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【電気配線/制御盤製作 】

【制御盤組立の作業方法】配線図で確認と準備をする

2020年4月15日

制御盤組立の作業

今回は制御盤組立の作業フローの第1段階「配線図で確認と準備をする」について私の場合を例として紹介しようと思います。

 

配線作業

 

制御盤組立の作業フローは下記の通りです。

 

配線図で確認と準備をする

準備の手順

制御盤組立をおこなうにあたり、一番初めに行うべき事は「配線図を確認して必要な情報を書き込んでおく」ことだと思います。

例えば私の場合には下記の情報を確認するとともに、不十分な場合には図面に書き込んで配線作業時に迷わないように明確にしています。

  1. 電線の種類
  2. 電線の色
  3. 電線の太さ
  4. COM配線(渡り配線)
  5. 配線の順番

 

このような情報が明確だと配線作業時に迷わずにスムーズに進められると思います。

それでは上記の確認すべきことについて解説していきます。

 

電線の種類

電線の種類は「客先の仕様」や「日本電気工業会のJEM1122」などの規格に合わせます。
*JEM1122とは「配電盤内配線の 600V 以下の回 路用電線の種類及び色別」の規格です。

配線図に指定があればそれを使用する事になりますが、基本的には2択になり主回路、制御回路共にIV電線(ビニル絶縁電線)かKIV電線(電気機器用ビニル絶縁電線)のどちらかを使用します。

簡単に言いますとIV電線は固く癖が付きますがKIV電線は柔らかくしなやかです。

殆どの制御盤は電線を配線ダクトでまとめるやり方ですから、その場合には扱いやすいKIV電線を使用します。

配線ダクトを使用しない場合には電線に癖がついて単独でしっかり固定できるIV電線を使用した方が良いと思います。

 

KIV電線 1.25㎟ 青色

青色の電線

 

電線の色

電線の色は「客先の仕様」や「日本電気工業会のJEM1122」などの規格に合わせます。

例えば下記の系統によって色分けします。

  • 主回路三相交流
  • 主回路単相交流
  • 制御回路交流
  • 制御回路直流
  • 接地(アース)

 

JEM1122の規格ですとアースは緑でそれ以外は黄色となっていますが、客先の仕様によっては細かく色の指定がされているので仕様書を確認して図面に書き込んでおくと良いと思います。

私の場合は客先の仕様によって下記の色を使い分けています。*客先によって色の指定は様々です。

  • 黒色・・・三相交流
  • 黄色・・・交流/直流
  • 赤色・・・三相交流(R)
  • 白色・・・三相交流(S)
  • 青色・・・三相交流(T)/直流
  • 橙色・・・盤外からの電源
  • 赤色・・・交流
  • 緑色・・・接地(アース)

 

このように沢山の色の電線を使用しますので、慣れないうちは間違えたり混乱しますので気を付けましょう。

 

電線の太さ

電線の太さは「コスト」「作業性」「省スペース」などの理由で無暗に太い電線を使用するのではなく適切な太さの電線を使用するべきだと思います。

ただ、客先の仕様で決められている場合がありますし、そうでなくてもJEM1122規格では「主回路は負荷容量に適したサイズ」「制御回路は1.25㎟」「接地電線(アース)は2.0㎟」となっています。基本はこれで良いと思いますが、制御回路に限っては1.25㎟よりも細い0.75㎟や0.5㎟の電線を使用したいとこです。

その理由ですが、電線の本数で言いますと制御回路が一番多く「コスト」「作業性」「省スペース」に直結して関係してきます。ですから、負荷容量を計算したうえで問題なければ1.25㎟以下の太さの電線を選択したいのです。

 

器具の定格電流

配線図と器具に記載があります。

ブレーカー一覧

 

電線の太さの選定方法は、接続する器具の容量(何アンペアか)によって下記の算定表で選定します。

*KIV許容電流表

サイズ(sq/㎟) 許容電流(A)
0.5 4
0.75 7
1.25 19
2.0 27
3.5 37
5.5 49
8.0 61

 

*系統別の電線の太さの基準です。正確には器具によって判断します。

系統 電線の太さ(sq/㎟)
主回路/動力電源 ブレーカーや器具の容量によって算出
制御電源 1.25
COM配線(DC電源のP24やN24など) 1.25
PLCの入力/出力 0.75~0.5
リレーの接点 0.75(厳密には器具の容量から算出するが、おおよそ0.75で良い)
リレーのコイル ∔側(P24)は0.75~0.5 -側(PLC出力/N24/0V)は0.75~0.5 *COMで接続する場合には1.25

*リレーのコイルの定格電流はどのタイプでも「1A(アンペア)以下」ですので、0.5㎟の電線で十分です。

 

COM配線(渡り配線)

COM配線(渡り配線)とは、例えば電源系統で複数の器具に接続する場合に、電源から器具へ配線するのではなく器具から器具へ配線が渡っていく事をCOM配線(渡り配線)と言います。

*COMとは共通/共用と言う意味です。

DC電源のP24/N24などの系統の電線を複数の器具に接続する場合にはCOM配線するのが常識です。

 

無数のリレーにはCOM配線

リレーのコイル

 

このCOM配線を配線図で拾い出し、明確にしておくと電源線が足りないとか端子台が足りないなどの問題が起きにくくなります。

 

配線の順番

私の場合は下記の順番で配線をします。

  1. 主回路3相交流
  2. 主回路単相交流
  3. 制御回路交流
  4. COM(渡り配線)とアース
  5. 制御回路直流
  6. 通信ケーブル

 

上記の配線順番を不慣れなうちは配線図に記入しておくと良いと思います。

この配線の順番には私なりの理由がありますが、それは「【配線作業のやり方】制御盤組立の作業方法」の記事で説明しようと思います。

 

まとめ

今回は制御盤組立の作業フローの第1段階「配線図で確認と準備をする」について解説しました。今後さらに制御盤組立の経験を積んで記事を修正していきます。

どのような作業においても事前準備(予習)は必要だと思いますし、行き当たりばったりの作業では綺麗でスマートな作業は出来ません。特に私のような制御盤組立が不慣れな場合は特に重要ですから、同じ境遇の方の参考になればと思います。

 

 

*制御盤組立の基礎知識のおすすめはこちら

 

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以上です。

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