今回は「樹脂製配線ダクトやカッチングダクトとは/カット方法で綺麗に処理する」についての記事です。
配線ダクトやカッティングダクトは機械装置の配線やエアー配管に欠かせない部材で、綺麗に素早く安全に作業をおこなうために使用されます。
今回の記事では、樹脂製のダクトをカットする方法と綺麗に処理する方法について紹介をします。
目次
樹脂製配線ダクトやカッチングダクトとは
ダクトとは何かを運ぶ「管」の事で、配線ダクトとは電線やエアーチューブなどの配線や配管を使用する機器までの道中を収納してまとめておくモノです。
この配線ダクトには鉄製のタイプと樹脂タイプがあり、鉄製は強度がありますが使い勝手は悪く、樹脂製は強度はありませんが軽量で扱いやすいのが特徴です。
引用抜粋:興和化成株式会社 配線ダクト
今回は機械装置の機内や制御盤内に使用される樹脂製配線ダクトの施工について解説します。
配線ダクトのカットのポイント
配線ダクトは基本的には定尺2000mmを購入して必要な長さにカットして使用します。
このカットは簡単な作業なのですがポイントが2点あります。
- 見た目
- カット面のバリ
見た目については綺麗にかっこよく見せるたのテクニックがあり、カット面のバリについては作業時に手を切ったり、電線の被覆を損傷させない為に重要です。
事項の「カット方法」でこの2つのポイントに注目して作業を解説します。
カットに必要な工具
カット方法の解説の前に樹脂ダクトをカットする為に必要な工具を紹介しておきましょう。
樹脂製の配線ダクトをカットする為には専用の工具が必要で、専用の工具でなければ綺麗にカットできないので見た目やバリの問題が起きます。
必要な工具は下記の3点です。
- ダクトカッター・・・ダクトの長さ方向をカットする
- ダクトニッパー・・・通線孔をカットする
- プラスチックニッパー・・・面取りやバリをカットする
カット方法で綺麗に処理する
配線ダクトのカットには大きく分けて3つのカットがあります。
- 配線ダクト本体の全長をカット
- 配線ダクトのフタのカット
- 通線孔のカット
上記の3つのカットについて「見た目」「カット面のバリ」に注目した施工方法について解説します。
配線ダクト本体の全長をカット
前述で述べた通り、配線ダクトは定尺を必要な長さにカットする必要があります。そのカットに必要になるのが「ダクトカッター」です。ダクトカッターは樹脂材専用のカッターなので切断面がささくれたりせずに綺麗にカットできますが、実際にカットする時に注意したい事が2点あります。
まず1点目ですが、配線ダクトは「通線孔の面でカットして使用する」と言う事です。面でカットして使用する事で「何かに引っ掛かってダクトが割れる」「手を切る」「面が揃っているので見た目が良い」などの効果があります。
*配線ダクトのレイアウトの都合上、やもえず通線孔の面でカットできない場合もありますが基本は面を揃えて使用した方が良いでしょう。
それではカット作業を画像で確認してください。
2点目の注意点はカットした面の角をプラスチックニッパーで「面取りカット」した方が良いと言う事です。
角をカットする事で「ひっかっかり防止」「手を切らない」効果があります。これは機械部品も同じことが言えますね。
それでは面取りカット作業を画像で確認してください。
配線ダクトのフタのカット
配線ダクトのフタは、前述で述べたダクト本体の長さに合わせてダクトカッターでカットします。ここでも先ほどと同様に注意したい事が2点あります。
1点目は配線ダクト本体よりも「フタの全長を長くカットする」と言う事です。おおよそですが、片側5mmほど長くカットすれば良いと思います。
この目的は「フタが多少ズレても長めなのでダクト本体が隠れる」「配線ダクトを真上から見た時に本体部分を完璧に目隠しする事で見た目が綺麗に感じる」の2つの目的があります。
それではフタのカット作業を画像で確認してください。
2つ目の注意点はカットしたフタの角をプラスチックニッパーで「面取りカット」した方が良いと言う事です。
これはダクト本体のカットでも説明した通りで、フタにも同じ事が言えます。
それでは面取りカット作業を画像で確認してください。
通線孔のカット
通線孔は配線の通り道ですが、配線の量が多い場合にはカットして通線孔を拡大します。このカットには通線孔のカット専用の「ダクトニッパ―」を使用します。
懐が深く専用設計になっているニッパーです。
それでは通線孔のカット作業を画像で確認してください。
*補足
上記の状態で使用できますが、もし折った部分の突起が気になったり、ダクトニッパ―のカットが上手くいかずバリが出た時にはダクトニッパ―でカットし直して修正することが出来ます。
カット方法のポイントまとめ
それでは、樹脂製配線ダクトのカット方法ついて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 専用の工具を使用する(ダクトカッター、プラスチックニッパー、ダクトニッパー)
- 通線孔の面でカットして面を揃える
- 蓋は左右5mmづつ長くカットする
- バリがないように面取りカットをおこなう
以上4つのポイントが大切だと思いました。
まとめ
いかがでしょうか?「見た目」「カット面のバリ」の2つのポイントを押さえて、「配線ダクト本体のカット」「配線ダクトのフタのカット」「通線孔のカット」の方法や注意点を解説しました。
いい加減にやるのか、拘って気を遣ってやるのか?作業者の考え方ひとつです。参考にしてください。
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関連記事:電気配線/制御盤製作
以上です。