ただ言いたい事

組立目線の2DCADと3DCAD/後工程で発覚する不具合

2D CADと3D CAD

CADは図面を描くツールですが、CADには2D(2次元)と3D(3次元)のCADがあります。

  • 2D CAD・・・正面/平面/側面を三角法によって描かれる図面
  • 3D CAD・・・立体的に描かれる図面

 

これまでは2DCADが主流でしたが、近年3DCADの割合が多くなってきました。今後さらに3DCADの普及が進んでいくと思われます。

下記の資料をご覧ください。年々3DCADの割合が増えてきていることがわかると思います。

引用抜粋:経済産業省 2020年版ものづくり白書 P92

 

私が初めて3DCADに出会ったのは入社間もない10年以上前のことでした。

欧州出張で装置の改造をしていたのですが、現地で部品を調達する必要があり現地サプライヤーに依頼したのですが、その時提出された図面が3Dでした。

2D図面しか見たことがなかった私はそこそこの衝撃をうけたと記憶しています。

 

しかしそれ以降3DCADには縁がなく、現在私の置かれている環境は100%が2DCADです。

 

なぜでしょうか?

設計者に聞くと

  • 3Dの必要性を感じない
  • やりたいけど、反対派がいるのでできない
  • 3Dを習得する時間がない
  • 2Dで問題ない

なにやら不穏な感じです。2D、3D論争といいましょうか、設計者によってかたくなに拘る理由があるようです。

 

では2DCADは完璧なのでしょうか?

 

次項で取り上げますが、設計段階の問題が見過ごされて後工程になって発覚することが往々にしてあります。

それは設計者のスキルの問題なのか?会社のシステムが悪いのか?

 

それとも「2DCADの限界」ではないのか?

 

昔から「設計8割」と言われるように、ものづくりにもっとも重要なウエイト占めているのが設計です。

設計の良し悪しがすべての運命を司っているいっても過言ではありません。

 

そこで今回は、組立目線で「組立作業」と「部品製作」について2DCADと3DCADの優劣を考えてみたいと思います。

 

2DCADの組立不具合

私は以前から組立作業中に起きる不具合/問題点を集計してきました。

詳しくはこちらの記事をご覧ください ⇒ 「設計や部品製作などの問題を抽出し対策する/問題のデータ化」

 

 

私が集計した過去4年にわたるデータによると、設計に関係する不具合のトップ3は、、

  1. 部品の干渉
  2. 取付けピッチ間違い
  3. 穴/タップのサイズ間違い

割合で言いますと、1位の部品の干渉は全体の30%で、上位3項目の合計は全体の50%も占めています。

 

もしこの問題が低減できれば、、、部品の干渉が発生0件になれば、、、「組立工数」「製作費」「工期」は大幅に短縮になるに違いありません。

 

改善されない原因は?

不具合トップ3はなぜ低減できないのでしょうか?

 

  1. 部品の干渉・・・干渉しているかわからない、気が付かない
  2. 取付けピッチ間違い・・・・ピッチが間違っていることに気が付かない
  3. 穴/タップのサイズ間違い・・・サイズが間違っている気が付かない

簡単に言ってしまえば、問題が起きているか「気が付かない」からこうなるのであって、つまり感覚的な要素で結果に優劣がつくと言うことは、この問題は永遠になくならないことを意味しているような気がします。

 

しかし、3DCADで設計している方の話だと、「3Dならこのような問題はまず起きない」と言うのです。

そこに、2Dと3Dの差がありそうですね。

 

2Dと3Dの優劣

では、先ほどから取り上げています不具合トップ3に焦点を当てて2DCADと3DCADの違いについて考えてみます。

*私は組立なので、2D3Dを使って設計をしていないので私の認識に間違があるかもしれません。

 

 

「部品の干渉」・・・組図、ユニット図で部品が組み合わさった状態で確認します

  • 2DCAD・・・三角法で描かれた平面図を脳内で組み合わせて確認する。ズレが生じていても(線が重なっている)気が付かない可能性。
  • 3DCAD・・・立体で描かれているので、画面上(視覚)で認識できる。ズレが生じていたら立体にならないので成立しない。

