Oリング/ガスケット/パッキン

Oリングで密封する原理/Oリングは圧縮と圧力によってシール性が上がる

 

今回は「Oリングで密封する原理」についての記事です。

Oリングの特性と、私が実際に経験したOリングのシール性について解説しようと思います。

 

Oリングとは

Oリングとは材質がゴムの断面が円形の形状で、圧縮(押しつぶして)や圧力をかけると変形して密封するシールです。*圧縮して使用するシールはスクィーズパッキンと呼ばれます。

 

Oリング

 

Oリングの特徴

  • 圧縮や圧力で変形し密封する
  • 固定用として高いパフォーマンス
  • 摩擦が大きい
  • 摩耗量が大きい
  • 固定用(ガスケット)と運動用(パッキン)がある

*シール性が高いが摩擦が大きいので、運動用として使用した場合に条件が悪くなると摩耗が速くなります。

 

この中で組立として理解しておきたいことは「圧縮や圧力で変形し密封する」仕組みについてで、Oリングの自封性(セルフシール)とよばれ、「圧縮」と「圧力」によってシール性が向上することを言います。これはOリングの最大の特徴でもあります。

この部分の理解が乏しいと「漏れ」が起きた時に、間違った対処をしてしまう可能性もありますので、その点について解説してきます。

 

Oリングは圧縮して使用する

Oリングは溝付きの部品に組み込んで、「嵌めあい」や「部品を押し付けて」圧縮して使用します。

圧縮することで、Oリングの反発力が発生し部品に密着することで密封します。

 

Oリングと部品の溝

 

つぶし代(つぶし率)が大切

Oリングは圧縮して使用するので、どの程度Oリングをつぶすのか?が重要です。Oリングに対して溝が浅すぎるとOリングが破損し、深すぎると密封性が低下し漏れがおきる可能性があると言うことです。

Oリングのつぶし量については、書籍に記述されている数値や各メーカーが指定している数値に多少ばらつきがありますが、およそ10~30%程度といった認識で良いと思います。

 

引用抜粋:桜シール株式会社

*Oリングのシール原理

Oリングは、通常8~30%のつぶし代が確保できる設計の溝に装着される

 

*Oリングのつぶし代とつぶし率

つぶし率は10~30%の範囲が適正で、40%以上になるとOリングが破損する恐れがあります。

 

引用抜粋:NOK株式会社

*Oリングの機能に対する考え

ゴム製Oリングはおおよそ40%以上で圧縮割れをおこす可能性があります

 

*Oリングと溝寸法の設定基準

運動用:8~25%  固定用:8~30%

 

引用抜粋:機械設計製図便覧 P14-33 Oリングの種類

運動用のOリングのつぶししろは約10%前後

固定用のOリングのつぶししろは20~30%

 

Oリングは圧力によって密封性が上がる

Oリングは圧縮された状態で圧力が加わると、Oリングは変形して反発力が高まりさらにシール性が向上する特徴があります。

 

Oリングに圧力を加える

 

圧力によってシール性が向上するのですが、注意すべきは圧力が高すぎるとOリングが溝からはみ出て破損し(千切れる)漏れが発生すると言うことです。

この現象をOリングの「はみ出し現象」と言い、はみ出し現象には「圧力」「隙間」「Oリングの硬度」の条件が関係しています。

 

*圧力

  • 圧力が強いとOリングがはみ出るリスクが高まる。(目安の圧力は7Mpa以上です)

 

*すきま

  • すきまは少ない方がはみ出しが起きにくい
  • 運動用の場合には隙間をゼロにすることはできません
  • 固定用の場合は基本的にはすきまゼロで設計されますが、実際は部品の剛性や平面精度、面粗度によってすきまゼロとはなりません。

 

*Oリングの硬度

  • Oリングの硬度は70を基準として、固いと強度が向上してはみ出しに強くなりますが、運動用の場合は抵抗が増えます。

 

下記のグラフで「Oリングの硬さ、圧力、すきま、の関係」について確認してください。

Oリングの硬さ、圧力、すきま、の関係

 

高い圧力にはバックアップリングを使用する

Oリングのはみ出し現象の対策として、Oリングの硬度を硬くすること以外にバックアップリングを使用する方法があります。

バックアップリングとはすきまからOリングがはみ出ないようにするためのリングです。材質はPTFE(テフロン)が一般的ですが、用途に応じて材質に種類があります。

 

バックアップリング

バックアップリングが必要になる目安の圧力は7Mpa以上です。

 

バックアップリングは、Oリングが圧力を受けるのとは逆側(低圧側)に取付けます。また、バックアップリングをOリングの両側にいれるか?片側にいれるか?は使用状況によって違いがあります。

 

私の経験したOリングの漏れの事例

私が経験したOリングの漏れの事例を紹介します。

 

新規組立装置のとある機構で、潤滑が漏れました。

  • 長さ1000mmのロッドを潤滑しながら上下させる
  • 潤滑油のタンクの中をロッドが貫通しており、運動用のOリングでシールしていた

下記のイメージ図を合わせてご覧ください。

イメージ図

 

このような機構で運動用のOリングでシールされていたのですが、潤滑油が少ない時にはロッドから潤滑油が漏れて、潤滑油が多い時には漏れが起きませんでした。

 

これはOリングの圧力によるシール性の理屈で、潤滑油が多い時には油の重みがOリングに強い圧力を与えたことでシール性が向上したと言えます。逆に考えると、圧縮によるシール性が不十分だった(溝の深さ)可能性もあります。

 

潤滑油の油量を常に一杯にしておけば漏れないのですが、油は徐々に減っていきますから減れば減るほど油は漏れ易くなり減る量は加速していきます。もし、漏れを改善する場合にはシール機構の変更が必要な状況でしたが、客先側で潤滑油をこまめに補充して使用することで難を逃れました。

 

もしこのようなトラブルが起きた時にOリングの特性について理解していないと、、「なぜ漏れるのか?」「なぜ漏れが止まったのか?」「どうすれば良いのか?」と、なかなか適切な判断ができないかもしれませんね、、

 

まとめ

今回はOリングの圧縮と圧力によるシール性について解説しました。Oリングはとても身近な存在で密封されている容器にはよく使用されています。ですが、実はその密封原理については理解されていない方も多くいます。参考にしてください。

 

以上です。

キーワードを入力してブログの記事を検索

気になるカテゴリーから記事を検索

この記事で満足できない方はGoogle検索

             

⇩ この記事のシェアはこちらから ⇩

-Oリング/ガスケット/パッキン
-, , ,

Copyright© 機械組立&制御盤組立の部屋 , 2020 All Rights Reserved.