エアー関連

エアシリンダの速度制御はメーターアウトが基本/圧縮性による制御方法

 

今回は「エアシリンダ(複動形)の速度制御はメーターアウトが基本」という記事です。

エアーを扱う上で、一番最初に理解しなければならないのが「空気の圧縮性」です。そして、シリンダの制御には圧縮性が深くかかわっています。

今回はその点の解説をしよう思います。

 

メーターイン制御とメーターアウト制御

エアシリンダ(エアアクチュエータ)の速度制御(流量調整)には、スピードコントローラー(速度制御弁)を使用したメーターイン制御とメーターアウト制御があります。

 

*補足 スピードコントローラーとは・・・流量調整の絞り弁(ニードル弁)と逆止弁(チャッキ弁)の2つの機能を兼ね備えた継手のことです。

 

この2つの制御方法の違いを説明しますと、、

 

*メーターイン制御とは、

シリンダにエアーを供給したときに、シリンダの供給側の流量を制御して、シリンダの速度を調整する制御方式です。

 

*メーターアウト制御とは、

シリンダにエアーを供給したときに、シリンダの排気側(反吸気側)の流量を制御して、シリンダの速度を調整する制御方式です。

 

このような違いがあるのですが、このうちメーターアウト制御がエアシリンダ(複動形)の速度制御としては基本となる制御方法となります。

 

引用抜粋:SMC Q&A 駆動制御機器

 

メーターアウト制御が基本な理由

メーターアウト制御の説明で、「エアシリンダ(複動形)の速度制御としては基本となる制御方法」と説明しましたが、それはなぜでしょうか?

私も初めは、メーターイン制御で調整するのが正しいのではないのか?エアーの供給側を調整するほうが素直ではないのか?と思っていましたが、実はそうでないと言うことなのです。

 

それは、「空気の圧縮性」の特性が大きく関わっているためです。

 

空気は容積変化によって圧縮されると「圧力」が上昇します。圧力は高いところから、低いところへ流れる性質があるので圧縮された空気は「押し出す力=出力」となります。

しかし、裏を返せば圧縮されていない空気、つまり大気圧の空気には流れが生じないので「押し出す力」として使用することができません。

つまりそれが、「メーターイン制御の欠点」となり、「メーターアウト制御の方が優れている」と言うことなのです。

 

メーターイン制御の欠点

メーターイン制御の場合、「シリンダ内部のパッキンの摺動抵抗や、ロッド先端の負荷によって速度が速くなったり遅くなったりする」欠点があるのですが、それは空気の圧縮性が原因なのです。

 

それではイメージし易いように、メーターイン制御のシリンダの動作フローを確認してみましょう。

 

メーターイン制御の動作フロー

メーターイン制御の動作フロー

メーターイン制御のシリンダの動作イメージ

メーターイン制御のシリンダの動作イメージ

 

このようにメーターイン制御では安定した押し出す力(出力)を得ることができないので、速度が不安定になりやすく制御が難しいのです。

*補足 メーターイン制御はエアークッション(排圧での減速)の制御がしにくい、効きにくい欠点もあります。こちらの記事をご覧ください ⇒ 「エアシリンダの衝撃吸収/クッション付シリンダの仕組みと調整」

 

メーターアウト制御が優れている理由

シリンダの速度制御にはメーターアウト制御が優れているのですが、その理由には「メーターアウト制御は負荷に対して安定している」と言うことが挙げられます

 

こちらもイメージし易いように、メーターアウト制御のシリンダの動作フローを確認してみましょう。

 

メーターアウト制御の動作フロー

 

メーターアウト制御のシリンダの動作イメージ

 

このようにメーターアウト制御の場合ですと、供給側には流量が制限されていないエアーで常時満たされているので一定の押し出す力(出力)が発揮されやすく「負荷に対して安定している」と言うことになります。

 

メーターアウト制御の欠点

実はメーターアウト制御にも欠点があります。

 

それはロッドの動き始めにおいて、排気側の排圧が低いとロッドが飛び出す「飛び出し現象」が起きてしまうことです。この飛び出し現象は、ストロークが短いシリンダでは目立たないのですが、ストロークが200mm以上になってくると顕著現れ、残圧開放などで排気側のエアーが完全に大気圧の場合にはストロークに関係なくすべてのシリンダで目立っておきます。

 

この飛び出し現象にはメーターアウト制御にメーターイン制御を組み合わせることで、対策が可能なのですがそれについてはこちらの記事で解説しています ⇒ メーターイン メータアウト制御の設定方法/シリンダの飛び出し対策

 

シリンダの動作不具合

機械装置においてエアシリンダは欠かせない機器ですが、空気の特性についてしっかりと理解ができていないとトラブルに直面したときに苦労することがあります。

 

例えばこのようなトラブルが起きたとします。

  • 昇降シリンダが下降するときに動き出しが一瞬速く制御できない
  • 非常停止で急速排気によって残圧開放後に、異常リセットで動作させるとシリンダが飛び出す
  • 非常停止したのに、シリンダが少しの時間動き続ける
  • シリンダから離れた位置にスピコンを取付けると、メーターアウト制御なのに速度が安定しない

 

この時に考えて欲しいことは、「空気の圧縮性」についてです。

予想外の動きであったり、制御が不安定な場合には必ず「空気の圧縮性」の特性が関係していると思って良いと思います。

 

私の場合も、問題が起きた時には必ず「空気の圧縮性」を念頭に置きながら「なぜそうなるのか?」そして「どうすれば解決できるか?」と考え、それが問題解決の突破口となっています。

 

まとめ

今回はエアシリンダの速度制御の方法についてまとめてみました。エアシリンダは機械装置には欠かせない機器ですが、空気の圧縮性についてしっかりと理解ができていないと混乱してしまうケースがありますので、参考になればと思います。

 

以上です。

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