 

「取付けピッチ間違い」と「穴/タップのサイズ間違い」

  • 2DCAD・・・組図、ユニット図では合っているが、バラシ作業/部品図にするときに間違う。数ある図面の一部分だけ変更修正したが反映していないので、整合性がない可能性がある
  • 3DCAD・・・図を修正すると、その内容を自動的に他の図面に反映するので整合性があり、間違えがない

 

この差は大きいですね。

確かに3Dならば不具合トップ3は「起きない」かもしれません。組立の私からしたら3DCADは大歓迎です。

 

部品製作における2Dと3D

ここで視点を変えまして、部品製作について2Dと3Dについて考えてみたいと思います。

 

当たり前のことですが、機械装置に製作部品は欠かせませんよね。

私は入荷した製作部品が図面通りの仕上がっているか「部品チェック」をおこなっているのですが、NG部品が発生することもあるので、どのような問題が多く発生しているかを集計しています。

*部品チェックについてはこちらの記事で紹介しています。 ⇒ 「部品チェックとは/組立の仕事

 

 

発生している問題を大まかにまとめるとトップ3は下記のようになります。

  1. 公差不良
  2. 穴径間違い
  3. ピッチ間違い

このうち、「穴径間違い」や「ピッチ間違い」の原因は加工者の技量だけでなく、2Dならではの問題が潜んでいると考えています。

 

現在の私の環境は2DCADが100%ですので、部品製作の出図の方法は下記の4点になっています。

  • 紙ベースの図面を直接渡す
  • PDFデータを送る
  • 図面をFAXで送る
  • DXFファイル(図面交換ファイル)

基本紙ベースですから、NC工作機械に加工データを手入力する「手間」や「間違い」、印刷状態によって「見難く」「見間違える」ことが起きているのです。

本来ならば、このような単純な問題(違和感)は加工者が「気づき」未然に防ぐことができる場合もあるのですが、人手不足の昨今ものづくりの支えだった熟練工と呼ばれる職人は年々減少し、全体的な経験/技術の低下が進んでいるのでそうも都合よくいかないようです。

 

しかしこのような問題も、3DCADとなれば図面のデータ(情報)が豊富になり、部品製作の方法の選択肢が増え「穴径間違い」や「ピッチ間違い」などの単純なミスが低減するのではないかと思うのです。

 

例えばミスミのmeviy(メヴィー)と言うサービスはこれからのものづくりのあり方を象徴しているようです。

引用抜粋:meviy(メヴィー)

部品調達のあらゆる手間とムダを解決。3DCADデータをアップロードするだけで。ミスミのカタログ品同様に確実短納期でお届け。

 

今後の部品製作

「2DCAD」から「3DCAD」の割合が増えていき、「職人の技術重視」から「データ重視で人を介さない」

私は組立側の人間なので加工の知識は未熟ですが、漠然とそう思っています。

 

もしそうなれば、

  • 製作間違いが起きない
  • 安定した品質の提供
  • 熟練工の人材不足を解消

このような効果があるのではないでしょうか?

 

「穴径間違い」や「ピッチ間違い」なんて大した間違いではないと思うかもしれませんが、実際のところ再製作となってしまうことがほとんどです。

再製作となれば納期が遅れ、組立作業は進みませんし、それを挽回するために本来不要な時間外労働も増えていきます。

 

そう考えると、3DCADに将来性を感じざるを得ません。

 

まとめ

今回は組立目線で組立作業と部品製作について2DCADと3DCADの優劣を考えてみました。

私は組立ですから、実際に設計することも加工することもありませんから、当事者の考えや感触は私とは違うと思います。というか、私の考えが間違っているかもしれませんね。

しかし、長年組立に従事してきた私には改善したい「問題」が山積みされています。設計者、加工者のスキルで改善できないならば、ツールに頼るしかないと思います。そのツールの1つが3DCADではないのでしょうか?

 

**実際に3DCADでお仕事されている設計ブロガーさんが2DCADと3DCADについて記事を書かれています。 ⇒ 「機械設計メモ2」

 

以上です。

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