ」などを指します。
精度と隙間
部品や組立の評価として「精度」を基準にして判断しますが、この「精度」に影響する事に「隙間」があります。
精度と隙間の関連性
- 平面度(平面の滑らかさ)はどうか? = 反りや歪など
- 直角度はどうか? = 基準に対しての直角の度合い
- 一定の隙間かどうか? = 隙間が必要な部分
隙間があれば平面度や直角度が悪いとの判断になり、隙間が必要な部分は規定値の隙間なのか?の判断で評価します。
このような精度を測定する場合に使用する測定器は下記のようなモノがあります。
すきまゲージ以外の測定器はいずれも平面度と直角度の基準になるモノです。
隙間にこだわる理由
それでは「なぜ隙間を確認するのか?」「隙間がある部品や隙間が発生する部品の何が悪いのか?」について、その理由を掘り下げて考えてみます。
なぜか?
- 製作図面の公差を満たしているかの確認
- 隙間を無視して組み付けると精度不足に陥る
- 組付け/バラシの再現性が無い
- 荷重を与えるとたわみが発生する
つまり隙間は「不確か」で「不安定」であるものなのです。
そこで「隙間」に対してどうアプローチすれば良いか?を考えてみますと、やはり、一番初めにやりたい事は「隙間の測定」でしょう。隙間の具合を測定し、その結果に対してどうすべきか?を判断する事だと思います。
メモ
「隙間の測定」の結果に対してどうすべきか?
- 一定の隙間に調整(隙間がある事が正常な場合)
- 隙間を無くす
このような対応をすれば、隙間の「不確か」と「不安定」を排除できると思います。
隙間確認の基本は?
隙間確認の方法として、私が一番大切な事だと思っているのは「隙間の目視確認」です。
目視確認と言われてもピンとこないかもしれませんが、実は簡単な事です。
目視確認のポイント
- 光が漏れていたら隙間がある。光が漏れていなければ隙間はない。
この判断です。当たり前で簡単な事ですが、隙間を確認するうえではこの方法が基本です。
光漏れ検査
光漏れの判断は測定したい面(部品)にストレートエッジなどの平面度や直角度の基準となる測定器を接触させて(当てる)、その接触面から光が漏れているか?を目視確認します。
ここで重要な事は、接触のさせ方(当て方)です。
接触のさせ方
- 基準の測定器を線で接触させる。面当たりでは隙間の正確な判断はできません。
*実際のやり方を示しておきますので参考にしてください。
正しいやり方
正しいやり方
線で接触させる
いまいちなやり方
いまいちなやり方
手前が影になっていて、手前からの光が入ると反射もするし見にくい。
やってはいけないやり方
やってはいけないやり方
面当たりの為どこかが接触していると光が通らないので判断を間違える。
隙間の値を測定
隙間の有無だけでなく、精度として値を知りたい場合にはすきまゲージを使用します。
適当な厚さのすきまゲージを光が漏れている部分に挿入して測定します。測定面の全体を確認したい場合には光が漏れていない部分にもすきまゲージを挿入してみるのも良いでしょう。光が漏れていなければすきまゲージが入る事はないはずですが、念のための確認は必要なことです。
すきまゲージ
まとめ
今回お伝えしたかったことは「隙間の目視確認」です。測定器に頼るばかりではなく感覚でも判断は可能です。参考にしてください。
以上です。