今回は「第2章スロットル径とエキゾーストマニホールド」についての記事です。(第1章の続編です)
第1章では吸排気によってパワーアップを検討しましたが、今回は実際に実行してパワーがどの程度向上したのかをまとめておきます。
記事の目次
パワーの不満
第1章で解説しましたが、私は2019年シーズンを振り返りエンジンパワーの不足を感じていました。
参考
パワーアップのために実施したこと
今回はパワーアップのために実行したことは、第1章で検討した吸排気の変更内容をそのままです。
*パワーアップのために実行したことまとめ
変更部品 | 変更前 | 変更後 |
スロットル | F20C純正 | SPOONビッグスロットル |
インマニガスケット | 純正ガスケット | CSOインマニ断熱ガスケット |
エキゾーストマニホールド | トレーシースポーツ4-2-1(2が短い) | TODAレーシングのトルキークン4-2-1(2が長い) |
触媒 | F20C純正 | TODAレーシングのF20C/F22C(AP1/AP2)触媒アダプター |
ECU | e-マネージ アルティメイト 現車合わせ | e-マネージ アルティメイト 現車合わせ リセッティング |
*エンジンの仕様はTODA2200KITで、変更前のパワーは、ダイナパック計測で計数なし202.3psです。
*TODAのエキマニ「トルキークン」は集合部分の2が以上に長く、トルク型であることは間違いなさそうでした。
コンピューターセッティングの結果
吸排気を大幅に変更しているので、コンピューターを再セッティングしました。
*パワーはダイナパック計測で、コンピューター現車合わせで行っています。
モデル | 排気量 | レブリミット | 最高出力 | 最高トルク |
前期AP1(参考) | 1997cc | 9000rpm | 250ps/8.300rpm | 22.2kgf・m/7.500rpm |
後期AP2(参考) | 2156cc | 8000rpm | 242ps/7.800rpm | 22.5kgf・m/6.500~7.500rpm |
TODA 2200KIT(変更前) | 2157cc | 8300rpm | 232.6ps(202.3ps)/8287rpm | 20.4kgf・m(17.8kgf/m)/6847rpm |
TODA 2200KIT(変更後) | 2157cc | 9000rpm | 284.0ps(242.7ps)/8280rpm | 22.4kgf・m(19.5kgf/m)/6847rpm |
*TODA 2200KITのレブリミット/出力/トルクは私の現在の仕様です。
*TODA 2200KITの計測は「ダイナパック」で係数は1.15で計算しています。
測定結果のグラフ
変更前
変更後
信じられませんが、このデータを見る限り40PSアップしています。NAで40PSのパワーアップは驚異的ですが、にわかに信じがたいです。
正直前回のセッティングがうまくいっていなかったのか?何かの間違いではないのか?と言うのが実感です。
レブリミットについて
今回のコンピューターリセッティングではレブリミットも変更しました。
- 変更前が8300rpm
- 変更後が9000rpm
一見2.2リッターで9000rpmはリスクが高く短命になると思うのですが、その理由には「共振点」が挙げられます。
エンジン製作したメカとコンピュータ屋さんに言われたことは、「4気筒エンジンの共振点は8500rpmにある」と言うことです。
エンジンが共振によってブローする、、、、そのような話はググっても出てこないがエンジンチューンやレース業界では常識のようです。
で、2.2リッターの場合はF20Cの2.0リッターと違い、ロングストロークで8500rpmを超えていくスピードが遅いので共振時間が長くなりブローするリスクが高くなります。しかし、NAでパワーを出そうと思ったら上まで回さなければいけない。
この相反する事実をどうにかしたいと思い、コンピュータ屋さんと相談した結果「共振点の8500rpmにレブは設定できないので、レブは9000rpmにしてシフトアップは自分の判断でやってみてくれ」と言うことになったのです。レブを8500rpm前後に設定すると、レブらせた時に共振点付近で長時間回転することになるのでブローのリスクが高いのです。
それならば、レブは9000rpmに設定してリスクはあるが8500rpmを一気に超えてシフトアップするほうが良いのではないか?という考えに行き着いたのです。
しかし、9000rpmまでは回さないにしてもレブリミットの設定が高すぎると一体どこでシフトアップすればよいか?、、、。この曖昧さを解消するために、シフトアップランプを取付けて目安となる回転数を任意に設定しようと考えています。これはまだ検討段階ですが、今後取付ける予定です。
ビッグスロットルについて
ビッグスロットについては、第1章の通りSPOONの回答に合ったようにあまりパワーアップには貢献していないようです。
コンピュータセッティングで空気をどれほど吸っているのかわかるのですが、やはりそれほど「吸っていない」とのことでした。これは、想定していた通りでした。あとはレスポンスがどれほど向上しているか?と言うことになります。
エキゾーストマニホールドについて
エキゾーストマニホールドの変更によって相当な変化があったと思います。トルク曲線なんで全くの別物です。
変更前はトレイシースポーツのF20C用だったのですが、高回転でトルクがある程度持続していて9000rpmまでを想定していいるようですが、変更後のTODAトルキークンはトルクがアップしていて谷も少なくなっています。ただし、高回転では落ち込んでいるので、TODAの言われるようにこのエキゾーストマニホールドは9000rpmまでの高回転では不向きのようです。
私のような2.2リッターの仕様には合っていると思います。
触媒について
今回触媒はF20C純正からTODAの触媒アダプターに変更したのですが、コンピュータ屋さん曰く「F20C純正は抜けが良いので、それほど変わっていないと思う」とのことでした。
まとめ
今回は第1章の続編としてスロットル径とエキゾーストマニホールドについての最終結果をまとめてみました。吸排気の変更とコンピュータのセッティングで大幅なトルクとパワーがアップしましたが、現段階ではまだ全開走行していないので、「本当のところ」がわかっていません。
この件は実際に全開走行してみてどうなのか?今後記事にしようと思います。
*今回私が取り付けたパーツは下記から購入できます。
関連記事:【S2000/メンテ/セッティング】
以上です。